ある馬の物語

　久しぶりに成河ちゃん主演の「ある馬の物語」。
鉄骨を組み立てたような無骨なセットに大きな透明のビニールシートがあちこちに。
オープニングは客席やいろんな所からキャストが出現する。コロナ禍に挑むような演出。
大きなビニール袋が吊り下げられてる。ワイヤーが徐々に降りてくると途中で老いさらばえた馬ホルストメールが転がり落ちる。そんなにちゃんだ。まだら模様に生まれたばかりに人間の業に翻弄され過酷な運命をたどり元の馬舎に戻って来た老馬ホルストメールの物語のはじまり。
若い馬もそんはちゃんもみんな馬だ。
トルストイって絶対おもしろくないわと思ってたら白井晃さんの演出そんはちゃんを始めとするキャストの素晴らしいダンスで夢中になれた。アフタートークで東京競馬のお馬さんをみんなで観察に行ったそうな。その後厩務員さんたちが東京の公演を観て素晴らしい馬だったって絶賛されたと白井晃さんが話されるとそんはちゃんは馬の精神性を表現したと強く言う。

そんなそんはちゃんが大好きだ。

ラストは全員が舞台に並ぶ中大きな拍手。驚いたのはその後にホルストメールの最後をそんはちゃんが語り、公爵の最後を別所哲也さんが語る。
そこでこの物語は終わりを迎えた。

素晴らしいアイデアの演出に拍手は更に大きく長く会場を揺らした。

良かった、良かった、そんはちゃんに出会えて本当に良かった。

心塞ぐことも多い今日この頃ロシアの作家の物語は考えさせられるが、明るいそんはちゃんのお喋りを聞いて気分が上がった。
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