「ファミレスを享受せよ」 感想みたいななにか
日曜日の夜中1時。月曜日の憂鬱からくる夜更かしを切り上げて寝ようと思ったところにこんなタイトルのゲームが目に入りました。
ファミレスを享受せよ
永遠のファミレス『ムーンパレス』に迷い込むアドベンチャーゲームです。
なんとドリンクバーもあります。
何とも言えない説明文と、レトロゲームを思い起こさせる画素数の少なさ。そして「推定プレイ時間30分～」の文字に「さくっと終わるのなら……」と手を付けたところ、これがめちゃくちゃ面白い。しかも終わらない。でも続きは気になる……！ と、あっという間にクリアまで２時間が経過してしまったのでした。
そんな面白いゲームなのでTwitterに放り投げないでちゃんと感想というか良いと思ったところを書こうと思います。気になったらみんなプレイしてほしいです。
なるべく重要な箇所はネタバレにならないようにしますが、どうしてもポロっとしてしまう可能性があるのでそこはご了承ください。
あと推定プレイ時間３０分～とありますが絶対に３０分じゃ終わらないのでそれなりに時間を確保したうえで臨んでください。夜にプレイするのがおすすめなのですが、日付回ったあたりから始めてクリアを目指すとワンチャン徹夜になります。セーブ機能もあるのでほどほどのところで切り上げましょう。
異次元に迷い込む系ゲームなのに怖くない！！
この感動が一番大きいです夜にプレイしても怖くない！！
ふとしたきっかけから異次元に迷い込むアドベンチャーゲームやサウンドノベルゲームと言えば、フリーゲーム出身の「Ｉｂ」や、ナイトメア・プロジェクトの「歪みの国のアリス」がパッと思いつくのですがどちらもホラーゲームです。閉じ込められた空間からなんとか日常へ帰ろう、というテーマだとどうしてもその空間にいることに対する恐怖と不快感がテーマになりがちですがこの作品はそれがありません。(注1)
地獄だのなんだの読んでてしんどい作品であふれている昨今。新しい作品に触れていても「どこかでどんでん返しが起きてしんどくなるんじゃないか」という身構える気持ちが頭の片隅にこびりついて、読むのがおっくうになることが多くコンテンツを摂取すること自体に疲れてしまっていた心にだいぶ効きました。最近のしんどみコンテンツに疲れがちな人にはとてもおすすめです。
雰囲気が良い！！
上記の内容にちょっと被りますが全体の雰囲気がとても良いです。
舞台は異次元にある永遠のファミレス、内装もちゃんとサ○ゼ風のファミレス、しかも間違い探しまで完備！ 店員がいないので料理は出てこないけど、ドリンクバーは存在していて飲み放題。ドリンクも日常の常識が通用しないものばかり。ファミレスにいるメンツもOLから王様まで様々。問題は外は真っ暗で月しか見えない上に外にも出れないし、おまけに時間がいくら経っても何も変わらない。事を起こさずに座っているだけだと、何百年何千年何万年いても永遠に変わりません。日常に寄せてはあるけど間違いなく非日常で常識の通じない異次元です。時間の経過が無いのでとんでもない桁数のパスワードも総当たりアタックで割り出せるしプレイ時間１０年オーバーのTRPGだって問題なく遊べます。やったね！！(良くない)
そんな不思議な、それなのになんとなく居心地がいい雰囲気のゲームです。こんなにもう一度行きたい異次元もなかなかないと思います。
BGMが良い！！
こういったフリーゲームのBGMはたいていフリーの音楽サイトから引っ張ってきたBGMが使われることが多いのですが、なんとこちらのゲームはBGMまで製作者が自分で作曲しています。え、作者多才過ぎん？？
こちらもゲームの雰囲気に合った、なんとなく昔のMIDIを思い出すような曲です。時間が許すならずっと聞いていられます。
サムネでなんか不穏な曲名がチラリズムしてるけど気にしないでください。
BGMがYouTubeに公式で上がっているので、ゲームに手を付ける前にBGMだけ聞いてみるのもありかもしれません。
作者の癖が信用できる
製作者のホームページに行くと、制作後記のような「『ファミレスを享受せよ』あれこれ」という記事がありまして。
こちらの「わりと直接的に影響を受けているもの」のラインナップが見事です。気になるけど合うか不安……という人はこれを見て判断するのも良いと思います。
私個人としては……
ここだけで十分信頼足り得ますし、お勧めできますね……！(注２)
最後に
思うままに書き殴ってとりとめのない感想になってしまいましたが、本当に良いゲームなので皆さんプレイしてみてください。
なんと今年の夏にはsteam版とswitch版が発売されます！
こちらはこちらで楽しみにしつつ、ブラウザ版をプレイして異次元ファミレスライフ楽しんでください！それでは良い夜を！！
なあ君、ファミレスを享受せよ。
月は満ちに満ちているし
ドリンクバーだってあるんだ。
注1：どうしても物語の転換点でドキドキする箇所は出てくるので、全く無いわけではありません。あと作者が持ってる不穏な一面が微妙にチラリズムしてるところが一か所だけあります。でもあからさまに驚かせるような描写は無いです。
注２：本作はそこまでメギドメギドしてないです。多分、きっと、メイビー。
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