読書弱者の日々是見えへん②眼鏡の処方箋

 眼科で眼鏡の処方箋を書いてもらうときは、まず検眼士が各項目を検査して、次にその結果を眼科医がレビューします。十年ほど前に検査を受けた際は、
 
眼科医「わあ!ずいぶんっ――」
 
言うなり口をつぐんでしまいました。
 
――”ずいぶんっ”何!? お願い最後まで言って!
 
途中で止められては却ってこちらの精神衛生に悪い。本人を前にして、と思ったのでしょうけれども。
 
そのときの各項目は下記のとおり。素人が見てもさっぱり分からず。そのうち誰か専門の方が別のことばで説明してくださらないかしらん。
 
For near(近用)には特に記載なし。
ということは、問題はFor distance(遠用)。
 
Sph.(球面)
Rが-1.50D、Lが±0.00D
6段階の「弱度近視」ですかね。
 
Cyl.(円柱)
こちらはLのみの記載で-0.50D
中度の乱視?
 
Axis(軸度)
こちらもLのみの記載で160°
縦方向の屈折が強い直乱視ですか? 
前回、書架の縦方向が見えないと書きましたが、なんとなくその説明になっている、かな?
 
P.D.(瞳孔間距離)は60m/m
PrismとBaseは記載なし。
 
ちなみに視力はその時々で若干変化しますが、概ね右0.1/左1.0、矯正視力は1.5出ています。
 
左右の視力が離れ始めた25年ほど前、その不具合はまず強烈な頭痛として現れました。まさか片目だけ視力ががくんと落ちてきたなどとは夢にも思わず、脳腫瘍等を疑ってそういう方面の検査を何回か受けました。たまたま着替え時に腕で片目ずつが隠れる動作をした際、見え方が違いすぎるということを発見して原因は眼だった!となったのです。
そのときの眼科医に言われたのがこんなことです。
 
「僕たちは、2桁以上視力が離れているような患者を相手にしているんだよ
    (ニャンコ先生による訳:君のは大したことないから我慢して)」
 
左右差まもなく1桁というだけでもこんなに辛いのに、2桁も視力が離れている人がいるんだと、当時は単純に驚愕、そういう患者の苦痛を想像してクラクラしました。が現在は、医師のこのような言葉に、日本的な問題が見え隠れしていると考えています。この点はまた追々。
 
とここまで書いて、我ながらすごいことに気づきました。
当時も現在のように、眼科に行けばまず眼圧検査をして視力を測って~といろいろ調べましたが、「度数」のほうで自分のスコアがどうだったかは言われたことがありません。それゆえ総合的な視野認識という点で「度数」がいつ頃からおかしかったのか、遡って考えることができないのです(長期にわたって同じ医者にかからない限りはほぼムリでしょう)。つまり「度数」に関しては、検査で正常ではない所見を得たとしても、眼鏡の処方箋を所望しない限り、患者本人はうかがいしれないままなのではないでしょうか。これは大問題だと思います。
(あるいは、医師が本人に告げるべきと考える「正常じゃなさ」と患者の苦痛度が見合っていないか・・・・・・)
 
自分の眼にまつわる苦労が眼科の中でも視能学という領域の対象であることを知ったのは、ずっとあとのことです。
 
そういえば今ドライアイで通っている眼科は、視力ですら聞かないと教えてくれないワ(受付で口頭で言うだけ)。

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