きっかけの日

「姿勢がいいですね」と褒められたとき、「……そうですかね?」ととぼけた返事しか返せないでいます。

しかし、はて、と思うところもあり。

そこくらいしか褒めるところがないとはいえ、思い起こせばいろんなひとから言われている気がする。

なんでだ……? と考え始めていたら、なんだか相手のかたのほうが「あっ、弓道の姿勢ですかね」と察していただいている始末。

鏡を見て、自分の姿勢がいいなどと思ったことはありません。

でも、気をつけているのは事実。

あれ? これなんでだっけ? としばらくぐるぐるしていたところ、「ああ!」と合点がいったのは、久しぶりに会った親友の背中を見たときでした。

小学校1年生のとき、幼心に彼女のピンとした姿勢が素敵だなと思い、その日から一緒に話すとき、遊ぶとき、背筋を正していた自分を思い出しました。

当時の自分といえば、となりの市の幼稚園を卒園したおかげで、周りにまるで知り合いがいない小学校に飛び込んだところでした。

「かわいい」「かっこいい」「うらやましい」とキラキラどきどきの刺激だらけだった周囲の環境のなかで、その立ち姿を見たときの、なんと言いますか、思わず瞬きをくり返してしまうような「すてき」という感動に似た感覚は今でも覚えています。

なので、定期的に彼女に会っていると、いまだに「ぐでっ」となる自分の背中はまだまだだなーと思う一方で、それが少しでも生活のなかに活かせていることに気がつけると、嬉しくもあるのです……。


なんだか今日はいい話の雰囲気のままきたところで締めようとしましたが、今現在これを打っている姿勢はイスの上にあぐらという 姿勢の良さなど微塵もない体勢です……あとで背中が悲鳴を上げるとわかっていても、好きなんです、あぐら……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?