どうしても、ついていきたい。

自分の心がとてつもなく突き動かされている。

それにつられて、口も手も動かされている。さらには、今すぐにでも走り出したいくらい、体も動きたくてうずうずしている。

どうしても、ついていきたい人に出逢ったんだ。

その方をずっと知っていたわけではない。なんなら、あまり知らないのかもしれない。もっと調べておくべきだったと、イベントが始まる前は後悔したくらいだった。だけど、このイベントを知った瞬間、どういうイベントかも見ずに、考えるよりも先に、気付けば無意識にチケットを手に入れていた。

そして、今日。20時から始まる1時間半のZOOM越しのイベント。

私は素敵な時間になる確信だけはあった。自分の人生を良い方向へと導いてくれる。それだけは分かっていた。

だけど、始まった瞬間に気付いた。なにに気付いたか、正直言葉にするのも難しい。だけど、言うならば、これは「素敵な時間」なんてものじゃなく、自分の「人生の転機」になると。人生を変えてくれる、そんなとんでもないイベントに参加してしまったと思った。

息をするのも忘れるくらい、瞬きをするのも忘れるくらい、無我夢中に、一言もこぼしたくなくて、全て自分の心に留めていった。ノートも取りたいし、無意識に自分と重ねて考える瞬間もあったけど、それさえも邪魔に感じるくらい、全身で全ての言葉を受け止めたい自分がいた。いや、受け止めないとだめだと思った。それだけ、貴重な言葉だと思った。

「自分の意志で人生を生きる」「人間そのものが美しい」「陰の部分も全部まるごとその人だ」そんな言葉を聞いたとき、

私自身の経験から生み出されたその考えや言葉と同じだった喜びと同時に、その方が発するそれは、自分のそれと全くもって別物なんだろうなとも感じた。そして、そこに優劣をつけるわけではないが、到底私が理解できるものではないんだろうなとも感じた。同じ考えで同じ言葉なのに。

だけど、それはむしろ当たり前のことで。誰ひとりとしてまったく同じ意味を表す言葉を持っていなくて、その人の経験や考えから生まれた言葉だから、同じように捉えることは出来たとしても、全く同じになることは誰もないんだと思う。

それでも、その方の言葉は、すごく遠く感じた。

それが、その方の人生の重みを表していると思った。

そして、「美しい」と心から感じて震えた。

自分のずっと叶えたい夢が、この人の元にいくと叶う。それどころか、それを遥かに超えた景色を見せてくれる、いや、見ることができるのではないかと本気で思った。確信があった。

もうどうしてもついていきたい。どうしてもその人と同じ景色が見たい。同じ時間を過ごしたい。どんなことでもいい、私は自分の全てを今すぐに捧げることができると本気で思った。

なにもかも捨てて、今すぐ走っていきたい。

だけど、悲しくも嬉しくも、私にはまだ何も持ち合わせていないので捨てるものもない。それだけまだ何者でもなく、なんの力にもなれないかもしれない。

すごく自分勝手でワガママで甘えているのも分かっている。

彼女が一緒に働きたい人は「優秀な人」と仰っていた。

私はそれに該当する人間だとは到底思えない。どんな仕事も人の3倍時間がかかるような人で、切り替えも遅くて、どう見ても仕事できる人間ではない。

だけど、許されるのであれば、どんな試練も必ず乗り越えるので、その方のもとで「優秀な人」になっていきたい。そこで共に働く全ての方にご迷惑をおかけすると思うし、時間を取ることになるし、何を言ってるんだと相手にもされないかもしれない。もちろん私ひとりで決めれることではないんだ。

今じゃなければ、いつか、でもいい。

どうしても、ついていきたい。どうしても。

こんなことを思った人は初めてだった。心が震えて、突き動かされて、居ても経ってもいられず、今この瞬間にでも飛んでいきたい。

私の実現したい世界が、そこにある。いや、もっと素晴らしい世界があるんだ。

動くんだ、自分。

無理だったら、出来るまで頑張ればいい。

まずは動くしかない。バカになれ。


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