「0歳で保育園」に罪悪感を持っていた

【更新日:2021/03/01】

「0歳なのに保育園に預けて、子どもに申し訳ない」

「0歳で保育園に預けることに罪悪感がある」


来月から新年度が始まり、新たに0歳児を保育園に預ける保護者もたくさんいると思います。そして、子どもに対して申し訳なさや罪悪感を抱いている保護者も――。

私は1年前、息子を4カ月で預けることに決めました。息子は12月生まれ。認可保育園の申込みは11月なので、実際に決めたのは生まれる前でした。

本当は8カ月位など、0歳児の途中入園を考えていたのですが、初めて見学に行った保育園の園長先生に「0歳児途中入園は、まず無理です。1歳時入園もかなり厳しいです」とバッサリ言われて、0歳で入れることを決めました。

「寝返りする前から保育園なんて……」など、やはり0歳児クラスに入れることに対しては、複雑な想いがありまくりでした。

夫とも話し合い、メリットに目を向けるようにしていましたが、やはり割り切れなさもありつつ、4月1日、入園式を迎えました。あぁ、懐かしい。

さて前置きが長くなりましたが、こんな経緯で、息子は0歳児クラスに通い始め、1年が経とうとしています。

0歳から息子を預けてみた結果、全然悪くない、というよりむしろ「200%くらい良かった!!!」と思っている今日この頃です(笑)。

200%良かったと思えた理由を伝えることで、1人でも多くの保護者が、ポジティブに0歳児クラスに子どもを預けられたらいいなと思い、この1年で感じたことを書き綴っておこうと思います。

【前提情報】
・息子:2019年12月生まれ
・保育園入園時の月齢:生後3カ月と二十数日
・都内在住(23区外)
・緊急事態宣言のため実際には、4月は3日間だけ入園式+慣らし保育1時間→休園
 →7月慣らし保育再開→8月職場復帰というスケジュール

理由1:家庭では経験させにくいことを、たくさん経験させられる

何を最初に書こうかと迷いましたが、何よりもやはり、家庭保育ではできない経験をたくさんさせてもらえることが一番かなと思います。以下に4つの理由が続きますが、それらもこの一言に集約されるかもしれません。

本格的に保育園通いが始まった頃の息子は、まだずり這いを始めたばかりで、なんとな〜く1人で座れるようになったかな?くらいでした。

でもその時期から毎日、水遊びや園庭遊びをさせてもらっています。

さすがにずり這い期は、ウッドデッキに出て遊ぶくらいだったと思いますが、毎日のように、泥付きの洋服や靴下が返ってきていました。ハイハイ&つたい歩きができる今は、靴下とズボンが超泥だらけです。

最初、私は乳児クラスだけが園庭に出る時間があるのかと思っていましたが、どうやらそんな時間はなく、0歳児から5歳児までが、一斉に園庭で遊んでいるみたいです。園庭が広く、先生たちがしっかり見守ってくれているから不安はありませんが、それを知った時にはちょっと驚きました(笑)。

こんな経験は、普通の公園ではなかなかできないように思います。ましてや、ずり這いで公園を這われたら……他の子どもさんや保護者の迷惑になるような気がします(このあたりの実情は、コロナの影響であまり公園に行かせる機会がなく、全く詳しくないので、あくまでも推測です)。

また当たり前に聞こえるかもしれませんが、1日中見守ってくれます。子ども目線でいうと、自分の伝えたいことや要求に、すぐ応えてくれる大人がいるということ。

すぐに応えてくれる大人がいることで、気持ち的にも満たされます。何かができたことを「できたよ!」と伝えて、すぐに応えてくれる大人がいると「嬉しい!」「もっとやってみよう!」と、自己肯定感や意欲が高まります。

家で1日子どものことを見ていたら、寝ている以外の時間には全く家事ができません。そして、いろんな意味で疲れていきます。それが段々溜まれば、イライラも募ります。たぶん、このあたりが原因だと思いますが、プチ・ノイローゼになったという話も聞きます。

このことを痛感するようになったのは、手先が器用になって、いろんなおもちゃで遊べるようになった頃。生後10カ月くらいですかね。その頃になると自分のやりたいことが明確になってくるので、やりたいことができなかった時、怒ります。そして「そばにいなきゃイヤだ!」と、ちょっと離れるだけで大泣きします。後追いの始まる時期なので。

1日見守り、子どもに応えてくれるので、子どもの心は満たされているように思います。

また時計ではなく、子どもの時間に合わせて生活してくれます。これは家ではなかなか難しい。家事やら、買い物やら大人の事情でスケジュールを組み立てざるを得ないことがありますから。

あとは、家よりもたくさんの絵本がありますし、おもちゃも月齢に合わせて考え抜かれたものがたくさん用意されています。それに先生たちは、保育のプロ。家ではマンネリになってしまいそうな遊びも、月齢に合わせて色々促してくれているように思います。

総括すると、保育園でやってもらえていることを家でやろうとすると、かなり難しいよ、ということと、それだけの経験をさせてもらえるよ、ということです。

理由2:気づけば、できるようになっていることがたくさんある

理由1にも被ってきますが、それだけ家ではさせられない経験をさせてもらっているので、「こんなこともできるようになってたんだ!」と思うことが多々あります。

例えば、家のテレビから音楽が流れてきたら、息子が突然、自分の手と手とつないで左右にブンブン揺らし始めたことがありました。「なにしているんだろう?」と思い、保育園の連絡ノートに書いておいたら、保育園の先生から「たぶん、みんなが大好きな絵本に『なべなべ底ぬけ』が出てくるので、その手遊びだと思います」との答えが返ってきました。

「手遊びできるようになったのか!」「先生やお友だちの真似ができるのか!」「テレビから流れてくる音が、音楽だと分かるんだ!」「『なべなべ底ぬけ』は歌に合わせてやることを分かっているんだ!」と色々な驚きがあり、成長を感じました。

それで絵本に出てくる他のわらべうたを教えてもらい、家で歌ってみると、歌に合わせて手遊びをするんです。

特にかわいかったのは『げんこつ山のたぬきさん』。「♪〜抱っこして、おんぶして〜」というフレーズがありますが、おんぶの真似をするのです。本人は一度もおんぶされたことがないのに(笑)。

「バイバイ」と手を振るのも、確かお友だちのを見て、するようになったと思います。

「”初めてのできた”を自分が最初に見たい」という気持ちがあって、0歳で保育園に入れることを躊躇する人もいるかもしれません。私も同じことを考えていました。

でも今思うのは、たとえ2回目、3回目の”できた”でも、十分にかわいいし、すごい!できたね!と思うし、嬉しいものです。最初を保育園の先生たちが見ていたとしても、そこには何も感じません(笑)。

理由3:0歳から社会性が身につく

預かってもらうようになって2カ月後、つまり生後9カ月頃から、帰り際、先生に「バイバイ」と手を振るようになりました。生後10カ月頃には「さようなら」と言われると、ペコッとおじきをするようになりました。先生から「バイバイ」と言われると、おじぎではなく、手を振ります。バイバイとおじぎを使い分けているのです。

最近では、1歳児クラスの先生や、1〜2歳のお兄さんお姉さん、玄関で会う幼児クラスの保護者まで、園内ですれ違う人ほぼ全員に「バイバ〜イ」と言って手を振っています。

社会性と言ってしまうと大げさな感じもします(し、そもそもの定義がやや曖昧な言葉です)が、社会生活の上で大切な挨拶を、0歳にして実行していることに驚くとともに、頼もしさを感じています。

先日、初めての懇談会(コロナの影響で前期のが中止だったので)に参加しました。その時先生が、園での子どもたちの様子を話してくれました。

息子は、4月生まれのお友だちが使っていた電車に興味を持ち、触ろうとしたそうです。ところが「触らないで!」と言われ――「遊びたいけど、触らないでと言われちゃったしなぁ〜……」と、恐る恐る手を伸ばしたり引っ込めたりしていたそうです。しばらくすると、そのお友だちが一歩引いて「いいよ」と言ってくれ、晴れて電車で遊ぶことができました。

正直、0歳児でこんな関わりがあるとは思ってもみませんでした。お互いに自分の思いだけを押し通すのではなく、泣いて訴えるのでもなく、相手のことも考えて、自分の気持ちを整理して行動できる。

もちろん家庭での父母との関わりも大事ですが、0歳からこういう経験をしながら成長していくのもありなのではないかと思います。

理由4:同世代との関わりが持てる

ほぼ、理由2・3のまとめみたいな感じです。お友だちの真似をしながら、自分のできることが増えていきます。お友だちがやっていることで「自分もやってみよう!」と意欲につながります。お友だちとの関わりの中で、自分の思いばかりを通すのではなく、相手のことを考える気持ちが育まれていきます。

毎日会っているので、その分仲間意識も芽生えて、絆も強くなっていると思います。そんなお友だちから、日々刺激を受けられる環境は、大人との家庭生活とはまた違う、多くのことを本人に与えていると思います。

理由5:異年齢からの刺激

同世代だけでなく、異年齢のお兄さんお姉さんからの刺激もあります。息子は、お兄さんお姉さんの挙動に興味津々。たくさんのお兄さんお姉さんの様子をいつも間近で見られる機会もまた、そう多くはありません。息子も、今は気付いていないと思いますが、そうやって見ているお兄さんお姉さんからも多くの刺激を受け取っていると思います。

また、お兄さんお姉さんの遊びを明らかに邪魔していても、「0歳児クラスの赤ちゃん」ということで、あちこちで可愛がってもらっているみたいですが、そのように自然と受け入れてもらっている経験が、いずれ小さい子を可愛がる気持ちにつながっていったらと思います。

まとめ

0歳児から保育園に預けて良かったなと思った理由を、長々と書いてきましたが、これを読んで、0歳児で預けることに引け目・負い目を感じている保護者の気持ちがちょっとでも軽くなれば良いなと思います。

最後の最後に、1年間、仕事と子育てを両立してみて感じことを少し。

0歳児の子どもを保育園に預けることには肯定的ですが、預ける時間が長くなってしまう点は、今の日本の働く人を取り巻く環境の大きな課題だと思います。

緊急事態宣言中で今はほぼ在宅勤務なので、私の場合は、大体8時間程預かってもらっています(今改めて時間を確認して「8時間か!やはり長いな〜」と思いました)。

通勤が始まるともっと長くなりますし、0歳でも10時間くらい預かってもらわないといけない保護者もいます。預かってもらう時間が長ければ長いほど、子どもは体力を消耗して体調を崩しやすくなります。

何か提言を出せるわけではありませんが、子どもにとってそこまで負担にならずに(個人的には、子どもの生活リズムを考えると、6〜7時間くらいにしたいな〜と思っています)、保護者もやりがいを感じながら仕事を続けられるような形になればいいなと思います。

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