クリスマス ダイナソー

「ホワイトクリスマス」なんて言葉があるが、もしこの日に雪が降ってしまってはせっかくの恐竜たちが絶滅してしまうではないか。
幸い昨日も今日も世界は天晴れだ。地上での生活を存分に謳歌しているであろう。
僕はというと、いつものように子どもたちに学問を教え、思いきり幸せのニッコニコで帰路についている。
およそ2時間後、帰宅ののちエアコンなし羽毛布団一枚で寝ているが、寒さに強い僕はもちろんめちゃくちゃ余裕である。ひとりだけど。

さて、恐竜たちが絶滅した理由は未だ定かではないが、ひとつの説にちょっと寒すぎた説がある。
全くもって「ちょっと」ではないはずなのだが、日本人は「ちょっと」と言っておけばほとんどの場合大丈夫なのだ。
寒さに凍えた恐竜たちは身を寄せ合いながら最初で最後の盛大な冬を乗り過ごそうとしたのであろうか。
言葉も発せなかったであろう彼らは、何を思い、何を伝え合っただろう。

こういう話をすると、人間たちは自らの脳ミソの優れているがゆえ容赦ない鉄槌を下すが、僕たちが氷河期を体験するときも同じことになるだろうと思う。
世界が終わりを告げるとき、僕らは多分何も言うことはできない。別の理由で。

ええい、杞憂はやめだやめだ。
今年のクリスマスも、これから100年後のクリスマスも。
寒さ以外の理由で彼らが身を寄せ合いながら愛を伝え合っていることを願う。

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