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レイドRTAマラソンへの参加:準備編①

初めてnoteで記事を投稿します、ユートロピーと申します。普段はTwitchにてゲーム配信を行っています。今後イベント関係の記事をこちらに投稿しようと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、今回は2020年11月14日(土)・15日(日)に開催されましたとよまなさん主催のレイドRTAマラソンに参加しましたので、そちらについて応募するに至った経緯や準備、当日の心境などについて書き留めていこうと思います。前の記事にあたる応募編をまだ読んでいないという方は、是非こちらからどうぞ。

本記事では当日までの準備について、まずは私が走ることとなった「東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.」の練習模様について書いていきます。かなり長い記事になってしまいましたが、よろしければ最後までお付き合いください。

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見通しとは甘いもの

私が走ることとなった「東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.」は縦スクロール型の弾幕STG(※1)です。こちらのゲームの魅力については、書き始めるとレイドRTAマラソンの内容が「ついで」になってしまうためまた別の機会にまとめたいと思います。まだLunaticの記録も出していませんので。

元々私の東方弾幕STGの実力としては「全ての作品のNormal・Extraは攻略、作品によってはLunaticまで攻略可能(※2)」というレベルです。果たして上級者を名乗って良いものか微妙なところではあると思いますが、間違いなく超上級者(※3)とは言えません。その域を目指したいがためにRTAを始めましたし。

なので、東方Projectシリーズの中でも最も難易度が高い、というか別次元である東方紺珠伝をRTAで走るにはそれなりの練習が必要とは思っていたものの、難易度Normalであればノーミス=無被弾による攻略も練習により可能になるだろうとも思っていました。そんな蜂蜜に追い砂糖をするくらいの甘すぎる見通しのもと、レイドRTAマラソンの応募フォーム「意気込み」に書いた言葉が「目指すはノーミス」。しかし当選発表配信が終わった段階で既に私は頭を抱えていました。

なぜっ、何故っ!・・・何故そんなことを書いた!一ヶ月前の自分!!

単純に自らハードルを上げてしまったことを嘆いたわけではありません。その時点で「東方紺珠伝のNormalをノーミスでクリアする」ということがどれだけ困難であるかに気付いていたのです。

夢を見せるのはドレミ―先生だけにしてほしい

実はその時、既にNormalノーミスクリアに2週間ほど挑戦し続けていました。ただし本番で走るものとは違うモードで、難易度が高くなる縛りを設けて。しかし難易度が高くなるのはストーリーの前半だけで後半にはほぼ影響がない縛りでしたので、実質的には通常のNormalノーミスクリアの挑戦と同じ条件でした。2週間、ほぼ毎日挑戦し続けたんです。

だ め で し た (泣)

挑戦回数は360回を超えていましたが、一度たりともノーミスは成功しませんでした。360回程度の挑戦回数では足りないということと、どうしても乱数によるところがあり運が絡むということはありますが、それに加えて実力が追いついていないことも致命的でした。明らかに自分の目が画面上の弾幕を追い切れていないことに気付いたのです。つまり実力で何とかなるところも運に頼って避けてしまっているということ。このままでは本番でノーミス達成など夢のまた夢のまた夢のまた夢に等しい。ドレミ―先生も呆れることでしょう。それどころか本番でまともに走りきれるかも怪しいのでは…?

「このままではまずい…本番まで約一ヶ月…有効的な練習をしないと、終わる…!」

幸いなことに弾幕STGで実力の壁にぶち当たったときにどうすれば良いのか、今までの経験上分かっていました。ただそれが2~3週間で成し遂げられるか未知数だったのです。だとしても、やれることは全部やる。それしかないと、Normalノーミスクリア挑戦は未達成のまま区切りをつけ、次に着手したのがHardRTAへの挑戦でした。

実力は(強制的に)上げるものだ

ゲームが好きな方、特に通常のゲーム難易度だと満足できずに高難易度に挑戦したことがある方はお分かりになるかと思います。高難易度に挑戦した後に通常難易度を改めてプレイするとあまりにも簡単すぎてサクッっとクリアできてしまったという経験があるのではないでしょうか。明確に難易度がモードで別れていなくても、ゲームの最終ステージは難しく、序盤ステージは簡単なものです。前者では苦労するけれど後者は苦も無くクリアできるでしょう。つまり高難易度でプレイできるようになるということは、それだけで通常難易度でのプレイスキルを上げられるということに繋がるのです。それは弾幕STGにももちろん通用します。

ノーマル弾幕

細かく語りだしてしまうとただでさえ長い記事が論文になってしまうので止めますが、高難易度にすることで弾幕STGをプレイする上では欠かせない「弾を見る力」を飛躍的に上げることができます。ちょっとだけ細かく言うと、高難易度では低難易度より「弾の速度が速く」「弾幕の密度が濃く」「弾が分かりにくい場所から飛んでくる」ようになります。これらに目を慣らすことで低難易度に戻ったときにまるで「弾の速度が遅く」「弾幕の密度が薄く」「弾が目に付きやすい場所から飛んでくる」ようになったと錯覚を起こせるのです。実質的にこの錯覚こそがそのまま実力の向上に当てはまります。今回私が本番でプレイすることになったのはNormal。なのでその一つ上の難易度であるHardに挑戦することで実力にブーストをかけることにしました。(この段落の上画像がNormal、下画像がHardの同じ場所です)

ハード弾幕

しかしこの方法には一つデメリットがあります。それは「Hard特有の動き方がインプットされてしまう」ということです。東方Projectシリーズは難易度によるステージ構成の変化がほとんどありません。しかし弾幕の構成は変化します。それはNormalとはかなり違う動き方を強いられることに他なりません。そしてHardの動き方に慣れてしまうとNormalの動き方を忘れてしまったり、Normalをプレイしている最中に誤ってHardの動きをしてしまうということが発生します。弾幕STGは乱数が絡まない限り基本的に毎回同じ動きを実施する=パターンで攻略するものです。その基本が崩れてしまえば、逆に被弾の確率を上げてしまうことになりかねません。

これを回避するためには「HardからNormalに頭を切り替える慣らし期間」が必要であり、少なくとも1週間は必要だろうと考えました。つまり本番までの4週間のうち本番前1週間を慣らし期間に当てはめることになります。よってHardの練習ができる期間は3週間。3週間でHardの満足できる記録を出せるくらいに実力を上げる必要がある。これを達成できるか、当時は不安でしかありませんでした。

収穫は想定以上

しかし実際に練習を始めてみると誤算がありました。有難いことに良い意味で。

私はRTAを2019年に一度挑戦していましたが、その後なんやかんやあってやれなくなり今年2020年9月に再スタートしました。そして以前RTAに挑戦していたときは正直そこまで本気でプレイしていませんでした。「こんな感じでプレイすれば速くなりそうだ」ぐらいの軽い気持ちでやっていたのです。

しかし今回は本気の本気。「どのように避ければ安定かつ速くプレイできるか」「ボムをどこで取得・使用するべきか」を改めて考察。そしてそれらを実行できるようになるための練習を毎日実施しました。特に重要視したのは何回も挑戦して1回ノーミスで通せるようになることではなく平均のミス回数を減らすことです。何回もステージを繰り返し練習し、さらにミス回数が多い箇所についてはゲームにもともとあるセーブ機能を利用して重点的に練習、安定するパターンの再構築を実施しました。今までこんなに計画的かつ集中してゲームの練習をしたことはなく、これによって私が思っていた以上に「圧倒的に」密度の濃い練習をすることができていたのです。

その結果がなんと2週間と少しという時間で(あくまでspeedrun.comのリーダーボード上の話ですが)World Recordを達成。達成の瞬間には本当に良くできたと自分で自分を褒めました。ちなみに2020年11月18日現在まだこの記録申請は保留中になっております…(泣)。その記録ダイジェストはこちらになります。

東方紺珠伝PointHard3353

自信の持てる実力と正しい実力の把握

そして満を持してNormalに再挑戦。改めて挑戦してみると、Hard特訓によって養われた広い視野が今までとは違う安定した避け方を見つけてくれて、運に左右される個所がかなり減りました。同時に、どうしても運が向かないと被弾してしまう箇所も分かるようになり「東方紺珠伝のNormalは十分Hardに匹敵、もしくはそれ以上の箇所がある」という事実をかみしめることになりました。

しかし私の気持ちは落胆や絶望、焦燥といったものとは程遠く、すっきり晴れ晴れとした青空模様を描いていました。達観、という言葉が近くなると思いますが、要するに諦めがついたのです。「今の自分にノーミスは難しい」という事実を受け入れることができました。しかしそれでもノーミスの可能性がというもう少しで手が届く位置まで手繰り寄せられてはいたので「本番でも全てが噛みあえば有り得るだろう」と思えるようになりました。

なにせ、ノーミスとは別に立てていた時間的な目標である30分切りを成し遂げ、29分台の記録を2回も出すことに成功していたのですから。この時のミス回数は3回以下。十分あり得ると言ってもよいでしょう?

なので私は自信をもって本番前日の宣伝ツイートで、意気込みに書いた「目指すはノーミス」という言葉を出すことができたのです。それまでは本気でその言葉をなかったことにしようか迷っていました。あのツイートは決してネタではなく「本気で出してやりたい」という気持ちの表明だったのです。その結果がどうだったのか…についてはもう2つ先の記事で話すことにしましょう。

レイドRTAマラソン気持表明ツイート

こんな長文読んで下さり本当に感謝です

最後までお読みくださりありがとうございます。この後の話が気になる方は準備編②、当日編が別記事として上がっています。続きの準備編②はこちらからどうぞ。私の配信に興味を持ってくださった方はTwitchのチャンネルに是非遊びに来てください。それでは次の記事でお会いしましょう。

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(※1)弾幕STG:STGとはシューティングの略。シューティングというとeスポーツとして良く大会が開かれる3DFPSで銃を使って戦うものも含まれるが、弾幕STGの場合は基本的に2Dであり敵がとにかく大量に撃ってくる弾を避けることに主眼が置かれている。その大量の弾が幕のように見えることから「弾幕」と呼ばれる。

(※2)Normal・Extra・Lunatic:東方Projectシリーズのストーリーモード及びおまけステージの難易度を表す。ストーリーモードの難易度は4つあり下からEasy、Normal、Hard、Lunaticの順に高くなっていく。Extraはストーリーとは全く別の内容だが、難易度としてはだいたいNormalとHardの間くらいと良く言われる。

(※3)超上級者:私が勝手に定義している、いわゆる弾幕STGプレーヤーの神的存在。だいたい「Lunaticをボム(自機の必殺技)を使用せずとも一度も被弾せずに攻略できる」くらいの実力が目安となると考えている。あくまで私の勝手な定義であるし、一概にそれだけが弾幕STGプレーヤーの実力を測る指標とは言えないので注意。「やべーやつらのこと」と認識してもらえればよい。

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