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わたしの歌舞伎のはじまり

私の好きな歌舞伎役者は、中村歌昇さんと中村隼人さんです。付け加えるならば、中村蝶十郎さんと中村蝶一郎さんも大変好きです。もちろん、歌舞伎全体、播磨屋と萬屋のお家全体を応援していますが、誰って聞かれたらそのお2人です。

きっかけについてですが、前フリとして説明するにあたって、もともと原作のワンピースを読んでいて結構好きだったという過程があり、「ワンピース歌舞伎」なるものがあることをうっすら噂で聞いていて、それが「御園座」に来るらしい。「御園座」って確か前、修繕されたとかなんとかって噂を聞いたことが…あ、新しくなったの?へぇ、じゃあその新しい「御園座」であるんだね。ちょっと一回くらい観ておこうかな。でも一人でいくのは何となく勇気がいるから誰か連れて行こう。

観に行った結果、凄く楽しかったのと、もう1回観たいという気持ちもあり、一階席前方の席を1席手に入れたので2度目の観劇。やっぱり楽しい。でも私は前回観た方が好きだった。何がどう違うのか。キャスト?(詳細みる)

初見キャストD ルフィ右近さん イワ様浅野さん マルコ隼人さん シャンクス猿之助さん

2回目キャストB ルフィ猿之助さん イワ様青さん マルコ右近さん シャンクス平さん

・え、ルフィ1回目の方がよくない?右近さん?誰それ?猿之助さん?何者?もしかして猿之助の方が偉い人?なるほど、じゃあきっと好みの問題?

・イナズマ超かっこいいな…原作とはなんか違うけど、必要なポイントしっかり押さえてるな…中村隼人っていうのかこの役者さん、何者なんだ…

・マルコ、この間のマルコとなんか違うな…どういうこと?別の人…?私この間の方が好きだな…中村隼人さん(何者?)が前回で、尾上右近さん(誰?)が今回なんだな。理由はよくわからないけど、飛んでるときの感じとかなのかな

・市川猿之助(一体誰?)のシャンクスの存在感やばかった。見た目全然シャンクスじゃないけど。歌舞伎役者なのかな、たぶんそうなんだろうな。見た目がシャンクスとして成り立ってるのは平岳大さんなんだけどな…

・イワンコフの演出も1回目は浅野さんでシンプルで賑やかで好感。だけどもう一人のイワ様やばいな、何このミュージカルみたいなこの方専用の歌と踊り、凄すぎじゃない?どっちがいいとか言いきれないけど凄い。(ミュージカルそもそも見ないし劇団四季すら見ないから青さんのことなんて知るわけない

・盆ちゃんやってる人半端ないな…相当原作好きなんだろうな、え、スクアードとゾロもこの人?坂東巳之助?ほほう??

・てかなんでみんな休憩中のサンジとゾロの動画撮影してるの?確かに似てるけど何がいいの?意味不明なんですけど?(後になんとなくわかる

・可愛いチョッパーの中の人、アニメの人じゃないよね・・・?声微妙に違うもんね?子役?男の子?可愛すぎじゃない?何者?(調べてはない)

・え、この中村隼人さんって人、マルコだけじゃなくてサンジもやってたの?マジ?てかイナズマもやってたの?全部それなりに様になってるし、神がかってない?私の好きなキャラ全部やってるとか神様なんじゃ(違

ということで、とりあえず私的に諸々踏まえて中村隼人さんを調べようということになったので、色々検索したりした。まず、あの風貌の本人が歌舞伎役者であり、父親も歌舞伎役者であるということに衝撃を受けた。そもそも歌舞伎役者って何なんだ、歌舞伎ってなんなんだ、ということになった。

結果、次の月の6月に歌舞伎鑑賞教室に出演するらしいことがわかったので、チケットをとることにした。日頃から友達に会うためや食事、ライブのために都内に頻繁に出かけていた私にとって、歌舞伎を観るために日帰り新幹線で東京に行くことに全く躊躇はなかった。

同時にSNSや公式HPやブログとか、インタビュー記事とか色々あさったところ、『色々ある表現ものの中で、自分は歌舞伎が一番感動する』(言葉はそのままではなくて、演劇と言っていたのか芸術と言っていたのかはもう覚えてない)と本人の言う『歌舞伎』というものの良さについて、私も知ってみたいと思ったし、その魅力がわかるのであれば、それを観たいと思ったから、とりあえず中村隼人さんがかかわるものを全部観てみようとなった。

結果として、歌舞伎鑑賞教室「連獅子」、シネマ歌舞伎「東海道中膝栗毛」、「新作歌舞伎NARUTO」のチケットを早々にとることになった。NARUTOを大好きな友人がいたことを思い出して連絡してみたら、ナルト歌舞伎を好きかどうかわからないけど、とりあえず初日と千穐楽は絶対いくし、複数回観る、もうチケはナルト系FCや団体購入で席は当日までわからないけど、押さえてあるといわれ、そんなにチケット取れないものなのかと少し焦った。幸い、ぴあのプレミアム会員(年間20回くらいはチケットをとる)であったこともあって、前方席が軽々と5日間くらいとれた。NARUTOについては、原作は序盤でストップしていたので、公開までに読んでしまわなければと、7日間で76巻読み終わった。(大体1日のうち深夜に10冊~15冊のペース)

どういう経緯で知ったかわからないけど、連獅子の観たい日のチケットは、オケピの存在を知ってそこで譲ってもらった。国立劇場公式は売り切れてたのかな。ぴあとか調べた後の話、たぶん。何でも情報は無限大に調べてから人に聞くタイプ。(面倒じゃなければ)

どきどきしながら外人だらけの人をかきわけて国立劇場へ行った。なんで行列してるのかよくわからなかったけど、皆さん団体だったから受付窓口が違うのを確認してから(横入りはダメ)、会場に入った(その日が外国人のための~の日だったけど、どうしてもその日に観たかった)

チケットを譲ってくれる人から定価でいただくと、最前列ど真ん中だった。なかなか連絡がスムーズにとれなくて、いい加減にしてくれって思ってたけど、今思えば感謝しかない。

坂東巳之助さん(まだこれ見てるときには、盆暮れ―の人だとは思ってないと思う?もう忘れた)が色々解説してくれたあと、幕間という休憩のあとに、連獅子本編がはじまった。

狂言師という2人がでてきて色々と踊っている…ストーリーはなるほど、この有名なあの話はここからきていたのかと思う。舞踊…?劇…?セリフはないんだな。キレがよくてなんだか観てて心地がよい。何より音がいい。でも正直あんまり記憶はない。悔しいんだけど最初の方ってそんなものなんだよなぁきっと。

このとき、私は「中村隼人さん」はいつ出てくるんだろうしか恐らく考えてなかった。僧のお役…いったいどんななんだ、そもそも「連獅子」てなんだってところですからね。巳之助さんの話は聞いてたけど、でもすぐわかるかって言われてもね…わかんないですよね、正直!今思うとそうですね。

隼人さんの僧(浄土の僧遍念)よかった。けど、当たり前だけど、派手でもないし、衣装も地味だし、なんだか狂言みたいだし。立ち回りばっかりしてたど派手なワンピースとは全然違うけど、これが歌舞伎なんだな、踊りもあるし、面白いお役だなって思ってた。福之助さんなんて、結構顔だちもしっかりしてるし、堂々としてるから、それなりの年齢の人なのかなと思っていた。とりあえず、古典といわれるものがこういう歌舞伎なんだなということを、連獅子の冒頭から徐々にわかってきて、日本舞踊がベースにあることもなんとなくわかったし、歌舞伎の中にもたぶん色んなジャンルがあるんだってことをなんとなく理解した。ていうか、浄土の僧遍念とか法華の僧蓮念とか未だに覚えられないんだけど、皆さん覚えてるものなんですかね…セリフ思い出さないと無理だわ~

そしてだ、狂言師の2人が獅子の姿になって出てきた。白獅子と赤獅子、うわあああああこれが初めて見る毛振りするとかいうやつ!!!!ってなったと同時に出てきた赤い獅子が一瞬で幕の中に引っ込んでいった。足の運び方…やば…あ、また出てきた…目の前で…衝撃過ぎたなぁ。さっきまでのキリっとした顔で舞踊してた人と…同じ人なのか…毛振り…毛振りだけじゃなくって…安定感は白い獅子の方が圧倒的なんだけど、赤い獅子から出てくる並々ならぬ気合が心に突き刺さってきて、涙が出るかと思った。だから、白い親獅子の方も観たいと思っても自然と赤い仔獅子に目がいってしまう。

歌舞伎ってすごい…また観たい…とりあえず、この連獅子もう一度観たい…この獅子やってる2人の人凄いし、特に仔獅子のパワーと熱量…足捌き…いや言葉にできないんだけど凄く好きだ…何て人なんだろう…中村隼人さんも良かったけど、私は運命の人に出会ってしまったかもしれない…

帰宅後、別日の連獅子のチケットをなんとか手配して(現地で購入できることを知らなかった)、後援会に入ることを決めたのでした(即決)

後に一生続けられると思えた趣味と一生の推しと思える人とそこへ導いてくれた素晴らしい人との最高な出逢いでした。後援会に入るにあたって、歌舞伎の後援会というものが何なのか、普通の役者たちのファンクラブと何が一体どう違うのか、歌舞伎にファンクラブがあるのか、調べた。でも私はファンクラブに入りたいわけではない。応援してこれからも観ていきたいのだ、と思った。一生続くかどうかはわからないけど、それくらいの気持ちだった。贔屓は一人よ、そう簡単に決めるものじゃないわなんて言う人もいるらしいけど、そんなこと知るかってんだ、私は隼人さんも歌昇さんも真剣に応援すると決めた。というかせずにはいられない。

後援会入会届出したあとか、入会届受け取る前かわすれたけど、7月松竹座で番頭さんにどきどきしながら声をかけて歌昇さんへの手紙を渡したのでした。そしたら、番頭さん、私のことをすぐわかってくださって、笑顔が素敵で、本当に癒しだった。私の松竹座の最初は、良い記憶しかない。ちなみに席がどこだったかは、全く覚えていません。(調べたけど、11列とか16列だった、よく満足してたなわたし)

チケットを番頭さんにお願いできるというこをと学んだのは、8月半ばを過ぎてからのお話。(NARUTO歌舞伎のチケットを追加しまくった)

ちなみに7月歌舞伎座の源氏物語は観たけど全く好みじゃなく、海老蔵さんが世の中では有名だけれども、彼の歌舞伎は私の中では違うかもしれないという疑問が生まれた最初でした。

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