「なんとなく」の安心感の価値
昨日、2月ぶりにオフィスへ出社した。
コロナの自粛期間になる前に、自分でリモート勤務の交渉をしました。
(海外住みの知人の様子を見ているとコロナがただごとじゃないと思ったのと、インフルエンザ感染も心配だし、何より寒いのが苦手で外に出たくなかったというのが正直なところ)
久々に出社すると新入社員達の顔が。
なんと私の隣にも一人。
私の所属する企業では、新入社員達には
「自粛期間にテレビ会議で先輩社員へ業務内容をヒアリングする」
というタスクが与えられていました。
なので初めましてのような、そうでもないような。
私以ほぼ出社しないので、社内でヒアリング受けた新入社員とすれ違っても「誰この人」って思われるかなと思っていました。
でも、ヒアリング時に好印象だった新入社員3名が話しかけてくれた。
できる人はできるんだなーと感心しました。
(年数重ねてますが嬉しくて恥ずかしかった。爆)
その中で一番好印象だった鈴木さん(仮名)が私の隣に、私と同じ島に「うーん」という印象の川本さん(仮名)がいたのでランチに誘いました。
挨拶が出来て、レスが早く、即座にお礼が言える、そして都度質問がある、鈴木さん。
方や、挨拶・お礼がない(なんて思ってしまうのは歳のせいかな)そして「質問ある?」と聞いても「ないですかねぇ~」の川本さん。
仕事の出来を見ようと思いたいけど、最近は改めて昭和と言いますか、人間性を求めるこんな価値観なので考えてしまいました。
前置きが長くなりましたが、最近の就職トレンドが気になる私。
採用・研修を前職でやっていたのもありますが、私も今の会社に戻って数か月、若い世代は何を思って入社を決めたのか気になったのです。
①人気の業界は?
ランチを食べ始めながら、最初に私がした質問。
IT、PR、ベンチャーあたりかなと思いきや
「ANA、JAL、マリン、その他大手保険会社、メガバンク、商社ですかね」とのこと。
これには私びっくり仰天でした。
気を悪くされる方がいたら申し訳ないのですが、銀行業務(窓口対応等)は人間じゃなくてもまかなえる部分が大きいと思っていて、縮小傾向に向かう業界なのではと考えている。
保険会社も人の不安を資本にした(すいません)予想範囲内のハプニングを補うビジネスと思っていて、変化の多い時代にはどうだろうと勝手に考えていた。想定外のコロナを経験して、新商品が設計されるのかは気になるところ。
そして航空会社への憧れは私の母親世代から今も続くのかという驚き。
商社は海外出張も海外赴任もあるし、憧れるよねという気持ちは分からなくもない。私もそのクチだったから。
でも何より驚いたのは、私が就活していた十数年前となんら価値観が変わらないという点。
もっとITやベンチャー、そしてグローバル展開している企業の名前が挙がると思っていた。
②なんで人気なの、受けたの?
私の中で印象が相反する二人がずばり口を揃えて
「なんとなく」
と答えたので、ほほぅ~とみそ汁を吸いながら思いました。
なんとなくのブランドイメージ、なんとなくの安定感って強いんだな。
そして、なんとなくの安心感があると、疑うことをしない(とは言い切れないけど)んだなと思いました。
これから就職する組はもっと、この「なんとなく感」を強めて就活するんじゃないかなと考えています。
だってこの先どうなるか分からないから、最新の小さなボードで海に出るより、とりあえず古くても名の知れた大船に乗ったほうが安全そうだと思うよね。
親や親戚もこれから就活する若い世代に言うだろう、
「とりあえず大手に行きなよ、何があるか分からないから」って。
その気持ち分かる。
現に外資系企業勤務の友人でレイオフされている人もいる、個人商売を閉じた知人も、給与が下がって転職を迷うベンチャー組もいる。
そんな中、古き良き日本企業組は残業費こそ減ったものの、給料に変化はなく、慣れないテレビ会議にブーブー言いながらも、職を失う危機感はほぼなく働いている。
なんなら、いつか頭をかすめた「転職」という言葉も脳内から完全デリートされているんじゃないかななんて思う。
でも何があるか分からないなら大きな組織のコマになるのではなく、サバイバル能力磨かなきゃいけないのでは?と思いながらも、私自身フリーランスの仕事はほぼ受けず、会社員比率を増して働いている。
そして悲しいかな、2人に違和感を覚えた理由は明確。
私自身が「なんとなく」の安心感の価値を感じてしまっているから。
そしてそれで良いのかなと自分自身、疑問を持っているから。
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