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需要が急激に下がると言われる30代女がマッチングアプリと真剣に向き合った2年間の結末。

年収は800万以上、身長は175cm以上、顔はイケメン
1人暮らしで、お堅い職業についている事!!!

約2年、私は毎日マッチングアプリにこんな横暴な条件で

「ロマンスの神様どの人でしょうか」と訪ねてきました。

神様は毎回「この人なんじゃない??」と期待させ、

その度に私は心踊らせ

髪を内側に軽く巻き

女子アナウンサーのような服を身に纏い

揺れるイヤリングを付け

艶のある紅を引いて

食事に向かうのです。

マッチングアプリで知り合うと、初対面から独特な空気が流れます

今からこの人と恋愛するかも知れない

そう、お互いが品定めしながら食事をするのです

自然な会話の流れでパーソナルな事を聞き出す事もあれば

はじめましてで具体的な結婚観の話をしたり

そうかと思えば、ただ友達のように他愛ない会話だけで終わる事もしばしば

ただ、共通して自分の中で浮かぶ言葉は

この人誰なんだろう

昨日まで会ったこともない、本名も知らない
職業も住んでる所も本当なのか分からない

そしてそんな相手と今、ご飯を食べている
いつもの自分じゃない着飾った私……

まるで男性を通販サイトのように流し見しては

【さっきの方が職業が良かった】
【顔がこっちの方が好みだ】
【高身長みつけた】

なんて汚い気持ちで選んだもんだから、きっと向こうも同じような気持ちでこの食事の時間を過ごしていた事でしょう

この食事以降、二度と会う事が無い人も居れば

数ヶ月、食事やデートを重ねた後に自然に連絡する事が無くなる人

結局自分にとって必要では無いと、どちらかが思った時点で

友達になる事もなく【他人】に戻る不思議な出逢い

付き合う期間、結婚や出産を考えると
女は20代までが需要が高いと言われている婚活市場で
30代女が抜きに出ようと思ったら

よほどのスペックか、奇跡的に運命の人に巡り逢わなければならないのです

ただ誰かに必要とされたいだけなのに……

そんな人間関係に嫌気がさして、アプリをアンインストールして、お独り様を覚悟したある日

彼は急に私の目の前に現れました。

飄々としたとでも言いましょうか…
ヒトタラシな空気を醸し出していた彼は

私の仕事場に最近出入りしはじめた人で

お世辞にも誠実そうには見えない人で

自分を良く見せる術を知っているビジネス的な饒舌で

だから逆に軽い気持ちで、めかし込む事もなく近所に飲みに行ったのですが

ゆっくり話をしていると

今まで私が出逢った人間の中で一番ピュアで

今まで私が出会った人間の中で一番ストレートで

今まで私が出会った人間の中で一番たくさんの人に愛されていて

今まで私が出会った人間の中で一番才能に溢れた

とんでもなく魅力的な人でした

私はその日、久し振りに

相手を品定めしない美味しい食事をしたのです

理想としていたスペックに全く擦りもしない
自分の人生を自由に生きる彼は

今では毎日私に「貴女が居ない人生は考えられない」と伝えてくれます

ロマンスの神様、この人だったんですね

着飾るのをやめて、スペックで切り分けするのもやめて
自分の価値観に一番近い人に出逢えた今

私は心がとても満たされているのでした.*✿

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