クリスマス
題名「クリスマス」
作者:img_00
父は会社員、基本リモートワークで在宅勤務、昔バンドをやっていました。母はイラストレーター、作家としてそれなりに有名ですが、少ししか稼げません。夫婦は相談した結果、リビング横の8畳の和室を改造して、組み立て式の防音室と作業スペースをつくりました。その代わり、リビングの一部を簡易的な畳スペースにしています。夫婦には小学校低学年の子供がいます。
もう少しでクリスマス、両親は、子供に内緒でクリスマスのプレゼントを考えています。誕生日に買ってあげたカリンバを気に入っていて、最近は投稿サイトの動画を見ながら一緒に演奏しています。だいぶ演奏も上手くなってきたので、キーボードを買ってあげようと両親は考えました。本当は本格的なシンセサイザーを検討していましたが、ちょっとお試しには高価なので、ミニ鍵盤のMIDIコントローラを買ってあげることにしました。パソコンは、少し型が古いのですが、だれも使っていないのが余っているので、それを使う予定です。毎回、大人が手伝って演奏できるようにセッティングしてあげることにしました。しばらくの間、大人が管理して、インターネットには繋げない方針です。
小学校は今週の金曜日で冬休みです。ここのところ、寒いのでようやく、といった感じです。町内会のイベントで簡単なクリスマス会をするとのことで、今はそちらで友達と楽しんでいるみたいです。
数日前から、自宅でもクリスマスの準備をしていますが、プレゼントのことは極秘事項です。夕方、みんな一緒にケーキを食べた後、近所のイルミネーションを見に行く予定です。
こっそりと、ツリーの下に置いておくのがいつもの流れです。実際にイルミネーションを見に行くと、ストリートで弾き語りをやっていたので、人だかりができていました。興味津々、見ていたようなので、今年のプレゼントは当たりかな、と思って安心しました。本人は、その時シンガーソングライターという言葉は知りませんでしたが、かっこいいと思ったようです。
家に帰ると、クリスマスツリーに駆け寄って、さっそくプレゼントを見つけました。本人はどんなものなのか? はっきりとわかっていない様子だったので、いろんな音が出るよ、と簡単に説明してあげました。今日は大切そうに抱えて寝ているので、取り上げるのもかわいそうと思いました。せっかくなので、明日起きたら、一緒に作業して使えるまでの作業を見せようと思っています。
今は両親とも今年の仕事はひと段落ついて、比較的時間があります。クリスマスの片づけも終わって、少し時間が空いたので、プレゼントしたキーボードが使えるように準備を始めました。設置場所は母親の作業スペースの隣がちょうど空いていたので、機材を常設する予定です。母親はパソコンに多少詳しいのですが、音楽となると専門外なので、設定は父親にしてもらいます。子供は早く使いたい、とせかしていますが、こればっかりは仕方ないです。父親も、休み中はギターで弾き語りをやろうと思っていましが、今年は子供に付き合うつもりでいます。
普段は在宅勤務中、面倒を見られないので、母親にも少しレクチャーして、設定ができるようにしてもらいました。これでいつでも、演奏することができます。いきなり五線譜は難しいと思うので、簡単な練習動画から始めるのが無難と思っていましたが、カリンバで慣れていたせいか、スコアは多少読めるようです。少し驚きましたが、頑張ったんだな、と思って感心して、それなら、本格的なシンセサイザーをそのうち買ってあげようと思いました。
子供には内緒ですが、先日、祖母から来年のお年玉が現金書留で届き、ポチ袋の中には千円札が5枚入っていました。最近の子供は現金というものを知りません。小さいうちからお金の管理ができるように、と考えたからです。
年が明けたので、祖母からのお年玉と、両親も3000円ずつあげました。
しばらくして、クリスマスにイルミネーションを見に行った時、キーボードで弾き語りをやっているストリート・ミュージシャンを見て、「私もやりたい。」と言っていたのを思い出しました。最近、ブラックフライデーのセールでマイクを買ったものの、具体的に使う予定がなかったので、この際、あげてもいいと思いました。ただ、誕生日、クリスマス、お年玉と奮発しすぎたので、お年玉から少しもらうことにして、本当は15000円でしたがが、大負けして自分があげたお年玉相当の3000円にしました。
マイクアームとポップフィルタがそのほかに必要でしたが、今回は特別サービスです。
執筆 img_00様
投稿 春原スカーレット柊顯
©DIGITAL butter/EUREKA project
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?