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総理の夫、の読書感想文『トイレ掃除生活108日目』

もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?
いいや、何も不都合はないよ。
もしも君がそうしたいと考えて、それが世の中が求めていることならば、そうするべきなんじゃないの?

人を支えるとはこういうことなのではないだろうか、と考えさせられる。
妻を信頼してるからこその言葉だと感じた。
妻だけでなく、妻の人生までもを大切にできる人に私はなりたいと思った。

この小説は総理大臣の夫が日記に書いた物語になっている。
頼りない夫の日和さんと、頼りがいのある妻で総理の凛子さん。
政治家のドロドロとした得票戦争が描かれているのに内容が重くならないのはこの日和さんがほのぼのしているからだろうか。

二人の出会いは企業主催の「勉強会」だった。
凜子さんはゲストとして講師を務め、日和さんは主催者。
凜子さんの講演が終わり、日和さんが質問をした時のこと。

「あ、あなあな、あなあなたがおっしゃるところのげげ現実的グローバリズムとは、つ、つまり、あめあめアメリカ・・・」
「ぷっ」

「そりゃ凜子さんも好きになるよね」と思った。

だからこそ許せないことがある。
日和さん、あんた凜子さんが忙しいからってハニートラップなんぞに引っかかるなんて許せない。
あー許せない、もー絶対許せない。

読んでる間ずっと鳥肌立ってました。
それと伝説のスピーチライター久遠久美さんも出てきたのは嬉しかった。
原田さんファンにとっても大満足な作品です。

おしまい

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