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【感想】タッカーとデイル 史上最高にツイてないヤツら

2010年 カナダ
監督 イーライ・クレイグ
出演 タイラー・ラビーン
   アラン・デュディック
   カトリーナ・ボウデン

あらすじ

タッカーとデイルの仲良しコンビは夢であった別荘を手に入れ、楽しい休暇を過ごしていた。夜中に釣りをしていると、女子大生のアリソンが誤って湖に落ちるのを目撃する。なんとかアリソンを助けた二人だったが、それを見ていた彼女の友人たちは、サイコキラーにアリソンが連れ去られたのだと勘違いしてしまった。
翌朝になり、アリソンを救出しようと二人に襲いかかる大学生たち。だが、彼らはウッドチッパーに頭から突っ込んだり、自ら木に串刺しになったりと、散々に自爆してしまう。大学生たちはそれらをタッカーとデイルの仕業だと思い込み、誤解はさらに深まって取り返しのつかない事態になっていく…。

感想

目つきの悪いおっさん二人組が先入観で「こいつら殺人鬼だ!」と勘違いされるっていうのが本筋になるんですけど、もう発想の勝利ですよね。とにかくシチュエーションが面白かったです。

土台として『13日の金曜日』などの古典的スプラッタホラーがあり、そこにアンジャッシュじみた勘違いコントのような状況をトッピングしたコメディ映画。何にも悪いことしてないのに、周りでどんどんは人が死んでくのが非常にシュールで、ビールでも飲みながら気楽に鑑賞するには最適の一作でした。

その死に様が、もうそれはバリエーションに富んでいて、スプラッタ映画としても芸術点が高かったです。グロいっちゃあグロいんだけど、笑えるグロというか。そこまで耐性ない人でも多分平気だとは思います。お気に入りは、やっぱりウッドチッパーにヘッドダイビングするところですよね。多分この映画で一番有名なシーンだと思うんですが、そのテンポの良さとお間抜けっぷりとは正反対な凄惨さという対比が、シュールギャグの極致だと思いました。

あとはこの作品のもう一つの肝である『殺人鬼と勘違いされる』部分なんですが、こっちは少し雑だったかなぁと。一応、初対面で背丈よりも大きい鎌を持ちながら話しかけてきたり、いきなりチェーンソーをぶん回しながら追いかけてきたりと、かなり勘違いされる要素はあるんですが、ほとんどの場面で「あいつらは殺人鬼に違いない!」という強引な主張が多く、少し無理矢理な感じがしました。もう少し凝った仕掛けがあれば良かった。

そんで、キャラクターですが、デイルくんがかなりいい味を出してます。典型的な非モテ中年で、かなり天然なところも勘違いされるコメディというテーマにピッタリハマってます。タッカーとデイル、と銘打ってはいますが、実質的な主人公となるのはその口下手な大男であるデイルくんなんです。

彼が助けた女の子・アリソンとの交流や、親友であるタッカーの励ましから力を得て成長していく、というのが一応のメインストーリーとなっているんですが、そっちもそこそこ面白いのが意外でした。大体こういう映画のストーリーって添え物程度で味が殆どないってのが定番なんだけど、デイルくんの成長物語としても楽しめるんで、スプラッタ以外のシーンも同じテンションで見続けることができます。

一方で相方のタッカーくんは本当に『ツイてないヤツ』なのでとても可愛そうです。まぁ、演じている人が今やディズニー映画のメイン声優なので、そっちで運を取り戻してるのかもしれません(暴論)

まとめ。人を見た目で判断すると良くないよという教訓に満ちたスプラッタコメディ。ゲラゲラは笑えませんが、ずっとニヤニヤできるって感じの映画でした。

以上、それにしても邦題クソダサいですね。お疲れ様でした。

視聴:アマプラ

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