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【感想】スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団

2010年 カナダ・アメリカ・日本・イギリス
監督 エドガー・ライト
出演 マイケル・セラ
   メアリー・エリザベス・ウィンステッド
   クリス・エヴァンズ

あらすじ

無職のバンドマン、スコット・ピルグリムはある時、パーティで出会った女の子・ラモーナに一目惚れする。17歳の女子高生と付き合っているスコットだったが、そんなことお構いなしに彼女へ猛アタック。交流を深めた二人はいい感じになるが、突然、謎の男がスコットを強襲した。
なんとか男を撃退したスコットにラモーナは言う。「私と付き合いたいなら、7人の邪悪な元カレ軍団と戦わなければいけない」
次々に襲いくる個性豊かな元カレたちを倒し、スコットは彼女を射止めることが出来るのか……。

感想

エドガー・ライトといえば、なんと言ってもサイモン・ペグとタッグを組んだ『コルネット3部作』が有名ですね。コメディ映画としてどれも絶品なので、是非『ショーン・オブ・ザ・デッド』から見てほしいです。ハマれば3作見終わるまで抜け出せませんよ。

私もその3作はめっちゃ好きなんですけど、同じ監督のコメディである本作はずっと見てませんでした。ストーリー紹介だけ見て、なんか合わなさそう…って避けてた感じです。

でもまぁ、評価もいいし見てやるかと視聴したんですが、すっごいハイテンポなアクションコメディで大満足でした。やっぱエドガー・ライト作品好きなのかもしれない。音楽と連動したキャラクターの動きがめちゃくちゃ気持ちいいし、セリフのセンスとかももろ好み。特にスコットの同居人であるルーカス・リーがキレッキレの悪態をつくとこが笑いのツボでした。

最近のコメディ映画といえば、笑って泣けるってのが一種のお約束になっていますが、今作はそんなお涙頂戴的な演出が一切なかったのも逆に好感が持てました。主人公からして平気で二股かけるクズだし、元カレ軍団が襲いかかってくる理由も結局よく分かんないし。頭空っぽにしてとにかく笑ってくれ、という熱意がヒシヒシと映画全体から伝わってきます。

あとは何より、展開の速さです。7人の元カレと戦うっていうシンプルなストーリーラインなんだけど、アクションシーン含めてスピード感マックス。しかもどの元カレも独特な邪悪さで迫ってくるので、単調で飽きるなんてことはありません。ジェットコースタームービーとはまさにこのこと。

元カレ軍団との戦いで好きなのは、やっぱり最初のマシュー戦ですかね。いきなりインド映画風に歌って踊り出したところは思わず吹き出しちゃいました。あとは3番目の菜食彼氏。ヴィーガン警察がヤバすぎる。

そんな感じで、バトルシーンはどれもアクションとコメディの配分がちょうど良く、見る抗うつ剤って感じでテンションあげあげになります。ただ、日常シーンはちょっとコメディ要素がしつこい感じがして、見ていて恥ずかしくなるというか、胃もたれするような部分もありました。バトルがとにかくハイスピードなので、もう少し緩急がほしかった気もします。

あとは、漫画原作なので仕方ないのかもしれませんが、登場人物が多すぎてとっ散らかってた印象はあります。7人の元カレ軍団は仕方ないとしても、映画の本筋にあまり絡まないネームドキャラがちらほら。スタイリッシュな映画に似合わない贅肉のように感じてしまいます。

ただ、昨今話題の漫画原作問題から考えると、削るに削れないってのもあるかもしれません。私自身は、別に原作通りだろうがオリジナルだろうが面白ければ良い派なので、作り手側が自由に表現できない環境になるのは嫌だなぁって思ってます。

はい、関係ない話は置いといてまとめ。アクション・コメディともにハイテンポで駆け抜けるノンストップムービー。個性的すぎる元カレ軍団との戦いから目を離せない! な映画です。ちなみに2023年に本作と同キャストでアニメシリーズも作られてます。そっちはちょっとカロリー控えめな感じ。

以上、私は青髪のラモーナが一番好みでした。。お疲れ様でした。

視聴:ネトフリ

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