18歳の少年 運転免許試験官に賄賂で逮捕される
6月26日付けの地元紙によると、汚職取締庁(MACC)は18歳の少年を運転免許試験官に賄賂を渡そうとした容疑で逮捕しました。
この少年はペラ州クアラ・カンサーの運転免許試験場でD級クラス(マニュアル車向け免許)の試験で合格させてもらうため、道路交通局の試験官に50リンギ(約1700円)を渡そうとしたもの。
断った試験官はこのあとにMACCに通報し、少年はMACC事務所に連行されてその場で逮捕されたとのことです。
このニュースでふと思い出したのが僕の女性の友人。5年以上前の話です。
彼女はおっとりとしたいい性格であるのですが、運転免許の実地で5回も不合格。何が悪くて落ちたのかわからないのですが、とにかく何か月も運転免許試験場に行って練習して試験を受けても落ちて続けていたのです。
かなりイライラもしたのでしょう。何度目かのときに試験官にかなりの額のお金を渡して合格させてもらおうとしたのです。そしたら、
「それは受け取れない」
と答え、試験官は続けて、
「賄賂をもらって合格させるほどのレベルではなく、運転は非常に危険だからもらうのは難しい」
と断られたというのです。
これには笑ってしまいました。
ここ数年、マレーシアでは汚職取り締まりを強化しています。交通違反をした人が警察官にお金を渡そうとして逮捕されたりするケースなど枚挙に暇がありません。特に首相だったナジブ氏が国庫を私物化して横領していたことを機にMACCの取り締まりが強まったのです。
MACCは企業の背任なども追及しますが、公務員への追及はかなり力をいれています。高級ゴルフ場の入口で張っていることも多く、どこの省庁の幹部が企業の誰々と一緒によくゴルフをしているなど情報をよく掴んでいます。警察官で高級車に乗っている人はすぐに目をつけられ、銀行口座などを調べられて、説明ができないと逮捕されて、即座に起訴されるケースも多いのです。
最近は、公務員のほうがしっかりとしてきて、賄賂を渡そうとする人が出てきたとき、まずは警告を発します。それでもお金を渡そうとしようとするとMACCに通報して逮捕にいたるケースもあります。
受け取った側も職を失うだけでなく、罰金も払う必要があります。贈収賄の両者は増収額の5倍が罰金として科され、その金額によって禁固刑の量刑も決まります。
それでも、出入国管理局などでも賄賂の事件は跡を絶ちません。マレーシアには公務員は約200万人いますが、MACCの職員数だけでは足りなく、摘発されるケースは氷山の一角だと思いますが、それでもこの国には時効という概念はないので、10年前のケースでも摘発されることはあります。
日常生活で公務員に関わるのはおそらく警察や道路交通局による取り締まりが多いですが、何か交通違反があっても決してお金を渡してはなりません。また、マレーシアで外国人はパスポートの携帯が義務付けられていますが、この際に賄賂を要求してくる輩もいますが、公務員がお金を要求してくるのは違法なので、この場合は逆にMACCや警察に通報する必要がありますので、留意しましょう。
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