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心の棘の抜き方

「話してみると、意外とすっきりするものですね」
そういいながら、ちょっとはにかんだ笑顔を見せてくれたのが印象的だったので、そのエピソードをここに記そうと思います。

これは、最近行ったコーチングでの1シーンです。その方は、少し強張った表情でZoomの画面に現れました。明らかにいつもの様子とは違います。

私は「今日はどんなお話をしましょうか」と尋ねました。すると、その方は、最近友人から投げかけられた言葉が忘れられず、ここ3週間くらい悶々としていると話し始めました。いつも頭の中に引っかかり、常にCPUの20%くらいを使っているような気がする。そして、寝る前にもその言葉を思い出してしまって、辛いと。

心に刺さる棘

詳細の内容はさておき、このような経験は誰しもあると思います。もちろん、私にもあります。

誰かから投げかけられた言葉が、棘のように心に刺さり、痛みを感じ始める。そのタイミングで、その棘をさっさと抜き、刺さった傷の治療ができればいいのですが、そうできないことも多いです。棘を抜けずに過ごし、傷が悪化し、最悪の場合、膿み始めることもあります。

こうなると、もうどうしようもなくなってきます。負のループから抜け出せなくなってくるのです。

対処のヒント

このような時、私たちはどのように対処すれば良いのでしょうか。これは、私自身、答えを探し求めている課題ですが、少し見えてきたことをここに記します。

まず、よく言われていることですが、自分の感情を素直に受け入れることが大切だと思います。痛みを感じる自分を否定せず、そのまま受け入れることで、心の傷が少しずつ癒えていくことがありますよね。

話すことで、距離をつくる

そして、出来事を第三者に話すことも有効だと考えます。ただただ話すのです。このケースのコーチングでは、その方がどんな経緯で、どんなことを言われたのか、その時どんな想いをしたか、いまはどんな想いかをたっぷり話していただきました。辛いことを思い出してもらう過程で、こちらとしては質問を投げかけるのも辛いことでしたが、その方は向き合ってくださり、丁寧にお話しされました。また、その友人とはどういう人なのか、人となりやその友人の価値観みたいなものにも触れていただきました。

こうして、たっぷり話すことで、出来事との間に、距離ができて、冷静に見ることができるようになります。出来事との間に距離が無い、ぴたーっとひっついている状態では良く見えません。距離ができるからこそ、横や後ろや上から見ることができて、解決のための糸口も見つかりやすくなるように思います。

話すことで感情が整理され、心の中の棘が少しずつ取れていきます。話すことで出来事と距離を置くことができ、新たな視点を持ち、冷静に対処できる力が生まれます。

今日はここまでとします。またお会いできたらうれしいです。


伊勢志摩鳥羽の朝焼け

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