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安曇野を走る

梓川の小さな橋を渡ると安曇野だった。
JR梓橋駅のホームの端に,「是より北安曇野」と書かれた案内板がある。ホームに滑り込む車窓から見えるのは一瞬だ。

安曇野はあこがれの地だった。さだまさしの「安曇野」を聴いて思いを馳せ,「梓川」の名称から,子どもの名前に「梓」をつけようかと思ったくらいだ。(実際にはつけていない)

梓橋からさらに7駅目で穂高に着く。

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2014年8月。今回の目的は,大糸線から西側の山のふもとにある国営アルプスあづみの公園と,東側にある大王わさび農場に行くことだ。予定コース全部で20kmに満たないが,安曇野を走る。また,走りながら道端の道祖神を見るのも目的の一つ。道祖神は,穂高駅前にもある。このあと何体の道祖神に出会うだろうか。

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駅から出発後、初めに出会った道祖神

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25号線からあづみ野公園への分岐点。向かいは北アルプスだ。車はほとんど通らず広い道を行くのは気持ちがいい。

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あづみ野公園。できて10年ほど。

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エントランス。これより中に入るには410円。スケジュールの関係もあり,今回はパス。

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 売店で「信州安曇野の美味しい水を使った緑茶」ペットボトルを買う。160円。しかし、これがうまい。水宗園というお茶屋でつくっているのだった。自販機にはない。
 来た道を戻る。行きは30分走って休み、坂は歩き、10分走って休み、で、なんでこんなにバテるのか、こりゃまずいぞ、と思っていたが、なんてことはない、ずっとゆるーい上り坂だったのだ。途中から,来たときとは別の道になるが、こちらはすいすいで納得がいった。ほとんどこがずに柏矢町の駅をすぎて、「安曇野の里」に到着。

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 ここには,湧水の取水場がある。安曇野の名水。「東海の名水・わき水やすらぎ紀行(風媒社刊)」に載っていたので、500mlのペットボトルを捨てずに持ってきてある。2本分。帰る途中ですこしずつ飲んだが、うまい水だ。味は特にない。変な表現だが味はなくてうまい。体にスッとなじむ。
 家に帰って先日買った「北アルプス天然水」を確認したら取水地が安曇野の松川だった。でも、すこし違う。ミネラルの含有量か。とてもやさしい水なのだ。
 これ以降,すっかり安曇野の水のファンになった。今飲んでいるのはウエルシアで売っている安曇野天然水。サントリーの南アルプスの天然水より安い。

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喫茶チロルで、水出しコーヒーを飲む。480円(税別)レジの横で出している。

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安曇野の里を出て,万水川の川べりを走る。ここはせせらぎの小径というのだ。川の水はきれいだ。

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ほどなく、大王わさび農場に到着。人がいっぱいだ。
入場は無料。入るとすぐに売店があるが,そこにも道祖神。

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畑の方に行くと,わさびのオブジェがある。その向こうはわさび田。黒いのは寒冷紗。日除けだ。

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予定では、いわな茶屋でいわなの塩焼きを食べるつもりだったが、なんと、今日まで休み。どこかのテレビ番組ではないが,行ってみたら休み,ということが結構ある。休業中のいわな茶屋のそばにも湧水がある。というより,大王わさび農場全体のあちこちから湧水がわき出ている。それでわさびを栽培しているのだから。

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農場は広大だ。わさび田沿いの散策路。このあたりに来る人はほとんどいない。静かでいい。

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わさび田。「素足になって湧水の冷たさに触れてください」という案内板がある。

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ここは有名スポット。ゴムボートで案内もしている。

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ひととおり回ったので、そば処で昼食。いっぱいだと思ったが,意外に座れた。回転がいいのだ。
わさびの葉のかきあげそば。かきあげは、わさびのほか、タマネギなどで、3cmくらいの厚み。

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帰途につく。道祖神はいろいろなところにある。マンホールのふたにも。

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橋にも。

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穂高の駅のすぐ近くに穂高神社がある。この日は時間がなくなってしまったので参拝は次にしたが,1ヶ月後に再訪したときの写真を載せておこう。

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ここは安曇族の祖神を祀っているところだ。安曇族は,海神系の宗族として,北九州に栄え,信濃の開発に功を立てた。入口には安曇比羅夫の像がある。

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安曇族比羅夫は,天智元年,百済の皇子豊璋を百済に護送,救援して王に就かせた。その翌年の白村江の戦いで敗北を喫しているが,安曇族の英雄として称えられている。
 このときの帰りには,冒頭に書いた,梓橋の案内板を車窓から撮ることができた。

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この1ヶ月後の安曇野再訪については,次の「旅めし」で。