見出し画像

【文劇6】舞台「文豪とアルケミスト 戯作者ノ奏鳴曲」東京千秋楽感想

2月17日~2月26日まで東京ステラボールにて公開、そして3月3日~3月5日までは大坂森ノ宮ピロティホールにて公演予定の「舞台『文豪とアルケミスト 戯作者ノ奏鳴曲ソナタ』」の東京千秋楽感想です。
この先、舞台の内容のネタバレを含みます。多分。初見よりもまともな感想ではないので大丈夫かもしれないけど自己責任で閲覧ください。

初見の感想はこちらから

さて、2回目の観劇になる文劇6。文劇4以降は公演開始してから最初の日曜日と東京千秋楽のチケットを取って観劇していて、今回はその東京千秋楽のほうになる。
初見の時はかなりいい状況で観劇できた。これも以前の記事で書いたが、座席に関しては大不評の今回の舞台。千秋楽の席は初見の席よりも幾分か前の方だが、真ん中からは上手側にずれている。「今度は流石にそんなに見えないかなー」と思いながら開演5分前に席に着いた。
席に着いてまず、またしても前を遮る要素が無かったことを感謝した。ちょうど前の座席が一段下がっていて、前に人がいても特に邪魔に感じることは無かった。逆に自分が邪魔になっていないか不安になって、サイドテールの髪に着けていた文劇5のシュシュを取り、腰痛覚悟で腰を深めに落としてなるべく頭の位置を下げた。
そして客席の電気が落ちて、舞台の幕が上がる。最初は真っ暗で何も見えない中、パッと照明が点いて、織田作がオープニングの台詞をしゃべり始めたあたりで私は固まった。

え、近っ……
めっちゃ近くね??????

そう、その席は私が想像していた以上に舞台から近かった。それでいて全景はほぼ無理なく(上手寄りだったので流石に下手の舞台サイドは見えなかった)見通せる、前過ぎず後ろ過ぎず前も塞がれない良い位置だったのである。おまけにオペラグラスが無くても演者さんの表情が見える。オープニングの織田作がしゃがんでニコッと笑ったあたりで情緒がどうにかなりそうだった。運が良いことが逆に怖くなって、舞台が終わった後に追いブロを5000円ほどかました。本当に感謝感謝、圧倒的感謝である。

おかげさまで、観劇中は初見では見られなかった演者さんの表情を追うのに必死だった。戦闘時以外は終始明るいニッコニコの直、ころころ表情が変わる織田作、元気いっぱいの心平、多喜二がいないせいか少し表情の硬い重治、表情まで飄々としている安吾、物腰だけは柔らかい白秋先生。そして、鰻のせいろ蒸しの話を白秋先生に振った後の「なんかおかしいぞ」という顔をする檀くん……
あらすじは分かっていて、初見よりも落ち着いて見ることが出来たのは良かったと思う。何といっても檀くんが本当にイケメンだった。めちゃくちゃイケメンだった。イケメン過ぎて先週の時点で既に買っているのに個ブロ買い足しそうになった。文豪徒然日記で運良く引いた檀くんには可愛いしか言えなかった。なんなんだのその泡だて器とボウルは、司書を殺す気か。
それとこんなことを言ったら怒られそうだが、元気マシマシドリンクをグビッと飲むときの織田作がなんかエロくてドキッとした。いや、メタルの魔の手がすぐそこに迫っているシーンなのでドキッとしてる場合ではないんだけどドキッとした。配信であの部分だけアップになったら停止してしばらく眺めたいぐらいにはエロかった。本当だったら、ふせったーにしたためて見えないようにタイムラインに放流するような感想だけど、アカウントが凍結していてふせったーが使えないのでここに流すことを許してほしい。

そして、安吾がと織田作が叫ぶシーン……安吾の「堕落論」を全員で読み上げるシーンでは客席の電気がその時だけ点灯した。やっぱり初見の時の私の記憶違いではなかった。声高に読み上げられる堕落論の一説が垣根を越えて飛んできたことに、落ち着いて見ていたはずなのにまた泣いてしまった。

斯くして敵は討ち滅ぼされ、新しい道が示された後に舞台の幕は下りる。下りた後に待っているのは千秋楽のお楽しみ、カーテンコールの舞台挨拶だ。
これが本当に凄かった。初っ端から真白さんが言った「大きな拍手」が「大きな白秋」と聞こえて場内が沸き、反橋さんが真白さんいじりをした横でMAHIROさんがお腹を抱えて笑い始め、自分の順番が来たMAHIROさんは天然っぷりが凄まじく、他出演者がアフタートークで「素質は凄いけどこのまま舞台の世界に放流したらヤバイ」と言ったのを身に染みて感じることになった。耐えきれずに「鼻を触るな!!」とツッコミというかお叱りを入れる反橋さんが本気の保護者の顔をしていた。いやはやこの新人さんは凄い。
そしてやりづらそうな雰囲気で順番が回ってきて「アフタートークもカーテンコールも小坂くんやMAHIROくんの後に順番が回ってきてしゃべりづらい」と苦笑する佐藤さん、貴方の「(ブルズのみんなと)大阪公演でも文豪を八つ裂きにしようと思います!」を私は忘れない。
小坂さんは上演中はあんなにカッコいいのにカテコはいつも通り噛み噛みだった。本当にマジで怪我に関しては養生してください……赤澤さんはあんなにイケメンだったのに限界が近かったのかいろいろとぐだぐだだった(もちろん良い意味で)。「作品の歴史があるのは理解しつつ土足で踏み込んでやると意気込んでいたのが、自分が土足で踏み込んだぐらいじゃ、ちょっとやそっとのことじゃ崩れない作品なんだなと実感している」と言っていたのは全力で同意したい。多分、劇館長がロケランぶっ放しても崩れないと思う。
ここまできてアンサンブルズさんの挨拶に。町田さんの号令で「ありがとうございましたー!」と言われたときは「こちらこそありがとうございましたー!だよ!!」と叫びたかった。いや本当に毎作毎作ありがとうございます……今回はエゴサしてもらえないのが寂しいです……
アンサンブルズさんたちの挨拶の後は、主演の陣内さんへ。「台本見たら恐ろしいことになってて夜も眠れなくなるぐらいだったけど、みんなとお芝居できるのはやっぱり楽しい」「小坂君も言っていたけど、孤独の独りでは無いと思う。だからひとりひとりに『みんな生きててええんやで』って本当に伝えたい」と聞いたときはジーンときた。今度は御本家の織田作の出身地である大阪での公演、残り3日間の公演も、最後まで走り切ってほしい。

走り書きになってしまったけれど、東京千秋楽の感想は以上になる。落ち着いて……いや落ち着けてないな……表情見るのに必死過ぎて細かい内容や考察までに気を回せていないので、そのあたりについては大阪公演の生配信を見てから書ければ書こうと思う。
世の中は混沌としていて、コロナもまだ収まってなくて何が起こるか分からない。そんな世の中だけど、文劇から元気をもらって明日からまた頑張りたいし、文劇6が最後まで走り切れるよう、東京の地で願っている。

この記事が参加している募集

#舞台感想

5,904件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?