昨晩私たちは、トゥール ダルジャンの400年の歴史の中にいた。
昨晩、私たちは400年の歴史の中にいた。
トゥール・ダルジャンの前身は、1582年にRouteauという料理人が始めたレストラン。王侯貴族がこぞって訪れたという。この店で、アンリ3世は3つの刃先があるフォークを知った(当時は、2つ刃のものが主流だった)。そのレストランはルネッサンス様式の塔の中にあったという。それが現在でもトゥール・ダルジャンのロゴとなる塔の由来である。ちなみにTour d’argent
とは、銀の塔という意味。
ベル・エポックになると、支配人だったフレデリックが店を買い取り(現オーナーの祖先)、レストランは、カフェ・アングレという名前に
なり、鴨料理、それもCanard au sangをメインとするレストランとなったのである。
「あなた様が召し上がった鴨は、xxxx番目です。」というカードは、東京のトゥールダルジャンでは写真のモダンなものになっているが、フランスのものはフレデリックさんが鴨を切り分けている絵入り。ちなみに番号だが、日本店のものは、1から設定するとパリで昭和天皇がお召し上がりになった番号と同じ番号がつく方が出てしまうので、パリで天皇陛下がお召し上がりになった153211番の次の番号から始めたという。(上のカード、右上にその番号が!)
トゥール・ダルジャンの鴨料理は、なんといってもétouffé 窒息死させて中に血を閉じ込め、それを骨髄と一緒にクリストフルの銀道具で絞り出してソースとする料理。そういえば、ハプスブルク家絶世の美女と言われていたエリザベート皇女もこれを使ってお肉の血を絞ってダイエットのために飲んでいたんですよね!)
昨日いただいたのは、もう一つのスペシャリテで、マルコ・ポーロ風。これは、白、黒、緑、ピンク4種類の胡椒が効かせた料理だ。こちらもまろやかで、すばらしい味わいでした。
なぜか、パリの30年前のトゥール・ダルジャンのメニューを3冊持っているんですが(ひとつ下書き状態のものもある)それにもマルコ・ポーロの記載があります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?