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子どもと美術を楽しむ①

子どもと美術館によく行きます。1歳くらいまではどこでもホイホイといってました。かなり頻繁に。2歳〜3歳くらいの頃は子どもが反抗期(イヤイヤ期)というのもあって、展覧会によってはかなり抵抗されました。現代美術は結構ウケが良いのですが、そうでないと"秒"でまわるなんてこともありました。

最近(4歳〜)では、話し合いの末に展覧会に行きます。行きたい展覧会をプレゼンテーションして承認を得てから御同行願うようにしています。その際ポイントになるのが展覧会がいかに面白いか?という説明です。4歳児に展覧会の面白さを伝えようと思うと、美術の文脈はあまり意味をなしません。この話はまたいつか書きたいと思います。

やはり肝心なのは美術館に行ってからです。いかに子どもをワクワクさせるか?ということには結構気を使っています。一人で行けばいいとも言えるんですけど…。

気を使うというのは、楽しんでもらいたいというのは、そのまま僕自身が楽しみたいというよくの現れ。親の趣味に付き合わされる子どもも大変かもしれません。でも美術は楽しいものです。表現はもっと楽しい。やりたくないならばやらなくても良いのですがら、望むならば存分にできる環境があって欲しい。それには鑑賞も欠かせません。

美術を楽しむ方法① 手法を知る

さて本題です。美術の見方は色々あると思いますが、ひとつは技法を考えるということ。「どうやって作ったのだろう?」ということを対話しながら考えてみるというものです。

例えばフランス・パリにあるポンピドゥ・センターでは、Atelier des enfantsという子ども向けのワークショップが行われています。2019年の夏に参加した時には、Bernard Frizeというフランスの画家の回顧展が行われていました。

Frizeはペインティングの手法そのものを新しいものとすることで、表現に革新性をもらたらす作家です。(写真:ワークショップの一環でツアーしている様子とFrizeの作品)

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Frizeは複数人で同時に一つの画面にペインティングをします。ワークショップではミュージアム・エデュケーターが子どもたち(親子で)とFrizeの制作プロセスにちなんだ、表現遊びを行った後で、実際の作品を鑑賞するというものでした。

余談ですが、鑑賞してから表現遊びという順序ではなく遊んでから鑑賞という流れは興味深いものでした。子どもたちは思考で表現をするわけではありませんから、この流れが必然なのかもしれません。

このワークショップはまさに技法に迫るものでした。例えば、床をキャンバスに見立てて参加する子どもたちで紐を交互に置いていく。2本の固定された筆を用いて絵を描く。ということを実際に体験をします。絵を描くことはあっても2本の筆を同時に扱うことなどないでしょうから、子どもたちも新鮮な体験だったと思いますし、変わった筆のおかげで「描く」という行為に集中をし、「何を描くか?」という目的は消失をします。

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ここまでではなくとも、例えば家庭でもこんなことは簡単にできると思います。
・いつもより大きな画用紙に描く
・歯ブラシやスポンジ、ローラーなど道具を変える
・野菜やいらない衣類などを使ってみる
・ひも、枝などを筆の代わりに使う
・描いた絵を破いて再構成する
など。いくらでも出てきそう。

親子の会話が大切

鑑賞に関しては、やはり対話が重要です。親子で美術館に言ったら「どうやって作って(描いて)いるのか?」という投げかけをしてみるのも面白いです。子どもの返答に合わせて会話を膨らませると、その子どもの関心時にも触れることができますし、物事をどのように観察しているのか?ということがよくわかります。

無題 - 2021年2月4日 18.43


そして、もし余力があるのであれば、話あった結果をおうちで試してみるのはどうでしょうか?子どもの仮説を元に実際のそのアプローチで絵を描いたり、ものを作ったりしてみるわけです。思わぬ新しい表現が生まれるかもしれません。そんな一連のプロセスがとっても楽しそう!今度やってみよう。





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