見出し画像

子どもの第三の居場所

昨年の4月以降、休日ともなれば公園がとても混雑しています。「密」を避けるという点では、都市における公園というは絶好の遊び場です。2019年以前はどうだっかというと、大きな公園などは良いのですが、小さないわゆる「児童公園」と呼ばれるような場所は、利用者が離れているように感じていました。

たくさんの「してはならない」

公園には入り口付近に案内板が立てられていることが多く、その内容は概ねこんな感じではないかと思います。
・火を使ってはいけません
・木を切ってはいけません
・ボールを使ってはいけません
・乗り物(自転車やスケートボード)は禁止です
・大声を出してはいけません

実際にはもう少しあると思いますが、とにかく禁止事項が多い。そのうち「公園で遊んではいけません」というルールも追加されそうで怖いくらいです。公園で子どもが遊ぶことを拒むような禁止事項が列記されています。

では、子どもたちはどこで遊んでいたのかというと、大型のショッピングモールなどです。そこにテナントとして営業している室内遊戯施設が子どもたちの遊び場になっていました。火を除けば公園でできないことが全てできると言っても過言ではないような場所です。

今はどうなっているのか?

2021年現在を見てみると、公園は相変わらず混雑していますが、二極化が進んでいて激混みな公演と、相変わらず誰も使っていない公演とに二分されるようです。

室内遊戯施設は大変だろうと思います。そこには運営側の相当な工夫とケアがあって、こまめに換気をしたり、除菌・清掃をしたり、密にならないように遊具の配置をアレンジしたり…。その甲斐あってなのか人手が少しづつ戻っている印象もあります。

個人的に少し気になるのは、室内遊戯施設の方です。僕はとても好きでよく利用する(というか仕事もアレなわけでね。。)ですが、年々「してはならない」ことが増えているように感じていました。実際なかに入ってみるとたくさんの手書きの注意書きを目にします。室内遊戯施設は市場に定着して20年くらいですから、その歴史の中で経験してきたことが蓄積して今の形になっているのだと思います。安全面での考慮やトラブルを避ける、オペレーションを簡便にするといった観点から、「してはならないこと」が増えているのだと思います。

そこへきて「密」を禁じるわけですから大変です。そもそも遊びは「密」ですから。

子どもの第三の居場所を

さて、この状況を考えたときに子どもの第三の居場所の可能性を薄ぼんやりと考えていました。この数年の話ですから、ニュースタンダートに影響されたものでもありません。

公園は禁止が多くて誰のためのものなのかわからない。雨も多く夏は猛暑、活用できる時期も少ない。室内遊戯施設は公園を追従するように禁止事項が増え続けている。もはや利用者の消えた公園と同じくらい「ダメ!」が多いのではないかと感じて息苦しい。公園でも室内遊戯施設でもない、新たな子どもの居場所、子どもが自治権を持っているような場所はあり得ないか?そんなことを妄想しています。

第三の居場所としての畑

具体的な形はまだわかりません。でも何となく気になっているのは「畑」です。都会にはたくさんのコインパーキングがあります。建物がなくなるとすぐにコインパーキングが出来上がるのですが、駐車場ではなく畑にできないだろうか?と思っています。屋外ですから、密は避けられますし、そもそも土いじりなのでしてはいけないことは少ない。しかも自分で育てた野菜を自分で食べるというのは、遊びを構成するインプットとアウトプットの循環の象徴的な事柄とも言えます。

そして肝心なのは子どもたちが「自分たちの場所」だと思えること。その意味で自治権を持っていること。実際には大人と一緒の場所で良いのですけどね。

「畑」かどうかは分かりませんが、室内遊戯施設の次の存在が出てきても良いタイミングだと思っているのは事実です。何が出てくるのか(出てこないのか?)楽しみでもあります。

ミュージアムという手もあるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?