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会社を設立するメリットとは? 「クリエイターが知っておきたい会社設立のきほん」イベントまとめ #安心創作勉強会

インターネットで発信するときに必要な知識や考え方を学ぶオンライン勉強会シリーズ「安心創作勉強会」。今回は、株式会社マネーフォワードとイベントを共催しました。

公認会計士・税理士の萩口義治はぎぐちよしはるさんを講師に、個人クリエイターが会社を設立するベストなタイミングやメリット、デメリットなどについて教えていただく内容です。

ゆっくり学ぶ時間がないひとにも法人設立にまつわる重要点を知ってもらえるよう、このnoteに講義の概要を収録。節税したい、いずれ事業を大きくしたいなどと考えている方は特に必見です。

教えてくれるひと

萩口義治さん
株式会社HG&カンパニー
はぎぐち公認会計士・税理士事務所
所長/代表取締役

法人化するメリット&デメリット

萩口さんによると、法人化によって得られるメリットは税務面以外にもさまざまあるそう。

「社会的な信用が得やすい」、「資金を借り入れする場合に自分個人ではなく法人格で借りることができる」などが代表的なメリット。

デメリットには、管理コストや法人格として行わなければならない義務がふえることなどがあげられます。

萩口さんは、法人化することについて「みなさん見落としがちですが、節税以外にもメリットはたくさんあります。しっかりと知識をつけたうえで、法人化するかどうかを判断していただきたい」と言います。

<法人化による「全体的な」メリット・デメリット>

共同経営ができるのも法人ならでは

<法人化による「税務的な」メリット・デメリット

法人格にすれば、自分の報酬や生命保険料を経費として計上できるなど、さまざまな税務上のメリットを受けられる

<例>個人事業主AさんがZ法人を起業して社長になった場合の税務上のメリット

個人事業主で売上2000万円のAさん。所得税と住民税の合計は443万円
Aさんが社長を務めるZ法人が2000万円を売り上げた場合。役員報酬としてAさんが750万円を取得することで、Aさん個人の所得税と住民税の合計は112万円となった。Z法人で法人税176万円を支払うことになるが、総税額288万円(112万円+176万円)で、個人事業主のときと比べると155万円(443万円-288万円)節税できている

※「法人化のメリット&デメリット」についてくわしくは、アーカイブ動画(18:13)でご確認いただけます。

法人化を検討するタイミング

次に、法人化を検討すべきタイミングについて。以下の項目で当てはまるものが多ければ多いほど、検討をはじめるのに適した時期だそうです。

萩口さんによると、「創業の時点からビジネスの規模が大きい、借り入れをする、ひとを雇用するのであれば、より社会的信用が必要となるため法人にするメリットが大きい」そうです。

また萩口さんは、「法人を閉じる場合にもお金がかかります。ですから、長期的に経営を続けていくことを前提に法人化を検討する方がいいですね。ビジネスの勝算が最初からあるのであれば、法人にしてもいいのではないでしょうか」とも言います。

第三者から出資を募りたい場合も、法人化が必要になるとのことでした。

ただし、上記のリストに該当する項目が少ない場合でも、「なんとしても法人化したい! 」という強い想いがあるなら「法人化した方がいい」と萩口さん。

なぜなら「特に創業時は、経営者のパワーがもっとも頼れるリソースなんです。法人をつくることで経営者がパワフルになれるのであれば、それに越したことはありません。

法人の代表になることは言ってみれば、これまでのキャリアの第2ステージ。『この会社をでっかくしていくんだ! 』という気持ちで力を発揮できるんだったら、やっちゃったらいいと思います」とのことでした。

※「法人化を検討するタイミング」についてくわしくは、アーカイブ動画(33:29)でご確認いただけます。

法人の種類とそれぞれの違い

法人には「合同会社」と「株式会社」があります。設立費用は合同会社が約10万円、株式会社が約24万円(※どちらも司法書士など専門家への依頼料を除く)です。

株式会社は最長でも10年に1回登記を書き換える必要があり、都度数万円かかります。合同会社は2006年にできた会社の形態で、認知度がまだあまり高くありません。

萩口さんによると「一般的に、合同会社より株式会社の方が本格的に事業をやっていそうなイメージがあります。上場できるのは株式会社だけですし、社会的信用度も株式会社の方が高いです。僕のところに相談にいらした方には、株式会社をすすめることが多いかもしれません」とのことでした。

合同会社の場合、会社の所有者=経営者。出資額が違っていても、1人1票の議決権をもつ。株式会社の場合は会社の所有者と経営者が必ずしも一致しない

※「法人の種類とそれぞれの違い」についてくわしくは、アーカイブ動画(45:15)でご確認いただけます。

法人成りの具体的なステップ

個人事業主が、法人を設立してこれまでの事業を引き継いで行っていくことを「法人成り」と言います。法人成りのステップは以下の5段階です。

法人成りでないケースでも、法人設立時には①〜③のステップを踏みます。

①の「会社設立前の準備」で、会社の基本事項を決定します。

「資本金の額、役員、決算月など会社の根幹となることを決定するので、ここがとても大事です」と萩口さん。

「資本金の額によって初年度の税金が変わったり、決算月も有利な時期があったりするので、できれば専門家に相談しながら決める方がよい」とのことでした。

以下に、①〜③までの手続きの内容と、スケジュール、かかるおおよその費用についてご紹介します。

①〜③で行うこと
①〜③のスケジュール目安。基本的に、法務局に登記申請した日が会社設立日となる
法人設立にかかる費用の目安

※「法人成りの具体的なステップ」についてくわしくは、アーカイブ動画(49:06)からご確認いただけます。

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このnoteでは、法人設立について要点のみを解説しました。動画アーカイブ全編は以下からもご覧いただけます。

このイベントを共催したマネーフォワード作成の「会社設立の手続き完全ガイド」も、以下よりダウンロードしていただけます。ぜひ参考にしてみてください。

萩口さん、本日はありがとうございました。

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登壇者紹介

萩口義治さん(公認会計士・税理士)
株式会社HG&カンパニー
はぎぐち公認会計士・税理士事務所
所長/代表取締役

2003年公認会計士二次試験に合格。新日本監査法人、独立系の会計/税務コンサルティング会社を経て、2012年に当事務所を開業。現在、12名(うち会計士1名、税理士3名)で顧問先151社を担当。創業支援に特化した事務所として、創業補助金支援などの資金調達や経理のIT化に強みを発揮。クライアント企業創業後の事業3年継続率は95%を超える。マネーフォワードクラウドを関東ではじめて50社に導入した。フリーランスで働くひとに向け、独立から契約、保険、確定申告までを網羅した書籍『フリーランス六法』を監修。また、2022年秋に自著を出版予定。法人化の相談は、以下のHPなどから常時受けつけている。
note

text by いとうめぐみ

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