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古典菓子を蘇らせる方法

当教室の先週末のベーシッククラスでは、Mascotteマスコットというお菓子を作ってみた。最近ほとんど見かけない。なぜ作られなくなったのだろうか。そういうお菓子が、世の中にはいくつかある。

あらゆる食の質問に答えてくれるフランスの辞典”Larousse gastronomiqueラルース・ガストロノミック”によると、マスコットというお菓子は、「Gâteau composé d’une génoise imbibe de kirsch ou de rhum, fourée de crème au beurre praliné(ou parfumée au café), puis masqué de cette crème et recouverte de pralin ou d’amande effilées, caramelisées ou grillés」

つまり、生地はジェノワーズで、キルッシュかラムでアンビベされ プラリネかカフェのバタークリームを乗せ、キャラメリゼするかグリルしたアーモンドスライスまたは、プラランをまぶす、そういったお菓子である。様するにバタークリームのお菓子。なので、ちょっと重いので敬遠されるようになった?でも、バターケーキも美味しいのにね!軽く作る方法は、今ならけっこうある。

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しかし今回私は、グリルしたアーモンドをミルサーでピュレにして生クリームに合わせてみました。すると、アーモンドの油脂分が生に混ざり、バタークリームのようなコクが!そして、周囲を覆ったプラランですけど、これ、アーモンドパウダーで作りました。130℃のシロップを引いてから下ろしてパウダー投入!また火にかけて、あとは、ひたすら混ぜます。

配合は、125gの砂糖、50ccの水、60gのアーモンドパウダー。

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もう一品は、リンゴのバスク風。

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お菓子にリンゴを使用するときは、だいたいバターソテーしてキャラメリゼさせるか、砂糖入れて煮るかですよね。でも、バターソテーはできたら避けたい。冷えると固まってリンゴの周りでシャリシャリしちゃうし。砂糖もリンゴのと合わせるクリームの甘みだけで十分。なので、レンジでチンしてりんご本来の味を生かし、タヒチバニラいっぱいの、全卵使用のカスタードクリームと合わせ、バスク生地で覆って焼きました。りんごとバニラ(ポイント!)効かせたカスタードクリームの相性は永遠だと思う。

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ただし、りんごは酸味のあるものをチョイスすること。今回は、プラムリー、紅玉、ジョナゴールドとそれぞれの酸味と甘みを生かせるようにミックス。寒い日には熱々でほおばるのがいい。でも、熱いと、りんごを砂糖煮したりキャラメリゼしていないから、すっぱいよー。でも、それがいい!

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今回の2品のレシピは、パーツパーツでもかなり使えそう。りんごのバスク生地も単独で美味しいクッキーになります。

私の棚に「お気に入りヘビロテレシピファイル」と勝手に名前をつけたファイルがあるのだが、この2品は、即その仲間入りを果たしたのでした。

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