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Anniversaryは「記念」ではない!

 私の乗っているプリウスの走行距離がついに1万kmを超えた。昨年の7月23日に納車されたので、約1年で1万km乗ったことになる。

 トヨタ車についてくるMyTOYOTA+というアプリがあり、クルマの状態や走行ログなどを確認できるようになっているのだが、1万kmを超えた段階で開いてみると次の画面が表示された。

 たしか1,000km走ったときにも表示されていて、そのときには気づかなかったのだが、10,000kmの上に"Happy Anniversary!"と書かれている。

 ・・・なんとも日本人的な英語である。完全に"anniversary”というのは「(年単位の)記念日」だと思っていたので、最初意味がわからなかったのだが、少し考えて「記念日=アニヴァーサリー」ということでanniversaryが使われているのか、と合点した。日本語からの逆翻訳というか、そういう発想を久しぶりに見た。

 anniversaryはラテン語のannus(年)+ versus(〜に向かって)という二つの言葉からできており、年ごとの、一年ごとにやってくるものに対して使う言葉である。フランス語ではanniversaire(アニヴェルセール)は第一義的には「誕生日」という意味になっている。「紀元後」のことをA.D.と表記するが、これはラテン語のanno dominiの頭文字で、「主の年に」の意味となる。このように"ann"で「年」というイメージが強くなる。英語にもannual(例年の、毎年の)という形容詞がある。

 だからanniversaryは納車から1周年記念とか2周年記念という場合には使えるが、10,000km走行記念という場合には使わない。そういう一般的な「記念」はto commemorateとかin memory、celebrationを用いる。私の場合はちょうど納車から1年目の時期にあたるので、完全に間違いともいえないが、やっぱりcelebrationくらいが最適なんじゃないかと思う。


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