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OcuFesができるまで 2013年最大のVRコミュニティ誕生 (5)コンテンツだけでなく情報でもコミュニティに貢献したわっふるめーかーさん

前回の記事ではコンテンツの出展者をご紹介しましたが、今回は、最初のOcuFesや開発者コミュニティの発展に協力者として尽力したわっふるめーかーさんにお話を伺ってきました。

わっふるめーかーさんは、2013年当時も現在も、業務用アプリケーションを開発するお仕事をされています。VRの開発も担当されており、所属企業ではVR事業部長でもあります。仕事の他に趣味でもプログラミングを続けており、新しい技術に積極的にチャレンジするエンジニアです。

Oculus Rift DK1に興味を持った理由ですが、わっふるめーかーさんはもともとヘッドマウントディスプレイ(HMD)にTrackIRのようなセンサーを組み合わせてVRゲームの可能性を模索していたことから、DK1のニュースを見たときにも興味を持ったといいます。当時はあまりヘッドマウントディスプレイのカタログに大々的には書かれていなかった水平視野角への言及があり、その性能が良かったことも興味を強く持った理由だそうです。

上記ツイートに言及されいてるヘッドマウントディスプレイ「Video Eyeware」はこちら。

TrackIRは今も現行機種があります。

興味を持ったOculus Rift DK1でしたが、クラウドファンディングに参加するのが初めてだったということもあり、応募した時期は結局、クラウドファンディングを締め切った後のプレオーダーの時期になってしまったそうです。そのため、毎日のように出荷情報をチェックして到着を待ちわびていたとか。

その情熱は高まり続け、まだOculus Rift DK1が届く前から、情報を集約する非公式Wikiを作って運営していたほどです。

現在は閉鎖されているこのWikiですが、Oculus Rift DK1で体験出来るコンテンツなどが紹介されていました。

また、当時、購入希望者を惑わせていた、非正規流通品にもたびたび、注意喚起の書き込みをされています。トラブルも多い非正規の輸入代行を使わず、正規の交流ルートで入手するよう、強く勧めていました。

単に開発者としてコンテンツを制作するだけでなく、他の購入検討者への情報発信にも積極的だったところに、当時のコミュニティの相互扶助的な雰囲気が伝わってきます。

わふっるめーかーさんは、その情熱からTwitterで毎日のようにOculusについてツイートする人を探していました。そんな折、GOROmanさんが体験会を開催するという会話を見つけ、そこにリプライして参加を申し込んでいます。

当時はまだ、GOROmanさんやneedleさんとは面識が無かったそうですが、参加は快諾されました。Oculusが好きなもの同士ということで、オープンな雰囲気があったことが窺えます。

そして、わっふるめーかーさんのOculus Rift DK1は6月に無事に届き、開発が始まります。

わっふるめーかーさんは後に乗馬マシンとOculus Riftを組み合わせたライド体験VRを制作されますが、DK1の到着直後から乗馬マシンとの組み合わせを検討されていました。わっふるめーかーさんいわく、今もVRと組み合わせて面白そうなデバイスがあると買ってしまうそうです。

他には、Google Earthと連動させたスカイダイビングコンテンツなどを作成されていました。

また、UnityとOculusの勉強会を開いたりと、VRに興味を持つ開発者たちへ積極的に関わっていきました。

情報発信や開発でVR開発者同士の交流を深めたわっふるめーかーさんは、Oculus Festival in Japanの第0回にスタッフとして参加することになります。わっふるめーかーさんの場合、自作のコンテンツの出展ではなく、案内役としての参加でした。当日はヘッドセットやアプリの仕組みを聞かれたりすることも多く、自分が開発した機材では無いのに(笑)、たくさん説明をしたそうです。それだけ、参加者の関心が高かったということでしょう。

コミュニティの発展というとイベントを主催する人やリーダーシップを取る人に注目が集まりがちですが、支える人もまた、コミュニティの発展に大きな役割を果たすことが窺える事例です。

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