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異次元世界のマレーシア ~トイレがびしょびしょ~

 マレーシアでトイレに行くと床がびしょびしょになっていることがあります。シャワーでも浴びたのかというほどの濡れ具合で、いったい彼らは何をしているのでしょうか。

 マレーシアに住んでいる方はご存知だと思いますが、マレーシアのほとんどのトイレにはトイレットペーパーがついてません。彼らは用を足すと水で洗浄するためです。

 このため、どの個室も便器の隣に長いホースがついていたり、桶に水が張ってあったり、あまりありませんが、便器に管がついていてそこから水が出る仕掛けになっているものもあります。つまり、水で洗うのです。

 確かにこの水で洗浄すると床は濡れそうです。しかし、個室の外までは濡れないでしょう。いつか会社のトイレに入ったときには個室の中のドアまで水しぶきが飛んでいて「どういうことなのだろう」と不思議に思ったものでした。

 これは男性に限ったことですが、彼らの多くはまずズボンと下着をそのまま脱いでしまうようです。そのあとに用を足して満遍なく水を使うようです。ピンポイントで水を充てて使えばよさそうなものですが、どうもそこから彼らはそのホースの水で手も洗っているらしい。

 男性トイレの出入り口では手を洗わずに出ていってしまう人をよく見かけます。「汚いなあ」と思っていたのですが、ある調査で彼らの多くが個室のなかで手を洗っていることを知りました。

 ホースは水の出を調整しないと勢いよく出ます。洗浄するときは勢いよく水を吹きかけるのですが、右手でホースを通常もって左手で拭くため、その後に手を洗おうと思うと調整ができない。そのため、その水の勢いのまま手を洗っているようなのです。

 これがトイレの床がびしょびしょになっている理由と思われます。あまりの勢いで手を洗うため、その水しぶきがドアにかかってしまうのも無理はないでしょう。個室の外にまで出てしまうのも仕方がありません。

 また、イスラム教徒の場合は礼拝の前に手や足、顔などを水で清めます。「ウドゥ(Wudu)」と呼ばれるのですが、清めるために個室がびっしょりと濡れてしまうことも考えられます。ただ、トイレのホースは細菌が相当ついていると思われるので、通常は回避しそうなものですが。。。

 ちなみに、トイレの便器ですが、こちらは日本でいう和式が主流です。洋式も通常各トイレに一つづつあるのですが、この洋式便器の使い方がわからない人がいる。

 個室に入ると注意書きのイラストが掲示されていることがあります。つまり、洋式便器の縁に足を乗っけてスクワッドの体勢になって用を足すのです。これはある意味で曲芸のような気もするのですが、けっこう危ない。少しでも滑ると便器の縁に股間をぶつけるということにもなりかねません。

 洋式便器の上でスクワッドの体勢にどうしてなるのかわかりませんが、アジアでのトイレは通常和式便器で、洋式便器は和式便器が上に伸びただけの感覚なのかもしれません。

    実は洋式便器の上に足を乗っけてしゃがむと便器が割れることがあるそうです。全体重が便器にかかるため、それに耐えきれなくなることもあるとか。

    そりゃ、毎日60~80キロぐらいの全体重を何十回も便器に乗せていけば、割れることもあるでしょう。そのため、これは危ないため、洋式便器の個室にはイラストを掲示して便器の上にしゃがむことを禁止しているのです。

 さらに、話が逸れますが、この洋式便器の上にしゃがんではならないとの警告を忠実に守り、且つ使い方がわからなかったためか、汚物が床に置かれていることを見たことがあります。相当緊急だったのでしょうが、こういった「悲劇」もときおりみられるのがアジアと言っていいでしょう。

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