花の音、音の香り、余韻。

2024.1.7
Quubi Japan Tour 2023ファイナル大阪公演がホームBIGCATで大団円を迎えた。

その備忘録と、ほんの少しの、余韻。


内容は恐らく映像が公開されるのでそのときに感想戦を交えながらでもしたいなというのがいちおうの建前として、
興奮のあまり明確に覚えているかと言われると怪しいのである。

始まりの曲はやっぱりあの曲。
いきなりフロアのボルテージが上がる。
人も上がる。
開幕からぶっ放すバンドセットを引き連れたメンバーにオタクたちは元気いっぱい。
それでも煽るは村上華花さん。
「そんなもんか?」

音を楽しみ、みんなが笑っている最高の空間がずっとあった。

ウォーミングアップと言わんばかりにあっという間に数曲を終え、
ほのぼのおだやかMCタイム。
5か月にわたって行われたツアーの思い出話に花を咲かせた。

そんなツアーの中でMCを任されていた村上華花さん。
自身の作詞した曲”scent”に一際想いを込めていたように感じられた。

scent
意味は「(いい)匂い」
とりわけ花の香りなど、人間の感じるsmellとは違って、そのものの匂い自体を現すのに主に使われます。

匂いの記憶というのは残りやすいと言われています。
人間の五感のうち、嗅覚は最も原始的なものであり、また直接的に脳に伝わる為だとか。

夏の夕暮れの帰り道、田舎の畳、懐かしい故郷を思い出すときに想起されるあの匂い。

華花さんが通して言っていた言葉があって、それは「この歌が、聴いてくれた人に寄り添えるような、背中を押してくれる支えになれば」という想いです。

scentの歌詞は一見するとありふれたようにも思えるかもしれません。
”天は二物を与えずなんて嘘”
”この世界に正しい答えなんかない”
”言い訳するのに慣れてしまった”
どこか諦めたような言葉が英語で紡がれた詞には並びます。
対比するように、その後には日本語で
”それでも前に倣えに囚われないように 前へ進む”
”努力すれば叶うこと 証明したくなった”
前向きになるような言葉が並べられています。
まるでそういった心の思いを振り払うかのように。

きれい事ばかりじゃない世の中や人生で、
それでも前を向いて進むしかない。
そんな鼓舞するようなメッセージが込められていて、
隣にはいつもこの歌が寄り添ってくれている、
この歌を歌えばいつでもあの瞬間を思い出して前に進める。
そう捉えると途端にどこか掴み所のなかった曲が身近に感じられます。

そして、これはまあいつもの勝手な解釈なのですが、
どうして”scent”なんだろうと思い、
先に述べた匂いの記憶というのも繋がっていると思いますが、
人間は最後まで聴覚が残る、なんてことも言われています。

音という、音楽という香りは、人々の耳に、記憶に残り続ける。
永遠なんてのはないのかもしれないけれど、
みていたライブも
まわりの人々と触れ合った感覚も
そのとき噛み締めた味も
ライブハウスのにおいも
そしてもちろん聴いた音楽も
この歌が思い出させてくれる、ずっと残り続ける。
そんな想いが込められているのかなあなんて。

そして選んだものが自分の中に残り続ける。


そんな風に解釈してみるのもありなのかなあといつもの妄想で思ってみました。

まあ、とにかく、本当に楽しかった、これにつきます。
(めちゃくちゃ文章では冷静ですけど)

Quubiさんの歌詞は英語での突飛なものに見えて、日本語とうまく織り交ぜたメッセージ性のあるものが多く、
なんとなく口遊んでいたけど、めちゃくちゃ歌詞良くね?と去年は幾度にもなっていました。

Quubiありがとう。

そしてそして、

鈴猫りささん。

Quubiの鈴猫りさとしての物語は一旦エンディングを迎えました。

本当に、いやこれは本当のマジで、この人いっつもニコニコしてるんですよ。すごい。マジで。

りさちという人物に敬意と最大級の感謝を込めて。

ありがとう。


りさちのこれからの人生も、Quubiの物語も続きます。


この先、楽しいことも辛いこともあるかもしれませんが、
この日を、歌を、思い出して前を向いて生きていきようってちょっとありきたりすぎるかななんて思ったり。



それではまた、ライブハウスでお会いしましょう🤘

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