見出し画像

2つの吸引的固定点を持つメビウス変換

 メビウス変換によって図形(点)を次々に変換していくと吸引的固定点に収束していきますが,この吸引的固定点を始めから指定することができます。
 メビウス変換を A→A,B→B,C→D によって定義すると,吸引的固定点がBになるのです。その逆変換では吸引的固定点がAになります。

リンク先を開くと,見出し画像の画面になります。
赤の点が吸引的固定点。緑の点C,Dのいずれかをドラッグして移動すると、メビウス変換の定義が変わり、それに応じて全体が変化します。しかし、常に2つの吸引的固定点、A,Bに図形が収束していくことがわかります。
最初の図は,点Cの右上にある赤い点を中心とする円です。この点をドラッグしても図が変わります。

画像1
画像2

===============

ここからは,Cinderellaでこの図を作る方法を簡単に説明します。手順だけ書いておきますのでやってみてください。Cinderellaが初めての人は,このマガジンの少し前を読むと具体的な操作方法が書かれています。

(1) 4点A,B,C,D をとります。位置関係は図をまねして取りましょう。
(2) インスペクタを使って点の大きさと色を変えます。
(3) モードメニューの「変換」「メビウス変換」でメビウス変換を定義します。
  まず A→A,次にB→B ,そして C→D です。
(4) モードメニューの「変換」「逆変換」でこの変換の逆変換を作ります。
  これで右上に変換ボタンが2つできます。
(5) 「半径つき円を描く」ツールで適当なところに円を描きます。
(6) インスペクタを使って,中心の点の色と大きさを変えます。色は黄色です。
(7) この円の中心と円周を選択します。(Shiftキーを押したまま中心と円周をクリック)
(8) 上のボタンを何回か押していくと,次々に変換された円が点Bに近づいていきます。
(9) 始めの円(中心と円周)を選び直して下のボタン(逆変換)を何回か押していくと次々に変換された円が点Aに近づいていきます。


次節:メビウス変換と流れ

→ インドラの真珠:目次 に戻る。