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レイラック滋賀、なんか巻き返してるってよ!

 なんだこれは。10月29日の試合を終え、レイラック滋賀3位との順位表を見てなんだか落ち着かない。上にはソニー仙台とHondaFCしか記載されていない。この時期に、数字上の可能性ではあるが優勝も狙える、こんな高順位にいるとは。JFLで15年超戦ってきたけれども、万年中下位、昨年は最下位のクラブがここまで飛躍するとは。 もちろんファンとして、毎年飛躍を信じ願ってきたけれど、同時にJFLが甘くないことも、イヤというほどたたき込まれている。夏の補強も、順位的にはそこまでのてこ入れにならなかったシーズンの方が多く、一度落とした順位はなかなか回復しない。今季も前半首位に立ち、そこから下り坂になると「盛り返しは厳しいか。なんとか5位6位でフィニッシュを」と考え始めていた。夏場の大量補強もクラブの本気度を嬉しく思う一方、効果はどうだろうか、と案じる気持ちが半分を超えていただろう。
 ところが、だ。補強直後こそ苦しい試合が続いたが新戦力が少しずつ、徐々にかみ合い始める。最初は孤立気味だった田部井選手と五十嵐選手の呼吸が合い始め、右サイドはDFラインを突破できる強力な武器になり始めたし、左サイドの面矢選手も榎本選手を生かしつつ、セットプレーのキッカー、スローワーとして光っている。大垣選手も前線からの巧みな追い込みに加え、すでに4得点と結果をたたき出している。既存の選手と融合し一体感さえ生み出す、これまで見たことがなかった強さを見せてくれている。
 的確なスカウティングで補強が当たった、菊池監督のまとめ方が上手くいったのはもちろん、やはり「本気度」を示したクラブの姿勢が大きかったとみる。あれだけの人数を獲得、確保するのは、「多過ぎでは」という批判や上手くいかなかった時を考えると、思い切った、勇気ある決断だったろう。その決断の重み、覚悟をクラブ全体で共有する、という一体感を作りあげられたからこそ、3連勝での捲土重来となったのではないか。
 その一体感は試合結果だけでなくスタンドにも波及している。他クラブのユニOK、ハロウィン企画といった、これも「サッカーを楽しんでほしい、滋賀にサッカーを根付かせたい」というクラブの想いが伝わる集客策と、これまでサポーターさん方が築いてきたゴール裏やスタッフ・選手たちが続けてきた試合後のファンサービスのあの温かく楽しい雰囲気が、ここにきてスパイラル状に膨れあがってきたと感じる。クリアソン戦後のサイン会は、これまで蒔いてきたものが、豊穣として実りつつあるのを肌で感じ、時間が過ぎるのが惜しく、ただただ幸せだった。

 あと3試合。神ならぬ身であれば最終結果は知るよしもない。ただ、レイラック滋賀となった今季、クラブが素晴らしい仕事を成した、その結果MIO時代から培ってきたものが開花しつつある、ということは、もう分かっている。
 



 

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