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【学び】ちょっとしたきっかけでうちの母の日々(眉毛)が変わったらしい

数年前、姪っ子ちゃんその1が結婚した。
身内だけの式ということだったので、このワンピースにこのウイックかなーと自分が身につけるものを考えていた時、はっと思った。

「お母さん何着るの?」

電話して確認したら「この前買った黒のパンツスーツかな」とのこと。
うちの母はパンツスーツがよく似合う。でもあの人ジャケットの下は何を着るつもりなんだろう?

なんとなく心配だったので会社帰りにいつもお洋服を買っているef-deに行き、母に似合いそうなワインレッドのブラウスを見つけ頼まれてもいないのにプレゼントすることにした。

着る服が決まったら次はメイクですよね。
うちの母は、雑に日焼け止めを塗ってパウダーファンデをささっと塗り、チークを軽くつけてリップを塗る。ダメじゃないけどなんかいつもどこか足りない(失礼)

普段はともかくかわいい孫の結婚式だしきれいなおばあちゃんがいいよね、ということで資生堂に連れて行くことにした。
一度プロに託した方がいいと思ったのだ。

早速資生堂のカウンターでファンデーションやチークなど選んでもらった後、BAさんは言いにくそうに言った。

「眉毛って普段どうされてますか?」

母は祖母から「あんたはいい眉毛だからいじっちゃいけないよ」と言われたのを70代後半まで忠実に守っていたので眉毛を整えるどころか描いたこともなかった。そこでもその思い出を語り始めたので割って入り「何もしてないのでいい感じにしたいです」とお願いした。

アイブロウペンシルで母の眉毛を描いていくBAさん。親の言いつけに背いてしまったと言わんばかりに目を閉じる母。しかし描き終えて目を開けると母の顔はしゃきっとして見えた。

「めっちゃいいじゃん!」とガッツポーズし選んでもらった品々を買ってあげた。そうしないとアイブロウペンシルは要りませんとか言いそうだったからだ。

そんなこんなで結婚式も無事終わり、母の眉毛のことなんてすっかり忘れていた頃実家に帰った。
外出の準備をしている母に目を向けたら眉毛を描いているではないか!

「眉毛まだ描いてるんだ!」と言うと「描かないと家から出られないわよ!」とこれまで70年以上描かないで外に出ていたくせに当然のように言われた。眉毛を描かないと顔が決まらないんだそうだ。

ペンシルがなくなったら嫌だから2~3本まとめて買いに行っていると言うのでコスパが良いセザンヌのアイブロウパウダーを教えてあげた。確か03のオリーブを買っていたと思う。

これはなんてことない母の眉毛の話だけど、すごく心に残った出来事だった。

ずっと70年以上親の言いつけを守ってそのことになんの疑問も感じなかったのに、ちょっとしたきっかけで変わることができたのだ。

いくつになっても人は変われるって本当だね!(眉毛から得た学び)


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