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シュトレンコンクール、素材は繋がりか、引き算でお願いします!

昨日開催の、第3回シュトレンコンクールの審査員をさせていただきました。
今回のテーマは、「和素材を使った日本発のシュトレン」ということでしたが、日本の素材と従来のシュトレンをイメージして構成させるのは、なかなかハードルが高いということを認識しました。西洋菓子に使わない和素材は、周囲にたくさんあるため、そしてオリジナル性を出すため、地元の素材を駆使していましたが、皆さん、あれもこれも詰めすぎて、結果、何を打ち出したいのかがわかりにくい作品が多かったです。もう一つの問題点は、素材を詰めすぎるため、生地の部分が少ないのか、生地のつながりが弱いのか、カットすると崩れてしまうこと。シュトレンの原点に立ち戻ると、アドヴェントということで、11月末からクリスマスにかけて一切れ一切れ薄くカットして食べるというものですから、きれいに切れないと商品として成り立たないことに(今回はプロ対象でしたから、価格も含め商品化しやすいかも評価の対象)。

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また、今回はパッケージ賞も設け、こちらは、伊勢丹の長年バイヤーとして活躍されている裏谷恵子さんが審査員。パッケージは、保存性、表示性、イメージを示すのに大切。ポイントは以下ということです。
1、 エコ、サスティナビリティ―を考える。
2、 和の感性をどう取り入れるか。
3、 作業性、汎用性を考える。
4、 マーケット、価格のバランスも考える。

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(1位の小嶋シェフ)

ということで、パッケージ賞は、富山県高岡市のブーランジュリー「グラン オム」のオーナーシェフ、小嶋信一郎さんの「和のシュトーレン」の和風のクリスマスで包んだものに。そして、同時にシュトレンそのものも1位受賞ということで、ダブル受賞となりました!
小嶋シェフのシュトレンの使用素材は、強力粉、石臼挽き粉、牛乳、砂糖、卵、パン酵母、バター、乾燥よもぎ、小豆、干し柿、マロングラッセ、和三盆、粉糖、日本酒、桜リキュールとかなり多かったのですが、それらがバランスよくマッチ。最終的にそれぞれの味がつながり、美味しいと感じられるシュトレンでした。 

(こちらが、パッケージ、作品とも1位)

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(2位の山城さんと)


2位は、10月の行われたりんごスイーツコンクールでも優勝者を出した八王子の「メゾン・ドゥース」の山城孝旭さん。和素材としては、和三盆、黒糖だけで勝負。両方の砂糖の使い方を工夫したこちらも誰が食べても美味しいと感じる、安定感のある味で審査員の間で高評価。3位にあたる特別賞は、残念ながら今回は該当がありませんでした。

(下の写真は、主催者パティスの三輪さんと鈴木先生と)

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(出品作品色々)

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