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IT学部よりCS学部の方がスゴイ?アデレード大学あるある

皆さん、こんにちは。アデレード大学のイブキです!少し最近、気になっていることがあるのでこちらのブログで紹介させて頂きます。

学部間の格差

「初めまして、名前はなんて言うの?専攻は?」

大学が始まってから4週間。新しい人に会う日々がここ最近は続いていたので上記のような会話を頻繁に交わす機会がありました。特に私はIT(情報技術)学部なので、理工学系の学生と会話をすることが多く、その多くはCS(コンピュータ・サイエンス)かMechanical Engineering(機械工学)の学生が多かった印象です。

彼らとの会話の中で感じたことはオーストラリアの大学(少なくとも私の在籍しているアデレード大学)では学部間に優劣があると信じている学生が多いということです。

「情報科学学部に在籍しています。」

と誰かに言ったとすると、多くの場合「CSと何が違うの?」と言われることもしばしば。「あー、ITね。CSにトランスファー(学部内転入)した方が良いよ」といった勝手なステレオタイプで物を言われるケースも多かったです。

通学をするときに毎日通っているNorth Terraceからの一枚。
毎朝、学生やサラリーマンなどで混雑している

アデレード大学 情報技術学部とは

ですが私は今のところ、CSよりもIT学部の方が自分の価値観や好きなことにあっているなと感じています。その理由は大きく、「ハードウェアの知識」「マネジメントの知識」「カリキュラムの柔軟性」の3つに分けられます。

①ハードウェアの知識
私が今学期に受けている授業の中に「Introduction to Computer Systems, Networks and Security」という授業があります。このクラスでは主にコンピュータの構造や歴史、その他ハードウェアに関して必要な知識をこれでも
かというくらい叩き込まれます。
先週締め切りだった課題では「限られた予算(14万円ほど)で学生にとって最適なPCの部品を選択し正当化する」というレポート課題がありました。
コンピュータが好きな人にとっては最高な(そして私のような機械関連には無知の学生には致命的な)課題でしたが、このようにIT学部ではCS学部に比べてソフトウェアだけでなくハードウェアに関する知識も得ることが出来るので、浅く広く勉強する学部時代を過ごしたい自分にとっては最高の学び場となっています。

②マネジメントの知識
これは教授から聞いた話ですが、技術者(Technician)を育てることが目的であるCS学部とは異なり、IT学部では「技術者と産業(Business/ Industry)をつなげる」ことを目的としています。
その為、大学3年間(オーストラリアの大学は基本的に3年制)のカリキュラムの中に経営(Management)や経理(Corporate Finance)に関する授業が必修科目として埋め込まれています。
個人的に将来は、より発展した情報技術をあまりまだ手の行き届いていない農業や漁業、医療や療養の世界に届けたいと思っているので、こうした自立して事業を行うための学びというのは、自分が今必要としているものの1つです。

③カリキュラムの柔軟性
こうしたこともあって、幅広く学ぶことが出来るIT学部では他の学部と比べて専攻に関連したレベル1(基本的に学部1年生が履修するクラスのこと)の授業が必修として既に決められていることが多いです。
例えば私の場合は、情報科学学部の中でもサイバーセキュリティ専攻に興味があるので、1年生のころから既に専攻に関連した授業を取らなければなりません。
これは一見、3年間の学びの柔軟性を狭めることに繋がっているかのように聞こえるかもしれませんが、実はその逆で早めに必修の授業を終わらせて、一学期まるまる専攻とは関係がない授業のみを取ることも可能です。
来年度に交換留学でオーストラリアとは異なる国に行きたいと考えている私にとって、卒業の要件を早めにほとんど終わらせられることは留学先での柔軟性を広げてくれるという点で良い方向に働いてくれると考えています。

アデレード大学内にある Sir Thomas Elderの銅像。
南オーストラリア州で最初の大学を創ったメンバーの一人

学部間で雰囲気が異なるのは豪州ならでは?

と、ここまでなぜ自分が批判を受けるのにも関わらずIT学部にいることが自分にとっては最も合っていると思ったのか書いてきましたが、学部間で優劣が生じることってオーストラリアならではだなと感じています。

私は日本の大学に通っていた経験があるので学部によって入学のスコアが多くの場合は異なっていたり、学部間の移動が難しい話はよく耳にしていました。もしかしたら雰囲気はそうした日本の大学に近いかもしれません。

ですが、アメリカの大学に通っている友人から聞いた話によると、大きな公立大学(Public/ Research University)に行かない限りは基本的に2年目の後期まで専攻を決める必要はなく、それまでは専攻と関係のある授業をとりながらも自由にクラスを取れるらしいです(* 大学や州によってケースバイケースだとは思いますが)。

リベラルアーツ(一般教養)に力を入れる大学だから応用よりも人間としてどうあるべきかの基礎を大事にするという点で、学部間の評価のし合いは、あまりないのではないかな、と勝手に想像しています(間違っていたら教えてください)。

いつもOffice Hourに行くときに通る廊下に置かれている北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。
オーストラリアで何回、この作品を見かけたのか分からない

今回のブログは以上になります!

正直、情報学部では数学の入学要求がないことから自分のやりたい統計やデータの応用といった学びが出来ていないことがネックとなっていますが、大学は自分の行動で出来ることは何でも可能になる場所なので、教授と交渉しながらこれからのプランも練っていきたいところです。

学部や専攻にはあまり囚われすぎず、自分が「勉強していて楽しい」「挑戦してみたい」科目を履修して、自分の価値観に沿った学部生活を過ごせることを日々意識するばかりです。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。
次回のブログもお楽しみに!


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