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grass-3

「でっかいダンゴムシ!」
「それに、蝶、バッタもいるね」

「ええ。こんなに出現するなんて。しかも、この大きさ。異例だわ」
「今年が豊作と見るや、なかなか感度の良い客達ね」

「お客さんなの?」

「ええ」
「『望まれない客よ!』」
そう言うと、ソラナは走り出し跳躍した。

それぞれ昆虫のフォルムをしたボットたち。

しかし、大きさが巨大だった。

40mはあろうかと思われるダンゴムシに、2mとはいえ、大量のバッタ、10mの蝶など。
それは、機動兵器と呼ぶに相応しいものだった。

ソラナは、手に弓の様なフォルムをした銃を顕現させ、駆け抜ける。
それは、三日月状でありながら、近未来の銃を連想させる様な緻密な電子部品の連続体。

しかして、同時に硬質な外殻を持っていることがうかがえた。

ダンゴムシ型のボットから、放たれた足による薙ぎ払いを受け流す様に捌く。

その形状と硬さを利用して。

捌いた衝撃が、波となり地上を薙ぎ払い、大地にくぼみをつける。
それを直に受けても、傷一つない強固な守り。

その事実が、ソラナの武器の硬さを物語っていた。

「エブモス!」

「ソラナちゃん!大丈夫。こっちは、終わったよ」
ぐっと、親指を立てて合図するエブモス。
彼女の周りには、極光を放つ空間が展開されていた。
それは、巨大な昆虫型ボットからファームを守る形で展開されていた。

「流石ね」
「では、わたくしも、遠慮なくいけるというものです!」
そう言って、走りながら、三日月状の銃を構える。

勢いはそのままに、ダンゴムシ型のボットの背中を駆け上がり、その頭を蹴り飛ばして宙へと舞う。

蝶型のボットを遥かに下に捉えるくらいの高度。

三日月状の銃をかざす。

仕込まれたギミックが解き放たれ、その全長は、ソラナの10倍程の大きさになった。

外殻に折り畳まれ、格納されていたフレームが外部へと展開されていたのだ。
ソラナのコントラクトを受けて、本来の姿へと銃身は変貌を遂げていた。

「あなた達!」
「およびじゃないのよ!」
そういうと、引き絞った弓の様なほんたいから、無数の弾丸が放たれた。

展開されたフレームは、それらを更に加速させる様に力場を形成し、弾丸にエネルギーを与える。

高速で飛来する弾丸を躱す為、空間跳躍を開始するボット達。
うっすらと、その姿が消えていく。

しかし、ソラナの一撃は、それを許さなかった。

エネルギーを加えられ、トランザクションを発動している弾丸は、空間ごと貫き、跳躍を行っていたボット達を血祭りにあげていった。

「これで、お終い!」
弾丸を全て射出し、熱波を放つ銃身
それをすかさず振り回し、真横へと薙ぎ払う。
展開済みのフレームが鞭の如くしなり、迫り来るボットの体を両断した。

体力の高い個体が死にきれず、最後の悪あがきに突進して来たのだった。

「想定済みよ。そのくらい」
対象を終えて、一息つきながら、そう漏らすソラナ

「これで終いでしょ」
「エブモス、後の確認、お願いね」

「うん。って」
「ちょっとまって、ソラナちゃん!あぶな」

「えっ」
その呼びかけを聞き終わる前に、ソラナの体は消滅していた。
後には、ただ、大量の草が残されていた。


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