目に見えない大切なものって何?
「大切なものは、目には見えない」
〈Le plus important est invisible〉
シンプルで、奥深いそれはぼくの心臓に突き刺さって、今も離れない。
ぼく、鮭泥まぐまの人生を変えた一冊は、アントワーヌ・ド・サン=テグデュペリの『星の王子様』。
きっと、誰しも一度はタイトルと素朴な顔の王子様のイラストを見たことはあるんじゃないだろうか。
確か、星の王子様がモチーフのサービスエリアも出来たと、数年前に聞いた覚えもある。日本のみならず、星の王子様は全世界で瞬いている。
まるで童話のような姿をしている星の王子様は、どちらかというと、『かつて子供だった大人のための童話』だからこそ、今も霞まないのだと思う。
実のところ、詳しい内容やあらすじはあまり触れたくない。
「自分の目で確かめてくれ!」と言いたくなる上に、この本もとい物語は、一度読んだだけでは飲み込めたりするものではないからだ。だから、今回はこの本の主題でもある、ぼくが冒頭で触れた『大切なものは、目には見えない』ことについてだけ、話したい。
『目に見えない大切なもの』とは何だろうか。
例えば富は見えても、名声は見えない。
友人の数は見えても、絆は見えない。
外傷や内傷は見えても、心の傷は見えない───。
何かに躓いてしまったとき、シミュレーションゲームの様に、そういう見えない人生の進行度や、信頼度、自分のレベルとかは見えてしまったらいいのに、だなんて思う人はいるんじゃないかな。ぼくもそうだ。
然しながら、見えないからこそ気遣えるということもある。「あの人には好かれてないから良いや」と匙を投げて一生触れ合わずに終わるよりも、2、3言だけでも会話して偏見ではない、そのひと自身の1片を知ることが大丈夫なんじゃないかなと思う。
「わからないからこその気遣い」、つまりは偏見とか固定観念から離れて、相手をありのままに知る────
ぼくが思う、「目に見えないこと」はそういうことじゃないかなと、思わされたのでした。
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