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【レビュー】モニターヘッドホン「MDR-M1ST」は俺的にナシ!6,000円のヘッドホンと比較


 こんにちは、イーヴィルな斉藤です。
 今回はSONY MDR-M1STというモニターヘッドホンを手に入れたのでレビューしてみます。
 が! タイトル通り私には合いませんでした。
 このままではただこき下ろすことになるので、Amazonで6,000円で売ってるヘッドホンと比較という形にしてみます。
 6,000円ヘッドホン、なかなかいいですよ。

※飽くまで私が手に入れたMDR-M1STについてレビューしています。レビューの中には「内部配線が狂っていたので直したら神音質だった」みたいな評も見かけたのですが、私に直す気力も知識もないのでそのまま書いておきます。
(というかそれが本当だとしても、プロ用のヘッドホンとして売られているものの管理体制が悪いって話になるので当然悪い評があって然るべきと思っています)

1 MDR-M1STの悪い点

SONY MDR-M1ST
  • なぜか強調された700Hzあたり!

  • 一枚膜を隔てて聴いているようなこもった音質!

  • 狭い音場感!

  • 狭いレンジ!

  • ダイナミックレンジも狭い!

 比較的重くクリアな低域は評価できるところはなくもない(迂遠な表現)のですが、周波数バランスとしては300~700Hzあたりが強調されているせいか箱鳴り(海外プロデューサーが言うところの『ホンキー』なトーン)の印象が強いです。

 音場感も狭く、まるでモノラル音声を聴いているようです。
「モニターヘッドホンなら音場感が感じられないのも仕方ないのでは?」と思われるかもしれませんが、あのMDR-CD900STよりも音場感がありません。
 CD制作時代に出した900STからレコードの時代に戻ってどうする。

 レンジも狭く感じます。
 一応ハイレゾ世代ということもあり5~80,000Hzまで再生できるとのことでしたが、「再生できることと聞こえ方は別」というのをわからせてくれるヘッドホンであるともいえます。

 今までモニターヘッドホンは「全体的な鳴りはまぁまぁだけど楽器弾く人のモニターにならまぁ使える」みたいなピーキーな機種もありましたが、ダイナミックレンジ(音の大小)も狭いので、ボーカル録音に使ってみましたが結果は芳しくはありませんでした。
 ボーカルは大小をしっかり聞き取れる機種でなければ歌い手が強弱をコントロールできないですが、強も弱も似た音に聞こえてすぐ飽和するのでこのヘッドホンでのモニターは難しいと思います。

※重ねて言いますが私の手元にある機種の評です。
 世の中にはきちんとしたM1STもあるのかもしれません。

2 MDR-M1STの良い点

  • 音が近い

 ここに魅力を感じる人はいるかもしれません。だからってこの機種を使う理由にはならんが
 音はかなり近く、他のヘッドホンを使うとちょっと遠く感じます。耳に傾斜したドライバや覇気の足りないやわやわイヤーパッドが関係しているのかもしれませんね。

 また、やたらと「分解能は高い」と言われていますが、少なくとも私の手元にある機種は特筆するほど分解能は高くありません。

3 6,000円のTAKSTAR Pro82との比較

TAKSTAR Pro82 一応モニターヘッドホンと銘打たれています

 MDR-M1STは低音寄りのカマボコ型、Pro82はドンシャリ型です。
 MDR-M1STと比較してかなり遠目の音をしています。2歩くらい後ろに下がったような音ですが、違和感がある聞こえ方ではありません。

 何を聴くにもPro82のがバランスよくクリアに聞こえます。一方、高域の特にハイハットがタンバリンみたいに聞こえるようなクセもあります。
(まぁ、MDR-M1STのクセほど強くはありませんが)

 Pro82は低域を微調整できるスライドボタンがあり、一番低域を多くしてもそれなりのノリで聞こえます。いつもはちょうどいい真ん中でいつも使っています。

 正直、6,000円でこれだけの音が出るのは珍しい方だと思っています。
 一方で、やはりドンシャリ傾向なので「ボーカルのモニターに使う音が近いヘッドホンが欲しい」という用途には合いません。CD900STかオーテクとかビクターのモニターの方が近くて良い音なので金があるならそっちのがいいです。
 ミックス作業をするならPro82の方が良くて、適当に家にあるヘッドホン使うよりは良いと思います。

 普通にリスニングとしても使えるので、割とオススメ。
 どこからもスポンサードされてないけど。案件お待ちしてナス🍆

4 終わりに

 以前記事を書いたPHONON SMB-01Lがポキっと折れてしまったので新たなモニターヘッドホンを探していたんですが、正直、「3万を払った割にこんな出来のものかぁ…」と思っています。

 だからといって「SONYも落ちたもんだな」とか企業的な背景を腐す気はないんですけど、SONYって結構こういう機種多いんですよね。
 MDR-Z1000も低域寄りのパッとしない機種だったのを思い出しました。今メルカリで半額で大安売りされてるもんね。

 今回、軽く書いているようですが私にとっては悲しいことで、次のモニターヘッドホンどうしようかな…と思っています。SMB-01Lは良かったけど7万はキツすぎる…。


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