![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77144601/rectangle_large_type_2_00504cd086287cdd0ca95bf4a50f99bf.png?width=800)
自己平方フラクタルの拡張
複素数 $${z}$$ または $${c}$$ を $${f(z)=z^2+c}$$ によって次々に変換したとき,原点から遠ざかるかどうかで分類したものが「自己平方フラクタル」。初期値を $${z=0}$$ として,$${c}$$ を分類したのがマンデルブロ集合で,$${c}$$ を固定して$${z}$$ を分類したのがジュリア集合である,と考えてよいでしょう。ただし,「フラクタルCGコレクション 渕上季代絵 サイエンス社」(以下,この本)では,ジュリア集合については別の定義をしています。
さて,この本には,マンデルブロ集合のところに,$${f(z)=z^3+c}$$ と$${f(z)=z^6+c}$$ の図が載っていて,「$${f(z)=z^n+c}$$ の場合,丸いコブが中央に$${n-1}$$ 個現れます」と説明されています。
実際にやってみましょう。
「Cinderellaへのいざない:マンデルブロ集合」でやったものとほとんど同じですが,左下に「指数」のスライダがあります。これを動かして指数を3にすると,次の図になります。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77011759/picture_pc_3f712d4d88464043da0f52425ba3aadb.png?width=800)
指数を6にすると,下図左になりますが,拡大していったときに,指数が2のマンデルブロ集合とさほど変わったことはありません。たとえば,下図右のように「入江」の中のそのまた入江の数が増えますし,海岸線がリアス状になっていきますが(海と陸地にたとえて)そのくらいの違いです。まあ,たいしたことはないといっていいでしょう。この本でも細部を探索した図はほとんど載っていません。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77011779/picture_pc_1fb4308cc0d4be9e3e4f1693d54463b9.png?width=800)
ついでに,$${n=1}$$ の場合もみておきましょう。 $${f(z)=z+c}$$ です。これは単なる平行移動ですから,単純な図になることは想像できるでしょう。同心円ができて,「深度」を深くすると右のように同心円の数が増えます。これはこれできれいなものです。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77012212/picture_pc_800276f7f1fae9924466c76084f2b469.png?width=800)
では,ジュリア集合の方はどうか。この本では,前述のようにジュリア集合の定義が異なるので,これについては掲載されていません。やってみると,こちらは実に多彩な結果になります。
これも,「自己平方フラクタル(2)ジュリア集合」でやったものに,指数のスライダが追加されただけです。したがって,初期画面は同じですが,指数だけ3にしてみるとつぎのようになります。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77143817/picture_pc_07718070b842f8e48a275a7ecc6901f6.png?width=800)
図がガラッと変わってしまいました。この図は閾回数を 300 , 400 にしてもあまり変わりません。
では,左の白い点をドラッグして $${c}$$ の値を変えてみましょう。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77143822/picture_pc_065d2db997d0c6bdc3ed555b443bc19d.png?width=800)
この図も,300 と 400 にしてもあまり変わりません。しかし,ここからほんの少し動いた次の図では,300,400にすると中の渦巻き状のところが変わります。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77143826/picture_pc_e449b047cf464cc57918afe14b8ba28b.png?width=800)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77143856/picture_pc_e66dd64eabde8c214df08ebb2dff9889.png?width=800)
次の図は指数が7の場合です。これも300,400でだいぶ変わります。色合いまで変わってしまうのです。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77143958/picture_pc_dc6de7a948dc70a221ee4a2dc7e39693.png?width=800)
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77143980/picture_pc_932a9211ff4d56b33f34d965a61fb9df.png?width=800)
指数は実数にすることもできます。整数でない実数の場合はどうなるでしょうか。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77144237/picture_pc_57c23319d1d961f82ab73643b28d261f.png?width=800)
指数とcの位置(値)の組み合わせで実にさまざまな図が出現します。「配色」スライダで色を変えるとまた趣が変わります。
いろいろやってみましょう。