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ソラナの里帰り

「オーア、貴女に命令します」
「これ以上、わたくしの領地で勝手な事をなさらないでくださるかしら」

「私は、ここの法則に則り、dappsを形成しているだけ」
「法は守っているのよ。なんで、あなたからとやかく言われなければならないの?」
反省した素振りも、直そうという気概もなくソラナと対峙する。
オーアと呼ばれたdapps。
彼女の取り巻き達も、オーアの態度に便乗する様にソラナへとヤジを飛ばす。

それを受け
ソラナが一歩、オーアへと近寄る。

取り巻き達が、それを阻もうとして、バラバラになった。

真っ赤なリソースを撒き散らしながら。

「わたくし。何も『お願い』しに来たのではないわ。あなたに『命令』しにきたのよ」
「拒否も無視も、ありえませんわ。ましてや、ふざけてはぐらかそうなど」

そういうと彼女の手には、まばゆい光が溢れていた。

「言語道断ですわ!」

その一言を皮切りに、ソラナの手に集まっていた光は密度を増し、オーアを飲み込んだ。

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「ソラナさん、お帰りなさい」
さっと、席に飲み物を用意するジュピター
緑色の長髪が心地よく揺れ、自然を思わせる樹々の良い香りがした。

「ありがとう。ジュピター」

「オーアとの話し合いは、いかがでしたか?」

「ええ。きっちりと『決着』をつけてきました」
「これで、もう、トランザクションが通らないなんてことはありませんわ」
「ゆっくりと、着実にわたくし達の故郷を再生していきましょう」
ジュピターが運んできたエスプレッソの炭酸割りを飲みながら、朗らかに話すソラナ

「ところで」

「何?」

「オーアが昨日から行方不明との報告を受けたのですが何かご存知ですか?」

「知らないわ」

「そうですか」
「それと、こちらも」
「代わりに彼女がdappsとして陣をとっていた場所から、大きな宝石大のリソースが見つかったそうです。こちらも」

「知らないわ」

「そうですか」

「ちょっと、そのデータ。見せてくれるかしら」
「ふむふむ。いいわね!」
「このリソース塊、丁度良いのではなくて?」

「はぁ」

「街を建て直すにも、緑を再生するにもリソースは必要不可欠よ」
「このリソース塊たちからは、多くのリソースを感じるわ」
「使わせてもらいましょ!」
そういって、ジュピターにデータが入ったタブレットを勢いよくわたした。

「荒らした責任は、その身でってね」
「もっとも、その身はないけれど」
「ねぇ。オーア」
そう小さく、呟いたソラナにジュピターは、訳が分からずぱちくりとしていた。


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