見出し画像

わたしの屍を越えてゆけ|二拠点生活のおわり

二拠点生活の挫折については忘れないうちに記録しておきたい。
うっかり同じ過ちをしないよう自分への戒めと、どこぞの誰かの参考になれるよう、わたしの屍を越えていってほしいからだ。

まず、わたしは世間においてスタンダードタイプだと思う。

*人口35万人のいわゆるベッドタウンで生まれ育ち、中高大就職すべて首都圏で完結している人間が、人口1万5千人の海辺の町で暮らすことへの憧れ。*20代からひとりバックパックで東南アジア、中央アジア、欧州へ行き、寝台列車もドミトリー宿もサッカーのゴール裏のもみくちゃな環境もやってきた。そこそこ逞しい。

人口減の町の不便さ不自由さについて、もちろん頭では分かっていた。
○公共交通機関が1時間に1本
○買い物や外食の選択肢が限られてる
○都市に出るのに数時間かかる陸の孤島
○築50年の古民家は底冷えする
○実はお金がかかる(環境と設備を整えるために)

単身二拠点生活者の立ち位置の難しさは、ひとつも想像していなかった。
○観光客でもない移住者でもない、半端さ
○地域との温度差を感じ、孤独が深まる
○拠点に心を許せる友達がいない
○親友やパートナーに会いたくて、やっぱり本拠点を頼る
○出会えた人と共通理解ができそうでできない
○ゼロからの人間関係は減点方式で評価されてしまう
○よって信頼関係を積み上げることが難しい

覚悟を持って3年住もうと決めていないと孤独の闇に堕ちます。自尊心が保てません。あと、暮らしの新鮮さは半年で落ち着きます。

結論:狭い地域での人間関係は複雑で大変です。

人生の中で一瞬だけ、海辺に身を置けたことに後悔はないし、いいこともたくさんあったけど、悩みと苦しみを背負った日々に打ち消される……。
社会は一拠点だけでいいと実感を持って言える。
わたしはひとつの拠点を居心地良く暮らせるようにしていきたい。
日々のていねいな暮らしと、ときどき冒険があれば、それでしあわせ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?