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父と娘の日々

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認知症が進行していく、憎たらしく愛おしい父との、尊い日々の記録。
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2021年12月の記事一覧

全部愛しい。

全部愛しい。

半年ぶりの山の家。

庭に元気な畑ができていた。

おうちもすごくきれいにしてもらって
自分達で住んでた頃より快適だった。

オレガノもミントもがんばって大きくなっていた。

久しぶりの湧き水の五右衛門風呂。

朝霧の向こうに見える山のグラデーション。

出来たてふわふわの大福。

鋭くやさしいツッコミ。

おじいちゃんおばあちゃんから
溢れ出る愛情。

会いに行ったけど
会えなかった人達とのやり

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ザックリでいこう。

ザックリでいこう。

今日は温かく
父のご機嫌も良い。

ここのところ穏やかな波に乗り
バタッと寝込むこともなく
その代わりお風呂に入れるほどの元気もなく
歯医者さんにもまだかかれていない。

認知症が今以上進行しない予定の父。

最近仕事のパートナーさんの名前を言っても
わからなくなってしまったり
違う人のことだと思っていたり。

ケンチャンが3週間
北海道に行っていていないので
忘れてしまう可能性あり。

よく「で

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やきいもラップ。

やきいもラップ。

父が眠りに落ちたので
久しぶりに出かけた。

ポカポカと気持ち良い。

おしゃれなオーガニックなストアで
高い無農薬野菜を買う。

朝ごはんを食べずに行ったから
焼きいもが売っているのを見て、反射的に買う。

家に着くのが待ちきれず
帰りの車の中で頬張る。

焼きいもにかぶりついている自分を
客観的に見る。

スマートに生きたいんだけど
どうにも程遠い。

3時半頃、父が起きて
いつもの野菜ジュー

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移り変わりに手を添える。

移り変わりに手を添える。

これから寒くなるってのに
紅葉なんて無関係に
キラキラピカピカ光ってる植物もある。

周りの状況に左右されてなくて良いな。

介護で大変な思いをされている方の話を聞くと
急に焦る気持ちが湧いてきたりするけど
感情的に父を振り回したりしないように
ググッとこらえてユーチューブを観る。

父がこれからどのように身を振っていくか
私が決めることになるのだろうけど
私は自分で決めるつもりはなくて
父がどの

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歯も娘も強いんだ。

歯も娘も強いんだ。

今日やっと父は
歯医者さんに診てもらえた。

私もお世話になっている先生が家に来てくれて
取れてしまった詰め物を
あっという間に詰め直してくれて
歯の状態も良いと褒めてくれた。

いつも歯を磨かないで眠り続けたり
歯を磨いたとしても
夜中にいろいろ食べたりしてるし
もうお水やお茶は飲んでくれず
メープルで甘みをつけた手作り経口補水液を
昼夜問わず飲んでいるので
虫歯だらけになってるかもしれないと思

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飽きっぽい娘の野望とは。

飽きっぽい娘の野望とは。

父はまたずっと寝ている。

脳みそのほんの小さな何かが
眠くて眠くてしょうがなくさせたり
見えもしないものをありありと
まさにそこにいるように見せたりする。

それがぐるぐると繰り返し巡ってくる。
この不思議なサイクルは
レビー小体型認知症の特徴らしい。

5日のサイクルだとして
真ん中の3日目はいつも一番普通
眠いのと幻視の狭間の日。

ごはんも一番たくさん食べられる日。
感謝の言葉もぽろりと出

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おいしいから大丈夫。

おいしいから大丈夫。

こないだ山に帰ったときに
作り方をちゃんと教わって
2回目の大福は大成功。

ケンチャンはいないし
父は食べられないし
ひとりで4個も食べられる。幸せ。

朝昼晩と大福三昧に
ちょっと心配になり
カロリー消費のために
歩いて用事を済ませたりしつつ。

作るのも楽しいし
食べたら幸せだし
おいしいものを作るのって
良いことなのだと思う。

自分が何か、食べたいもの
おいしいものを作ろうと思って動ける

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満たされることの定義。

満たされることの定義。

ずっと家にひとり。(正確にはふたり)

父と過ごす日々に
やっぱりストレスは溜まるのか
それともバイオリズムのせいか
父とケンカして子供みたいに
尻をひっぱたいてみたり。

そしてその後の父の様子が気になるのは
自分が悪いことをしてしまったと
こころに残っているから。

お互いのために良いことだったら
きっともっとスカッとしているのだろう。

今の私は父のせいにして
自分のことばかり考えている。

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幻視の雪。

幻視の雪。

今日から歩くことにしよう!1時間!
と、近所の城跡周辺をぐるっと廻ってみる。

3歳くらい?から7歳まで住んでいた
マンションの近くを通る。

神社があったので
鳥居まで行ってみると
急な階段になっている。

3歳の七五三の時の記憶が蘇る。

父と手を繋いで
この階段を登ってお参りしたっけ。

登り切ると林の中に
ぽつんと神社が建っていた。

きっと小さな頃に抱いた
怖さまで蘇ってきた。

それく

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乗り越えた顔。

乗り越えた顔。

今日は父が寝ていたので
思い立って古い友達を訪ねてみた。

父といると予定が立てられないので
いつも突然になってしまうけど。

15年くらい振りのふたりの友達は
それぞれビッグマザーになって
突然の私のこともしっかり受け止めてくれた。

どちらも15年経っても
美人さんでハツラツとしていた。

15年の間に
それぞれ辛いことがあったのだけど
ちゃんと過去にして今にいた。

今のふたりの前に登場でき

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こころの恋人の名言は。

こころの恋人の名言は。

散歩が続いていてうれしい。

毎晩の半身浴も続いている。

暇な時間を
健康になることに費やすことにした。

湘南の冬は晴れが続くので
散歩を習慣にするには
良いタイミングなのかもな。

散歩の途中に寄り道する
寂しい印象だった神社も
また行ってみたら
リスの住処だということがわかったり
おじさんが掃き掃除をしに来ていたり
今日は子供達がわんさか来ていたし
初詣の看板まで出ていたし。

今も人々が

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連動する父と娘。

連動する父と娘。

一年で一番陽が短い日。

外は雨でどんより。
父は眠り続けるので
私もぐっすり良く眠れた。

父が寝てくれない日は
私も眠れないことが顕著に判明。

父が部屋で大人しく会議をしていても
階段を登ったり降りたりうるさくしてても
どっちにしても眠れない。

神経が高ぶってるのが伝わってくるのかな。
私の思考までぐるぐる巡り出す。

全然眠れないので
不眠症かと心配したけど
父が寝ている日は10時間は眠

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父の時空。

父の時空。

三連休は弟家族がやってきて
大賑わいだった。

様々な感情が湧いてきて
こころも頭も騒がしかったけど
最後には全部きれいさっぱり
過ぎ去っていって
また静かな日常に戻った。

ほんとうの自由って
いつも私には
高い壁の向こうのように感じてるけど
やって掴み取れないことはないと
今日ニッカリ笑えた気がした。

弟達が帰るときに
みんなどこへ行くの?と
父が聞いてきた。

箱根の家に帰るんだよ
と答え

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健やかな新年になりますように。

健やかな新年になりますように。

ケンチャンが北海道から帰ってきた。
しっかりリフレッシュしてきた様子。

会いたかった人みんなに会い
スノーボードもやって
スノートレッキングもして
温泉もたくさん入って
車でキャンプ生活もして
絵もちゃんと描いて帰ってきた。

ケンチャンが帰ってきたので
私も久しぶりにゆっくり出かけられて
友達と遊んで楽しかった。

たくさんしゃべって
しっかり疲れて
良く眠れた。

父も穏やかに笑ってる。

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