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マレーシアではよく木が倒れます

 クアラルンプール市の中心部で5月7日午後、道路脇にあった大木が大雨で突然倒れる事故がありました。これに伴い、近くを走っていた車17台が巻き込まれ、うち1台は直撃して運転手が即死しました。

 事故があったのはツインタワー近くのジャラン・スルタン・イスマイル。10メートル以上はあるかとみられる大木が道路上に倒れ込み、その道路に沿って敷設されているモノレールの線路にまで影響を及ぼしました。

 消防救助隊がすぐに駆けつけたものの、46歳の男性が死亡し、数人がけがをしたもようです。X(旧ツイッター)でも大木が倒れる映像が流れましたが、当時は相当の暴風と大雨が首都一帯を襲っていたようです。(映像は下記の記事内にあります)

 マレーシアでは木が倒れることは珍しくありません。特に暴風雨になるとよく倒れ、路上駐車している車に直撃することがよくあります。市民防衛隊(APM)によると、2021年の全国の倒木件数は3081件、2022年は3358件。2023年は2月までに499件も発生しているのです。倒木によって下敷きになって死亡する人も多く、専門家は、特に都市部での大木は危険だと警告をこれまでに何度も発しているのです。

 専門家によると、都市部の道路沿いに大木が植えられていますが、根が十分に伸びることができずに不安定になることも多いのだとか。森林や都市郊外では根が十分に発達し、不安定化して倒れるケースはないとも語っています。
 
 こういった倒れる木は1950年代に植えられた樹木が多く、メンテナンスも適切に行われていないために倒れるケースが目立ち、地方自治体には何らかの対応が必要と促しているのだそうです。そういった矢先にこの事故は発生しました。

 となると、しっかりとメンテナンスしていれば、この事態はある程度は予測できたのでしょう。事故のあった周辺は高いビルも多く、一旦暴風雨が来るとビルの谷間であるため、相当強い風になっていた可能性もあります。ビルに直撃する可能性もあり、大木のリスク評価や管理はしっかりとしてほしいのです。

 マレーシアの街はどこも緑豊かで自然の中にいるような街が多いのが特徴。街中に木が多いのはいいことですが、10メートル以上もある木は道路脇はさすがに危ないのではないでしょうか。中には30メートルを越える大木もクアラルンプール市内にはあるとか。こういった事故を避けるためには何かしらの対応は必要でしょう。

 車の走行中にこういう事態に巻き込まれてしまっては防ぎようがありませんが、雨が降っているときに路上駐車をしないといけない場合、僕は木の近くには停めないことにしています。また、電柱の近くも危ない。場合によっては電柱が電線もろとも倒れてくることもあるので、何かしら高い物体の近くには停めないほうが無難なのです。

 さて、車に木が直撃した場合、地方自治体は補償をするようですが、補償までは相当な時間がかかるでしょう。1年はみておいたほうがいいので、いずれにしても大木は危険という認識をもって近寄らないことが肝要です。

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