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海外ポッドキャスターの録音ノウハウが素晴らしいので訳した

 海外のポッドキャスター、Bandrew 
Scott氏がやっているYouTubeチャンネル(Podcastage)を観ていたら、めちゃくちゃ重要なことを言っていたので共有します。
(主なところだけ超意訳で書いていきます。伝わればいいんや!)

イントロダクション

 彼を説明すると、オーディオ機器をレビューしたり、ポッドキャストをしたり、記事の寄稿をしているマルチな活動をしている方です。
 機材についてくるステッカーを異常なほど憎み、レビュー前に箱をぶん投げる様は正直スベってるなかなかクレイジーな人となりですが、あらゆる機材メーカーや著名スタジオのSEOからもコメントをもらっているすごい人ではあります。

動画名:録音後の加工(ポストプロセッシング)の目的について
動画説明:加工の目的と、オーディオを加工する際に犯しがちな最大の過ちについて説明します。

 では、以下に動画の要約を書いてきます↓↓

何のために後処理をするのか?

  • 録音後にEQやコンプレッサーなどの加工をするのは、あなたの声を変えることが目的ではない。

  • 視聴者に聞きやすくするのが目的のはず。

  • ではどうするか注意点を書いていく。

Step1.良いテイクを録ること

  • ①適切に録って無加工のテイク、
    ②同じマイクで適切に録らなかった無加工のテイク、
    ③適切に録らなかったテイクを後処理したテイク
    (注※動画内で実際にそのテイクが示されます)。

  • ①~③のうち、10回中10回、私は①の「適切に録って無加工のテイク」を選定する(注※誰がどう聞いても①の方がいいテイクです)。

  • つまり、録り終わった後に時間とリソースを割いても「最初から良い録音には敵わない」ということ

(訳者注)
 レコーディングでは「録りがすべて」は常識ですが、どちらかというと「発音・音程・タイミングのズレなどに気をつける」というニュアンスで伝わっています。
 でも、「ハッキリ発音できなかったけど後で編集すればいいや」と思わずに、適切な距離で話してEQを不要にして、なるべくコンプレッサーが不要になるようにハキハキと話すことが一番大事という意味ですね。

Step2.目的を持って加工すること

  • 編集ソフトにEQやコンプなどのプラグインを挿す前に、目的を考えること。

  • 漫然とEQを入れず、「マイクに近づきすぎて近接効果(マイクに近すぎると低域が増幅される現象)が出過ぎたからローを削る」などの目的があって初めてEQをすること。

(訳者注)
 レコーディング界隈では「目的を説明できないプラグインは入れない」とよく聞きますが、なかなか難しいもの。
 もう十分にヌケてる音に「いつもかけてるからサチュレーションかけちゃお」と思い、どれだけ効果があるのかも判別つかないまま使うこともしばしば。自制します。

Step3:聞きやすさを提供すること

  • 空調機器をつけっぱなしにして「サー」というノイズが出ないよう、スイッチを切っておくこと。

  • サシスセソ行がやけに耳に刺さる音を出したり、破裂音の度に「ボフッ」という音を出したりしないよう、マイクは横から口を狙って設置すること。

  • 声が小さくなったり、大きくなったりすると聞きづらかったりびっくりするので、声の大きさは一定に保っておくこと。

(訳者注)
 他にも、部屋の反響が邪魔しないようにする(口の近くで録れるダイナミックマイクを使う、小さめの部屋でマイクの周りの壁に毛布等をかけて吸音材代わりにするなど)のも重要です。

Step4:“味”をつけるのを一旦やめる

  • ポッドキャスターやストリーマーたちは、後から音声を加工しようと考えたが、誰もその結果に満足しなかった。

  • これはStep1で話したとおり、録り音がしっかりできていないから。

  • Step1がしっかりできてから、味をつけるために様々な加工をするのは構わない。

  • くれぐれも、EQやコンプレッサーを過剰に立ち上げては「削った、増やした、圧縮した」を何度もしないように。

  • とにかく、録音の時点で音を決めること。

訳者から(まとめ)

 この方は前述のとおり、普段から録音機材、とりわけマイクのレビューをよくしている人です。
 そんな彼ですが、別のHOW TO 動画では最終的には使用するマイクすら重視しておらず、ただのマイキング(マイクの位置の変更)で解決したりしています。

 もちろん、使用機材も大事ではあるのですが、別の動画では「音をよくする方法は機材を増やすことではない」という主張もされています。


 私ですか?
 私はダイナミックマイクを買いました(散財)

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