フラクタルを歩く#1

散歩が好きだ。
中高生の頃は色んな友人たちとそれはそれはたいそう歩き回ったもので、暇人同好会のメンバーだった私はよくハンバーガーを買っては歩き、焼肉おにぎりを買っては歩いた。
全く同じ道のりでも、びっくりするくらい飽きないのである。
何を話したかは覚えていない。
僕のことだ、どうせ宇宙の話かうんちの話だろう。

かの有名な伊能忠敬は日本地図を描くために日本各地を練り歩いたが、その距離は果たして有限なのだろうか。

「フラクタル」な図形は、ある部分が全体と相似である図形のことで、すごく簡単にいえば、どこを切り取っても同じ形の図形である。
複雑な形で有名な東北地方の三陸海岸はそのひとつで、リアス式海岸という言葉は聞いたことがある人もいるだろう。

このフラクタルな図形、ちょっとおもしろい特徴がある。
それは、線の長さが無限であるということだ。
これを証明しようとすると少々、いやかなり厄介で僕には出来ないので割愛させていただくが、ざっくり言うとその理由は、遠くから見ても近くから見てもずっとギザギザで、どれだけ拡大しても永遠にギザギザだからである。
ギザギザの線の部分を測ろうとして拡大したらまたギザギザがあって、それを測ろうとして拡大したらまたギザギザがあって、、、
これが無限に続いている状態がフラクタルなのだ。

もしかすると伊能忠敬が歩いた一歩は無限大だったのかもしれないのではないか?

続く

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