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インドラの真珠:パラメータで遊ぼう

これまで,2つの円でメビウス変換を定義してショットキー円を描いたところから,2つの円を使わない「おばあちゃんのレシピ」による描画,とすすんできました。「インドラの真珠 D.マンフォード他 著」では,CHAPTER 8 として「パラメータで遊ぼう」があります。MatheVital にはこの節はありませんが,やってみましょう。元になるのは,CindyJS のギャラリーにある,Kleinian fractals です。

ここには2つの図が描かれていますが,左側がアポロニウス・パッキングです。中央の青と赤(始めは重なっています)をドラッグすると図が変化するのですが,あれこれ試しているだけでは,「だからどうなの」となりかねません。このプログラム(CindyJS だけでなく CindyGLも使っている)を元に,「インドラの真珠」に掲載されているいくつかのパラメータによる図を確かめていきます。

リンク先を開くと次の画面になります。

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Kleinian fractals と同じですが,上に1から9までのメニューがあり,taとtbの値は左上に表示されています。
Kleinian fractals と同様,中央の青と赤の点(始めは重なっています)をドラッグで動かすことができますが,上のメニューボタンの「2」をクリックしてみましょう。

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これは,「インドラの真珠」の220ページにあるものです。
この状態から青(赤)い点を動かすこともできます。少し動かしてみましょう。

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少しだけ変化しました。
他のボタンも試してみましょう。「1」は始めのアポロニウス・パッキングです。
いずれも,「インドラの真珠」のCHAPTER8 に出てくるものです。特に次のものは218ページの図8.1で,本ではこの周辺が何度か取り上げられています。

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前の節で書いたように。はじめのアポロニウス・パッキングの図に比べると精細な図になっています。(色は単色にすることもできますが,ここはオリジナルのまま)。しかし,本にあるものを順に試していくと,本の図と若干異なるものや,本の図ができないものもあります。たとえば,229ページの図8.10 は ta=tb=$${2 \cos \dfrac{\pi}{10}}$$ の場合ですが,この図が描けません。こちらのアルゴリズムではなく,ショットキーまでで使っていたアルゴリズムならば,次のように描くことができます。(理由はいまのところ不明。おそらく誤差の問題)

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ところで,おばあちゃんのレシピでは

(2) 2次方程式 $${x^2-t_a t_b x+t_a^2 + t_b^2=0}$$ の解$${x}$$ を選んで $${t_{ab}=x}$$ とおく。

となっていました。2次方程式の解はルートの前が$${\pm}$$  ですが,マイナスの方でやってきています。「インドラの真珠」の本もそのようです。ではプラスの方にしたらどうなるのか。やってみましょう。

リンク先を開くと次の画面になります。これは「おばあちゃんのレシピ」でもやってみたものです。

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9つのメニューボタンで設定されるのは,さきほどと同じ ta  と tb の組です。図がどのように違うか,やってみてください。


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