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平成最後の夏、決意表明をします。

ちょうど3年前の僕は、2回目の就職活動のさなかでした。2回目になってもやりたいことを見つけられず、日に日に景色はグレーになっていきました。3年後の今日、僕は、会社の新しい挑戦の責任者をになりました。就職失敗の人生のどん底から、Readyforというサービスで、新しい挑戦の責任者になるまでの、挫折と挑戦の物語を書いていきたいと思います。


エリート街道をすすんできた話

いやらしい話ではありますが、僕はエリート街道をすすんできた人間でした。

恵まれた家庭に生まれ育ち、読みたい本は買ってもらい、塾にも自由に通わせてもらいました。都内の中高一貫校に無事進学、そこでもコツコツ勉強をしたので現役で東京大学に合格しました。

東大を選んだのも、その中でも法学部を選んだのも、強い意志はなく、将来の自分にとっての可能性が広いままでいられるような選択肢を選んでいました。

photo by Willie Fineberg

就職活動で挫折する話

そんな僕がはじめて経験する挫折、それが就職活動でした。敷かれたレールにそって道を選んできた僕は、人から言われた正解を追求することは非常に得意でした。一方で自分独自のやりたいことを見つけて、それを相手の求めるものとマッチさせる就職活動は非常に難しいものでした。大手企業を目指した1年目の就職活動は失敗。「就活失敗した東大生」という、なんともみじめなレッテルを自分ではり、自分で悶々としていました。

就活中の僕の内心がevernoteに綴られていたので、印象的だったものを抜粋してみます。

頭がぐちゃぐちゃする。ぐちゃぐちゃだ。READYFORだって、なんだって邪魔で邪魔で仕方ない。僕はずっと判断すること、決断することを避けてきた。先延ばしにしてきた。いっつもイメージで拒否してきた。面倒くさくなって拒否してきた。最悪だよ全くもう。だから、こうやって闇雲にエントリーしなければいけない局面に追い込まれている。両親に助けてもらいながら、エントリーすることになっている。なんて無様なんだ。

自分の価値が分からず、「なるほど、この状態が続くと飛び降りたくなる気持ちも湧いてくるかもしれない」と冷静に暗くなっていました。

photo by Aogu Fujihashi

「このままではまずい。とりあえず何か行動しなくては...」そんな理由で応募したのが、READYFORでした。結果は無事合格。すぐにインターンとして働きはじめることになりました。

インターンをしたからといって、すぐに僕という人間が変わるわけではありませんでした。2回目の就職活動もうまくいかず、結果としてREADYFORでの仕事にも熱がいれられない、そんな日々が続いていました。

仕事、行きたくなくて仮病を使ってしまった。このままモチベーションの低いままダラダラと続けるのもお互いにとって損だから、一旦先輩にメッセージして相談しないとな。

なんとも中途半端なインターン生だった僕に、優しく喝をいれてくれたのが、この頃からずっとマネジメントをしてもらっているCOOの樋浦さんでした。

その喝のメモが残っていたので、これまた抜粋してみます。

READYFORをやめるか、やめまいかで樋浦さんと相談した。
「自分のオーナーシップを自分で持たないこと、すなわち自分のやりたいことを自分でやりきろうとしないこと」
「なんでもいいから一生懸命やりきろうとしないで、立ち止まって考えてしまうこと」
「短期スパンの喜びしかしらないのでは?」という指摘を受けた。

よっぽど身に沁みたのか、メモは更につづきます。

「行動が情熱を産み、情熱が行動を産む。いまの江藤くんは考えすぎ」
「仕事はタスクで任されるのか・アウトプットで任されるのかに分かれる。自分のサービスとして出して、自分でアウトプットから責任を負えるとなった時に、仕事にもやりがいが出るはず」

オフィスの片隅で行われた1時間ほどの1on1。内容はもちろんですが、自分のことを家族以外でこんなに優しくサポートしてくれようとしている人がいる、その事実に涙がでそうになったことを今でも覚えております。

この時から、徐々に就職活動ではなく、READYFORでのインターンに力を入れるようになっていきました。

READYFORでたくさんの挑戦をさせてもらった話

READYFORに入社してから、ほんとうにたくさんのチャレンジをさせてもらうことができました。例をあげてみると...

決済手段の追加とUI改善、アワードイベントの運営、チームのKPI設定とそのグロース、組織と運営体制の構築etc

一つひとつに、たくさんの失敗とちょっとの成功があります。

一つひとつに、膨大なインプットと思考があります。

そのどれもが、いまの自分に無意識レベルで影響を与えているはずで、いま思い出せる範囲でポイントを切り出すのは正しいか分かりません。でも今日はあえてひとつの問とひとつの心構えにしぼって、自分を突き動かしてくれたものをまとめてみたいと思います。

「自分だったらどうするか?」

僕が入社したREADYFORは20人→50人の拡大フェーズであり、毎日のように課題が発生していました。課題を発見したら、担当者とおぼしき人に伝える。それは解決の第一歩かもしれません。しかし、実際には、解決しないことがほとんどでした。なぜでしょうか?

担当者とおぼしき人は、実は担当者ではないことが多いです。日々直面するのは想定していなかったような新しい課題ばかり。決めていた役割では網羅できない課題ばかりでした。たとえ担当者いたとしても、担当者には毎日優先度があります。「分かっちゃいるけど検討から手をつける時間がない」そうして課題は課題のまま、流れていきました。そして何よりも、僕個人の性格としてスッキリしない。同僚にはじめて愚痴をこぼした時、愚痴をこぼしたところで自分の気分は1ミリも良くなっていないことに気づきました。

だから、課題を認識したときは「自分だったらどうするか」を考えるクセをつけるようにしました。会社にクレームが発生したときも、自チーム以外の人が離職したときも、男子トイレの臭いがなかなか抜けなかったときまでも、「自分だったらどうするか」を自問自答していました。

最近、この質問に一段階、上があると知りました。まだ自分も実践できていないので、今日この場で語ることはしません。

100人いたら、50人は反対し、50人は応援してくれる

できることが増えると、自信がつき、トライの回数が増えました。もちろん失敗もしました。自分がチームに与える影響範囲も広がっていたので、批判をいただくこともありました。明確な批判をいただけるならばマシなほうで、1番辛いのはトライしたことの反響があまりなく消滅してしまっていくことでした。それでも続けられたのは、絶対に自分を肯定してくれる人、つまり自分の「支援者」がいる安心感があったからです。

支援者ができるかどうかは、めぐり合わせにある程度左右されます。支援者が1人もいない、自分の進む道に影響力をもっている支援者がいない。そんな状況であれば、その場から逃げ出す選択肢もありです。

でも自分の力で支援者はすこしずつ濃くできます。そして、濃くする方法には2つの正解があると思います。やりたいこと・ありたい姿を発信すること、人の発信に耳を傾けること。この正解には、なんら斬新さがないと思います。もう耳にたこができるほど聞いたことがあるという人もいることでしょう。でも、その耳のたこをひとつ増やす覚悟で、僕も伝えること・聴くことの2つが大切だと主張したいと思います。(説教臭いですね、ごめんなさい)

代表から入社1年目にいただいた手紙

ついに大きな1歩をふみだす話

そんな自分が、2018年の7月から挑戦するのがREADYFORの新しいプラン、シンプルプランのマネージャーです。

シンプルプランとはなんぞやの話をする前に、これまでREADYFORが大切にしてきたことの話をしたいと思います。

READYFORは達成を大切にしてきた

READYFORは「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」をビジョンに掲げています。

そのため、やりたいことの実現に必要な金額を実際にあつめること(=達成)を非常に重視していました。キュレーターと呼ばれるクラウドファンディングの“コンサルティングのプロ”を1人1人の実行者につけて、ページやリターン、PRプランの相談に細かにアドバイスするサービスを提供していました。

結果として、達成率は業界平均が30%前後であるのに対して、70%以上の水準を保つことができています。

もっと手軽に、もっと自由に

競合他社さんと切磋琢磨してきた結果、クラウドファンディングは今も拡大をつづけています。より規模の大きいものが生まれる一方で、より手軽に挑戦したいニーズが膨らんでいます。また成功事例が積み重なり、自然と理想のクラウドファンディングのやり方ができる人の割合が増えています。

・もっと手軽にやりたいニーズの拡大

・自分でもできる人の増加

この2つを背景にして、手数料12%(+税)、仕組みの力で実行者の方をサポートする新しいプラン、シンプルプランはうまれました。

そして、僕はこのシンプルプランのマネージャーをつとめます。

大切にしたいのは、小さな失敗を許容し、大きな前進をうむことです。

自分の人生を振り返ってみれば、READYFORに入るまでの自分は失敗を恐れていました。東大も、法学部も、大手企業も、確実な成功をしたいばかりに人のいう正解にしたがい、結果として「やりたいことがわからない」という人生の大きな損失につながりました。

クラウドファンディングは、まだまだ正解のない、可能性にあふれた世界です。正解がないからこそ、時に失敗をしてしまうことも多々あるでしょう。

・・・・

大丈夫です。

誰にも受け入れてもらえない惨めさも、たった1人の支援者が見つかった頼もしさも、苦難を乗りこえて成功した喜びも、すこしずつ知っている僕と、経験豊富な仲間がささえます。

シンプルプランは世界で最も手軽なサービスとして、たくさんの挑戦と失敗を受け入れます。そこでの小さな失敗が、大きな目でみたときに皆さんのやりたいことの一歩前進につながった、そう言ってもらえるサービスにしたいと思っています。


・よりすばやく掲載できる仕組み

・世界一のクラウドファンディングの教科書づくり

・それを長期的に支えるチームづくり

やりたいことはたくさんありますし、それを叶える心強いメンバーがいます。引き続き、挑戦は発信していくつもりなので、応援をよろしくおねがいします。


以上、長々と語らせていただきましたが、これにて僕の決意表明は終わりにしたいと思います。

この一文まで、たどり着いてくださった方、本当にありがとうございます。

ps.文章という一本の軸にするために、なくなく切り捨てた想い出や学びもたくさんあります。そのへんはぜひ会ってぐだぐだお話できればと思いますので、ご飯のおさそいもお待ちしております。

#だったらReadyfor

(トップ写真 photo by Jason Rosewell)




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