はじめまして(序 情景0-0)
はじめまして。
なのでしょうね、お話しの始まりには。
風が吹いていました。
強い風には雪が混じっています。吹雪です。身体斜めにかしがせて、ようよう歩けるや否やの猛吹雪。目の前は只々白く真っ白く、冷たく感覚の失われかけた耳からは、ごおお、ずおぅ、びゅーぃ、と、これまた風の音ばかり。まつ毛の上下が凍りはじめて、まばたきするのも一苦労。ガムでも付いてるみたいにネバついています。鼻まで覆ったマフラーは自分の息で凍りかけています。
さて
一体何のお話しですかって?
各々が己の信念やら正義やらを振りかざすのは世の常ですよね。
平行線のまま争いが続くのは、よく在る事です。
そして、事実は往々にして、歴史の中に在ります。
受け止め方は、その受け止める方によって異なるのでしょうが、厳然たる事実の前には各々の正義の主張など無力なものです。
殴った方は忘れても殴られた方は簡単には忘れません。
忘れられない方には赦せない感情が残ります。
争いを止めるには歩み寄りが必要でしょう。
「寛容」と「主張」のバランス。
いつだって其れが求められるのですが「そうあれかし」と望めども一朝一夕にはならない事は、これまた、世の常、多いものですね。
つまり、そうです。
と或る世界の物語です。
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