食に興味のない人の適正量って…?

以前、食事がまともな量出されていなかった介護施設が、行政処分にあった。
もちろん、写真で見るかぎり、あり得ないお粗末な食事だったと思う。あれは特別ひどい例。

食事を口の機能の問題で食べれない人は、食形態を変えたり、食べる量をごく少なくして点滴あるいは経管栄養でメインの栄養を取る、とかは病院ではよくある。
食事が目の前に提示されても、認知の問題でそれがわからない人も一定数いるけれど、わからなくても口にスプーンが触れればしっかり口を開けて一口ずつしっかり食べてくれる人もいる。

ただ、介護現場で食事介助をしていると、食事自体に興味がない人も一定数いて…。
周囲のことに気が散る、幻覚が見えるなど注意散漫な場合や、もともととても少食な人、もうそんなに食べるつもりがない人の場合は、当然介護者も食べさせづらい。
ご本人がガンとして全量を食べないというのであれば、代替食品との併用で対応はできるけれど。
注意がそれやすいならば個室で、個別で食べさせる、時間帯を変えるなどの対応となると、実際問題、現場でそんな人員や時間の余裕はないところが大半だろう。

口から食べられる人というのは、やはり体が丈夫。
だからこそ、入院時も退院後も、施設でも、誰かが関われば食べられる人は、そのように対応して食べさせてもらってるのだけど…。
これって、いつまで、どこまでやるの?っていうのは、実は明確じゃない…。
施設では、食費としていただいているお金がある分、ある程度多めに食事量が出ていたりするんだけど、お世話してる私たちが見ていてもあきらかに多いと感じる量のこともあるある。(その日によってまた食べてくれる量もムラあるんだよね…。)
その人ごとの、適性量ってどうなんだろうなあと時々思う。

私が子供の頃は、給食を残すこともとても厳しかったし、作ってくれた人に失礼だから全部食べなさい、とか親や祖母なんかによく言われたけど。
今は学校でもそんなことは言わない。
はっきり言って、下手したら私たちよりも多い量の食事が出てると思う…。
だから、施設の食事の残渣は、けっこう半端ない。
もちろん、食べられる人は、それより少ないとお腹もすくだろうし適正量は多めで良いと思うけど、好き嫌いも含め、そうでない人がかなりの数いるのも事実。
家で一人でいるならば、朝昼兼用とか、ご飯やおかずもごく少量で済ますって、自分たちでもあるあるなんだけどね…。

食べさせてない、食べさせない、のではなくて、食べない、食べれない人もいる。
そのあたりも加味したうえで、よりスムーズに介護現場がまわるような調整をしたらだめなのかな…。
これは、栄養士さんとかの仕事??
食事を提供する業者さんによるのかなあ。

高齢者施設に食事を提供する業者さんは、食形態や量も含めて柔軟に対応ができるならいいなあ。量によって値段下がるなら家の人も助かるんじゃ?いやでも、それこそ少ない金額しか出してもらえなくて満足な量を出せなくて、虐待みたいになってしまうのも良くないな…。

最終判断は、やっぱりドクターかな?
家族の意向、できればご本人の意向も聞いた上で、食事量を減らす。その場合は、代替の食品で最低限の栄養は摂れるように対応しておく。
定期的な採血結果などで栄養面に特に問題がないのであれば、食事量が少なくてもよいことにする。
施設との連携をとっていただく病院の先生には、そのあたりもちゃんと現場からの声としてあげて相談していってもいいんじゃないのかな。
(…これこそNSTでは!?)
ケアマネさんでも、ご家族でもいい。
あらためて考えてみてほしい話でした。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?