【創作】きれい好きの団子屋(1/5)

*ご注意*
これは得雨れんによる創作のお話です。
また、私のある家族に分かるように書いています。
以上によりツッコミどころが多かったり、読みにくい点があるかと思いますがご了承ください。

昔、江戸のある町はずれに小さな団子屋がありました。
その団子屋をある賢い兄弟が「うまい!うまい!」と気に入り、二人はその団子屋の常連になっていました。
「なぁ弟よ、今日もあの団子を食べに行かないか?」
「もちろんだぁ。 昨日は嫌な事があったし、うまい団子でも食べて、良い気持ちで働きたいしな」
そう言って2人は団子屋のある方角へ歩いて行きました。

そんな会話をある男がたまたま聞いていました。
男は団子が気になって2人の後をゆっくりついていく事にしました。
たどり着いた団子屋は、町の少しはずれにある、質素な佇まいの店でした。

常連の兄弟はいつものように1本ずつ団子を頼み、お茶を飲みながらゆっくり大事そうに食べ始めました。
あとをついてきた男も、団子を1本注文しました。
男は団子を一口ほおばり、ゆっくり噛み始めました。
「(おや……これは……)」
そうしてサッと平らげると銭を払って帰って行きました。

それを何となく見ていた常連の兄が言いました。
「なぁ、さっきの客、不思議だったな。 一瞬口に合わないような顔をしたのに、ちょっと嬉しそうに帰っていったぞ」
「そうさなぁ。 ここの団子はちょっと硬いから好き嫌いはあるかもなぁ。 でも噛んでるうちに何か面白い事でも思いついたんじゃあないのかい?」
そう言うと常連の兄弟二人で笑いました。

それから数日後──

兄弟が団子を食べていると、ある役人の男が店に現れました。
顔をよく見ると、先日の男でした。
「団子屋の主人よ、話があるのだが……」
「はて、なんでしょう?」
男は団子屋の主人の耳元で用件を伝えました。
すると団子屋の主人の顔が少しこわばりました。
「わ、わかり、ました……」
男は「それではよろしく頼む」と言って、そそくさと街中へ帰って行きました。

そんな主人の様子を心配して常連の兄が声をかけました。
「どうしたんだ? 顔色が悪いようだが、何か気にくわない事でも言われたのか?」
団子屋の主人はすぐに手と首を振り、常連の兄弟二人におどおどしながら話しました。
「さっきのお方、普段は奉行所に勤めるお役人で、ここの団子はきっとお奉行様の口に合いそうだから、十日後にお忍びで伺わせてもらう、と……」
『なんだって! そいつは凄い話だ!』
常連の兄弟二人は口を揃えて驚き、自分達の事のように喜びました。

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