vol.3 ドイツ🇩🇪 -ミュンヘン-
11時間程のフライトを終えてフィンランドに到着。
フィンランドから飛行機を乗り継いで、初めてのヨーロッパひとり旅、最初に到着したのはドイツのミュンヘン国際空港。
現地時刻は18時。
真冬なので外は真っ暗。
本当に来てしまった!
不安でドキドキしながらも、足取りはどこかフワフワしていて、夢の中にいるような。
不思議な感覚だった。
空港から電車に乗り、ミュンヘン中央駅に向かう。
今日の宿は、ミュンヘン中央駅から徒歩5分の場所にある。
駅を出てミュンヘンの街にやっと降り立った。
地図を見ながら進むも、方向感覚がわからない。
目印になるような場所も見つけられない。
初めて見る景色。聞き慣れないドイツ語。
人に聞くのも怖い…。途方に暮れていた。
そんな時、急に誰かに声を掛けられた。
「あの…、日本の方ですか?」
ビックリして前を見ると、優しそうな日本人のおじさんが目の前に立っている。
彼はドイツで日本人観光客のガイドをしているらしい。
「道に迷ったんですか?なんだか困っているような気がしたので…。」
旅の体験記などで、声を掛けてくる人について行ったらお金をとられたなどの
被害にあった記事をよく目にしていたので、気を付けようと、人にはついていかないように心に留めていた。
おじさんのことも信じきれずにいたけれど、今の私にはこの人しかいない!!
宿の場所を尋ねたが、わからなかったようで観光案内所に連れて行ってくれた。
半信半疑だったけれど、案内所につくと「気を付けてね。よい旅を!」と言い残して
おじさんは去っていった。
あぁ…ただ助けてくれたんだ。少しでもおじさんを疑ってしまった自分が恥ずかしくて、おじさんに申し訳なくて、
その後、心の中で「ごめんなさい。」と「ありがとう。」を何度も繰り返した。
知らない人を助けられるって本当に素敵!!
自分もこんな風に思いやりの気持ちを大切にしようと、強く思った。
観光案内所で道を聞いて、なんとか宿に到着。
どうやら駅の出口を間違えてしまっていたみたい。
今日の宿はホステル。知らない人と相部屋。
どんな人と同じ部屋だろう?とドキドキしながら部屋を開けると、まだ誰もいなかった。
一人になった瞬間、緊張の線がプツンと切れて泣き出してしまった。
不安な気持ちが溢れてしまった。
しばらく泣くとスッキリした。
シャワーでも浴びよう。
シャワーを浴びて、部屋に戻ると韓国人の女の子がいた。
ドキドキしながらも挨拶し、会話を交わす。
気づいたら3時間くらい話していた。
彼女のおかげで緊張がほぐれて、やっと眠りにつく。
たくさんの人に助けてもらったことを思い返して、感謝の気持ちで胸がいっぱいに。
明日からもどうなるかわからないけれど、
なんとかなりそうな気がする。
少しずつわくわくしてきた。
明日も知らない世界を見に行くんだ。
ミュンヘンからフュッセンの街へ
昨日到着した時はもう暗くて、その暗さが余計に不安な気持ちを掻き立てたけれど
朝の匂いとあたたかな陽射し、澄んだ空気。
なんだか全てのことが新鮮で、自分の感覚を刺激して特別に思える。
朝の空気は、夜の静寂に包まれたおかげで
生まれたての澄んだ空気になっている。
陽射しは、夜の深さに沈んでいった心と体を照らし、真新しい気持ちにさせてくれる。
いつもと同じはずなのに、そんな風に感じて
目にするもの、感じること、全てにわくわくする。
今日はドイツに来ようと思ったきっかけの場所。
ノイシュヴァンシュタイン城とヴィース教会を訪れる。
ミュンヘン中央駅から電車でフュッセンという街に向かう。
昨日は着いたのが遅くてお店は閉まっていたけれど、昼間は人で賑わう明るいミュンヘン中央駅。
量り売りのお菓子屋さん。
ドイツでは当たり前なんだろうけど
こんなかわいいお店、日本にない!と
心の中で大興奮だった!
パンすらかわいく感じる!
マンホールですらかわいい!!笑
ミュンヘンから電車に乗って2時間ほどで、フュッセン駅に到着。
ここからバスに乗ってノイシュヴァンシュタイン城とヴィース教会に向かいます。
しかし、フュッセンに到着したのはすでに12時。
当初の予定では、ノイシュヴァンシュタイン城を見学してから、ヴィース教会に向かうはずだった。
しかし、バスの運転手さんによると
ヴィース教会まで行くバスはあるけど、ヴィース教会からの帰りのバスが15時で、
その後のバスは夕方以降しか走らないし、教会も閉まって周りにお店もないから
どちらかを選んで行った方がいいよとのこと。
がーーーーん!!!!
せっかくドイツまできたのに…。
もっと早く来るべきだった!!
宿を出たのは早かったのだけれど、いろんなものが気になって寄り道をしすぎてしまった…。
結局、どうしても行きたかったヴィース教会に向かうことに。
ノイシュヴァンシュタイン城は外観だけでも楽しもう。
フュッセンからバスに揺られること1時間。
観光客はどうやら私だけみたいで、地元の人々が次々に乗り降りして、この土地の人々の生活を、リアルに感じることができる。
途中で小学生が10人くらい乗ってきた。
教科書を開けて、本読みの練習をしたり、
じゃんけんみたいな?ゲームをしたり
日本と変わらないんだなぁと、なんだか嬉しくなった。
ヴィース教会の前の停留所に到着。
私と、バスの中で頑張って本読みの練習をしていた小学生の女の子が降りる。
女の子はチラチラこっちを気にしている。
離れ際に、はにかみ笑顔で手を振ってくれた。
手を振りかえすと、恥ずかしそうに微笑んで去っていた。
かわいいー!!あぁ!きゅんとした!!
ご機嫌でヴィース教会へ。
外観はなんてことのない建物。これが世界遺産なんて、教えてもらわないと絶対にわからない。
ドキドキしながら重いドアを開ける。
一歩中に入ると…。
こんなに美しいものが、この世にあるなんて。
心からいろんな思いが溢れて、感動しすぎて
自然と涙が流れた。
ロココ建築の最高傑作。
天井画は「天から降ってきた宝石」と讃えられているそうな。
こんなものが人間の手から生まれたなんて信じられない。
生きている中で、こんなに美しいものを自分の目で見られて、教会の中の凛とした空気を感じることができて、本当に幸せだと思った。
1時間くらい、じっくりと眺めていた。
途中で何度か他の方も訪れていたが、教会の中に一人でいる時間が多く
たっぷりとその美しさを堪能することができた。
そして、旅の無事と
日本にいる大切な人々の幸せを祈って
教会を後にしました。
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