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能楽師(ワキ方下掛宝生流)。『イナンナの冥界下り』

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    • イナンナの冥界下り

    • 「心の次」の時代

    • 優雅な貧乏生活

    • 『古事記』から探る日本人の古層

      古事記から、日本人の心や身体の古層を読んでいく、隣町珈琲(品川区、荏原中延:平川克美店主)での講座をまとめていきます。イラストは中川学画伯です。

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    天籟(てんらい)能の会 ワークショップ 川崎晶平さん(刀鍛冶)(1)

    ▼小鍛冶とは刀鍛冶のこと 安田:今回の天籟能の会では能『小鍛冶(こかじ)』を上演します。この能は、刀剣に関する能なので、刀鍛冶の川崎晶平さんをゲストとしてお招きしました(2018年6月14日@東江寺:広尾)。 川崎:刀鍛冶の川崎晶平でございます。よろしくお願いいたします。安田さんとこうやって対談させていただく機会を設けていただくのはこれで何回目かになるんですけれども、いつも打ち合わせがほとんどないんですよね。 いままで檻に入れられていた子犬か何かが、いきなりドアを開けら

      • 「古事記から探る日本人の古層」第1回(2)対句で書かれる序文

        今回は、『古事記』の序文は対句で書かれているというお話をします。「それがどうした」といいたくなるような話ですが(笑)、…ということは、これは中国の古典の文体を模した書き方だということです。修辞的な書き方です。まずはその美しさをご覧ください。 さて、ではいよいよこれから『古事記』を読んでいこうと思っていますが、その前に2つほど前提となるお話をしておきます。 ●日本に神話はない ひとつは、日本には純粋な意味での「神話」はないということです。 この講座でも「神話」という言葉を

        • 「神話する身体」~第1回(1)『古事記』を読み始めたきっかけ 画:中川学さん

          「古事記から探る日本人の古層」という連続講座を隣町珈琲(品川区、荏原中延)で行っています。このnoteでは、そこでお話したことなどをまとめていこうと思っています。 時間の都合で講座ではお話できなかったことも加筆してありますし、話がずれすぎた部分はカットしたりもしていますので、講座とまったく同じではありません。 講座のテープ起こしを元にしていますので、講座っぽいのはどうぞご寛恕を。 ちなみに講座の録音はラジオデイズさんから購入できます。1回分515円です。 ラジオデイズ

          • 「憑依と肚と女神イナンナ」 概略版

            来週の水曜日(6/20,2018)に田畑浩良さん(ロルファー)と「晴れたら空に豆まいて(代官山)」で対談イベントをします。 http://mameromantic.com/?p=58021 そのテーマが「憑依と肚(はら)について,空間に於ける位置関係のパフォーマンスに与える影響」です。 これを聞いた人から「え、なに、なに?意味わかんない」というご意見をいただいたのでブログを書きました(こちらです→)。 が、「よけいにわからなくなった」という方も少なからずいらっしゃった

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            憑依と肚(はら)と女神イナンナ

            6月20日(水:2018)ロルファー(ロルフィングの施術者)の田畑浩良さんと対談イベントをします。代官山の「晴れたら空に豆まいて」で。 詳しくはこちらをご覧ください。 「え、ロルファーって何?ロルフィングって何?」という方。申し訳ございませんが、今回はその話をしている余裕がないので、田畑さんのサイトをご覧くださ~い! 日本ロルフィング協会によれば、いま公認不ロルファーは129名いるということですが、その中でも田畑さんは、僕が(あくまでも個人的にですが)ただひとり「天才」

            『イナンナの冥界下り』人形劇バージョンの紹介映像

            『イナンナの冥界下り』人形劇バージョンの紹介映像を作りました。 『イナンナの冥界下り』は、シュメール(古代メソポタミア)の神話です。高井啓介先生から安田がシュメール語を学んだことがきかっけで、楔形文字で書かれた古代の神話を、シュメール語で上演しようと思い立ちました。 能をはじめとする日本の古典芸能を中心に出演者を集めたり、台本を作ったりしながら企画をしたのですが、アーツカウンシル東京から3年間の長期助成をいただきました(初演は二期倶楽部の山のシューレ)。 東京を中心に上

            第六回 天籟(てんらい)能の会

            第六回 天籟(てんらい)能の会 2018年9月17日(敬老の日) 午後2時(開場 午後1時15分)開演:5時30分終演予定  天籟能の会では、本番までの間に行う数回のワークショップや講座で、演目に対する理解を深めていただいてから能をご覧いただきます。  能は知れば知るほど面白くなります。さまざまな角度から演目を知り尽くしてから能を観る、それこそが観能の醍醐味です。また、ワークショップに出ることができなかったという方のために、当日は演能前の解説と、演能後のアフタートークも用

            『人くいお母さん』ver.0001試演

            先日『イナンナの冥界下り』の試演会を行いました。 そこで、アフリカ民話の『人くいお母さん』も試演しました。『イナンナの冥界下り』が、超古代の神話で、人形もシリアスなのに対して『人くいお母さん』は、教訓もないし、ストーリーもよくわからない物語で、人形もかわいいもの。シリアスな能と、お笑いの狂言のような組み合わせです。 ▼番組とは 前回の試演会『イナンナの冥界下り』で「ずっと緊張していて息が詰まった」というご意見がありました。 前回の試演会の模様はこちらです。 https

            『イナンナの冥界下り』人形公演・試演会(2)のお知らせ

            以下の公演、おかげさまで満席になりました。ありがとうございました。 先日、行いました、『イナンナの冥界下り』<人形バージョン>の第二回の試演会を下記の通り開催いたします。 なお、前回の試演会の模様は以下に書きましたので、『イナンナの冥界下り』「人形バージョンってどんな感じ?」という方は、お読みいただければと存じます。なお、今回は前回バージョンとほとんど同じです(山本紗由さんは不参加)。 https://note.mu/eutonie/n/n1d75028f6edb なお

            貧困と努力 その1

            「差別としての貧困」の続きです。貧困を努力のせいにするのはちょっと違うんじゃないの、と以前に書きましたが、今回はその続きということで、「努力」について考えてみようと思います。 以前のnoteで「差別としての貧困」を掲載し、その中で「貧しい人は努力が足りないんだから、もっと頑張ればなんとかなるはずだ!」という人に対して、次のように書きました。 だいたい「努力が足りない」なんていいますが、みんな努力してます。たとえば6時間連続で勉強できる人と、3分で飽きちゃう人だって同じ

            「心」の生まれた日 (2)身体文字(語) 01

            <「心の次」の時代に向けて>に書いたように漢字の発生時には「心」という文字がありませんでした。でも、「心」的なことはあったはずです。ならば代わりに何を使っていたか。紀元前のものである『論語』や『イリアス』を読むと、「心」の代わりに身体文字(身体語)を使っていたということがわかります。今回と次回は「心」の代わりに使われていた身体文字や身体語について見て行きます。 ▼身体文字・身体語とは 前回は不惑の「惑」の字が孔子が生きていた時代にはなかった、ということを書きました。このほ

            「心」の生まれた日 (1)

            「心」の次の時代を考えるために、まずは「心」が生まれた日を見てみたいと思います。『論語』や『古事記』や『聖書』や、楔形文字で書かれたもの、甲骨・金文などから見ていきますね。今までブログや本で書いてきたことに、ちょっと手を加えて書いていく予定です。今回はイントロで、「四十にして惑わず」というのはちょっと違うんじゃないの、というお話です。 ▼不惑とは限定しないこと 「心」が生まれたちょっとあとの時代の本として読んでいみたいものは『論語』や『聖書』、あるいはさまざまな仏典があり

            いままでのブログをこちらに移行

            いままで、いろいろなところに書いていたブログがあり、それには『イナンナの冥界下り』の話やら、私的な雑感やらもあるのですが、その中で読んでいただきたいものを、こちらに転載しようと思っています。 転載するときには、当然、一部の書き換えも入るし、同じようなジャンルのものがあったらマガジンにして読みやすいようにしますね。 どうぞよろしくお願いいたします。

            優雅な貧乏生活 その1

            差別としての「貧困」について前回に書きましたが、今回はその貧乏を楽しんじゃおうという「優雅な貧乏生活」についてです。「これこれの貯蓄がなければ幸せな老後は送れない」という、老後の不安をかきたてる脅し文句の洪水に屈することなく、少ないお金で優雅に暮らす方法を江戸時代の俳人たちの生き方から学んでみようと思っています。 今回は、そのイントロ。このシリーズ(優雅な貧乏生活)は、気が向いたときなどに書いたり、他の方にお願いして書いてもらったりします。 ちなみに今回の写真は、前回の写

            差別としての「貧困」

            『イナンナの冥界下り』人形劇は、プロジェクトちゃらの一環です。 プロジェクトちゃらは、友人たち数人と始めたプロジェクトで、まだまだ試行錯誤の段階で、公表できるようなものではないのですが、主に以下のことを考えています。 ・「心の次」の時代こと ・「死」の問題 ・貨幣経済に関すること…というか挑戦 …そのほかいろいろ で、今回は「貨幣経済」関連のことを書こうと思います。「差別としての貧困」についてです。 ※「プロジェクトちゃら」は、まだ発足前の段階ですからメンバーの募集

            人形劇『イナンナの冥界下り』#1試演会

            人形劇『イナンナの冥界下り』の第一回試演会を行いました。その様子のレポートです。 古代メソポタミアの神話である『イナンナの冥界下り』を、アーツカウンシル東京の長期助成を得て2015年から3年間上演して来ました。その最後は、イギリスのロンドン大学とリトアニアの国立ドラマシアターでの上演でした。 その詳細はこちらにありますので、ごらんください。 3年間の長期助成も終わり、『イナンナの冥界下り』は新しいフェイズに入りました。ひとつは人間が演じるものから、人形が演じるものへの変